2018年7月28日土曜日

2018 INDYCARレポート R13 ホンダ・インディー200・アット・ミッド・オハイオ Day1 プラクティス2:プラクティス2最速はライアン・ハンター-レイ

午後のセッションではハンター-レイがこの日のトップタイムをマーク。アンドレッティ・オートスポートは、1日目トータルでロッシが5位、マルコ・アンドレッティが7位、ヴィーチが13位とベースセッティングがよいことをアピール Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

安定したコンディションでタイム争いが激化

 プラクティス1の気温は23~24℃。路面が37~38℃。プラクティス2は気温が24~25℃とほとんど変わらず。路面は43℃とやや上昇したが、ほぼ同じコンディションでセッティングを進めるのには格好のものとなっていた。
 こうしたコンディションでは当然コンペティションは激しくなる。トップ5がコンマ3秒、トップ9がコンマ5秒以内に収まっていた。

レッド装着でコースインを待つ琢磨。手前のマルコ・アンドレッティはブラック装着、奥のレイストはレッドと、チームによって走り出しの判断はまちまち Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 

セッション終盤、ハンター-レイが初日の最速タイムをマーク
 
 プラクティス2は1時間と少し長めのセッション。ここではプライマリー・タイヤ=ブラック・タイヤと、オルタネート・タイヤ=レッド・タイヤの両方をどのチームもチェックする。速いタイムはソフト・コンパウンドのレッドで記録されるのが通常。皆、まずはブラックのセッティングをプラクティス1より良いものにすることに努め、セッション終盤にレッドを投入する。セッション半ばにレッドを投入し、周回数を多目にこなし、耐久性のチェックを行うところもある。金曜に使えるレッド1セットはセッション後にファイアストンに返却するルールなので、使わなかったり、周回数を少なくてしてレースのためにキープはできない。 

カルーセルを行くハンター-レイ Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  セッション終盤、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が1分05秒1950をマークしてプラクティス2のトップに立ち、同時にプラクティス1でのトップ=セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)のベストも上回って今日の最速となった。ふたつのプラクティス・セッションのタイムを総合し、順位をつけても意味はない。しかし、今日の場合は両セッションのコンディションが似通っていたので、普段よりそうすることの意味は大きい。
 ハンター-レイは、「収穫の多い1日となった。自分の望むマシン・バランスに少しずつだが着実にセッティングを仕上げて行けた。僕らはミッド・オハイオにテストに来なかった。それなのに走行1日目にトップ・タイムを出せた。それはアンドレッティ・オートスポートというチームの高い実力を証明している。エンジニアたちが宿題をキッチリこなしたということ。このまま週末を通じ、ハードワークを続けてチーム全体で前進し続けなければ!」と話した。

2番手のパワー「レッドは良かったがブラックはまずまず」


ターン4でスピンを喫したりもしたパワーだが、午後のセッションでは2番手タイムまでリカバリー Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  2番手は0.1421秒差でウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。スピンもあったが、1分05秒3371をマークしたのだった。
 「良いセッティングと呼べるところまでマシンを持って来れたと感じている。正直なところ、まだあと少しの進歩が必要で、その答えを探しているところ。僕らはレッド・タイヤでは良かった。ブラック・タイヤではまずまずだった。今回はレッドとブラックの差が大きく、ブラックで望むバランスを手にするのが難しいんだ。今晩データをよく見直し、明日どんな方向性で行くか決めるつもりだ」とパワーはコメントした。

レイホール「レッドで速く走るために何が必要かを検討する」

 3番手にはグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が来た。プラクティス1では9番手だったが、プラクティス2でP3。彼は本当に地元で強い。実力2割増しか?
彼のタイムは1分05秒4141でトップのRHRとは0.2191秒差。レイホールは良かったが、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はプラクティス1で4番手と好調だったものの、プラクティス2では16番手止まりだった。レッドでラップ・タイムが縮まらなかったためだ。
 

Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
  レイホールは上機嫌で、「いい1日だった。プラクティス2の終盤、僕らはマシンをかなり良いものにできていた。レッドで速く走るために必要なのは何か、それを今晩もう一度じっくり検討し直す。これまでのところ、僕らのチームは高い実力を発揮できていると思う。今晩、琢磨と一緒にデータをチェックし、明日さらに進歩を続けるために何が必要なのかを協議、検討する。予選が良ければ、予選結果が悪かった時と比べ、遥かにレースが戦い易くなる。2015年に優勝した時は予選で苦戦した。アタック中にブロックされて13番手からのスタートだった。しかし、それが結果的に”幸運な13番”となったわけだけれど、決して楽なレースではなかった。今シーズンの僕らは予選で上位グリッドを確保し、レースを普通に戦い切る……というレースを戦うことがまだできていない。そういうレースに今週がなったらいい。今年は何度も不運な目にも遭って来ている。上位フィニッシュ可能なチャンスを逃したことも何度かあった。今回こそ良い週末、すべてがうまく行く週末としたい」と語った。

佐藤琢磨は午後のセッションではタイム伸ばせず
「グレアムがどんな状況だったか、話を聞くのが楽しみ」


Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 琢磨は、「午後はうまく行きませんでしたね」とコメント。「ブラックでは良かったのだけれど、レッドでタイムが出せなかった。トラフィックもあったけれど、そういうレベルじゃないマシンでした。ただ、午後はグレアムが良かった。彼とは違うことを試していましたから、どんな状況だったのか、彼の話を聞くのが楽しみですね。ブラックとレッドのキャラクターが違うので、そこが難しい」とパワーと同じ指摘をしていた。

 どのチームもよりマシンが仕上がった状況だったはずのプラクティス2、ホンダvs.シボレーという観点で順位をチェックすると、トップがホンダ、2番手がシボレー、3番手がホンダ、4番手がシボレーと互角だった(4番手はこのところ好調のスペンサー・ピゴット=エド・カーペンター・レーシング)。しかし、トップ10で見るとホンダ7台vs.シェビー3台と、一気にホンダ優性となる。シモン・パジェノーは11番手とギリギリでトップ10に入れず(プラクティス1も同じ位置)、ピゴットのチームメイト=ルーキーのジョーダン・キングはミッド・オハイオのコースに手を焼いている。AJ・フォイト・エンタープライゼス、カーリン、ハーディング・レーシング、フンコス・レーシングは全員が17番手以下とかなりの苦戦中だ。
 明日は午前中に45分間のプラクティスがあり、午後1時半すぎから予選。天気予報は曇り、気温23℃程度と出ている。午前中は快晴の予報も気温は21℃程度と低そうなので、気温、路面温度共々今日より低いコンディションでのタイム・アタック合戦となるかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿