2018年10月8日月曜日

2018 INDYCARレポート 10月6日:2019年インディーカー・シリーズのドライバー・ライン・アップ現状

トップ3は2019シーズンもエントリー体制に変動なし

 チップ・ガナッシ・レーシングは2018年にキャリア5回目のタイトルを獲得したスコット・ディクソンの2019年シーズンのチームメイトとしてフェリックス・ローゼンクヴィストという26歳のスウェーデン出身ルーキーを起用すると決めた。2019年も彼らは2カー体制だ。アンドレッティ・オートスポートは今年と同じドライバー・ライン・アップ=アレクサンダー・ロッシ、ライアン・ハンター-レイ、マルコ・アンドレッティ、ザック・ヴィーチの4カー体制を維持する計画。チーム・ペンスキーも体制を変えず、ウィル・パワー、ジョセフ・ニューガーデン、シモン・パジェノーを走らせる。

ブルデイは来シーズンも参戦体制継続!
セカンドドライバーはここにきてフェルッチが浮上


 上記3チームと競い、2018年にランキング最上位につけたのは、チャンプカーで4度のタイトル獲得経験を持つセバスチャン・ブルデイ。デイル・コイン・レーシング(DCR)にジミー・ヴァッサーとジェイムズ・サリヴァンのコンビが加わってブルデイをサポートする体制が2019年もキープされる。そのDCRの2台目には、今年のデトロイトx2戦、ポートランド、ソノマに出場したルーキーのサンティーノ・フェルッチ(20歳)が乗ることとなるようだ。チームからの正式発表はないが、契約が結ばれたとの報道がアメリカではされている。ピエトロ・フィッティパルディとザカリー・クラマン・デメロはどうなるのか?
2018年にDCRで走った彼らのどちらかを2019年も起用、あるいは2018年のように2人にマシンをシェアさせての3台目を走らせる……という可能性は残されている。イキのいい若手には是非ともチャンスを与えて欲しいところだが……。

グレアム・レイホール、RLLと5年契約を締結!
佐藤琢磨もチーム残留、さらに3カー体制の動きも

 ランキング8位で4年連続トップ10入りを果たしたグレアム・レイホールは、2018年中にレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングと2019年からの5年契約(!)を発表。チームメイトの佐藤琢磨もソノマでの最終戦決勝日に残留を明らかにしたので、ここも体制に変化なし……と思ったら、3カーへ拡大という噂が消えない。ベテラン・エンジニアのアレン・マクドナルド獲得は、肩書き上は"開発担当として"だが、3台目を走らせるなら彼がそのマシンを見ることは可能だ。もし彼らが3カー体制になるなら、ここに新たな空席が一つ生まれる。

ウィッケンズの復帰時期は不明
6号車のシートに座るのは??

 ギリギリでランキング・トップ10入りしたのはジェイムズ・ヒンチクリフで、そのすぐ後ろのランク11位はロバート・ウィッケンズ。ダブル・ポイントのインディー500で予選落ちしたヒンチと、怪我で最終3戦を欠場したウィッケンズがランキングでこの位置。チームのポテンシャルは決して低くない。ウィッケンズの復帰時期は不透明だが、大きなチャンスを掴める可能性が高い6号車のシートは、今のところまだ空席のままだ。これを手に入るのが誰になるのか、気になるところだ。

ECRのロード要員も未定
3カーの噂のあるカーリン、そうなると空席は2!

 エド・カーペンター・レーシングのストリート&ロードコース用ドライバーも決まっていない。ジョーダン・キングはフル・シーズン・エントリー希望のために他チームと交渉しているようだが、それらがまとまらなければECRと再契約というケースも考えられるが……。
 イギリス出身チームのカーリンは、マックス・チルトンの継続参戦は決まっているものの、スポンサー不足でチャーリー・キンボールが再契約に辿り着けていない。空席「1」ということ。チルトンがフル・エントリー組で最下位のランキング19位で、キンボールもそれと大きく変わらない17位だったが、カーリンは3カーへの拡大も検討している。そうなればカーリンだけで空席「2」だ。
 現在あるおもしろい情報としては、ザウバーF1のシートを失うマーカス・エリクソン(スウェーデン出身/28歳)がインディーカー転向に興味を持っているという話。”競争の激しいインディーカーで戦うことは、F1に戻るためにもベスト・チョイス”と彼は考えているようで、そうしたドライバーのインディーカー参戦もおもしろい。エリクソンはF3で関係のあったカーリンからのインディーカー出場に意欲を持っているとのことだ。

フンコス・レーシングは空席1~1.5 !?
 ロード・トゥ・インディーで実績を積み、2017年にインディー500参戦、2018年にインディーカー・シリーズに参戦して12戦に出場……と着実にステップ・アップをして来たフンコス・レーシングは、2019年には1台を全レースに出場させることを第一目標に掲げつつ、2カー体制も視野に入れている。インディー500では2台を走らせたい意向を強く持ってもいる。2018年の途中からインディーカーにステップ・アップしたアルフォンソ・セリスJr.が2019年はフル・シーズン・エントリーする可能性はある。しかし、フル・シーズンのバジェットがなければ、2人以上のドライバーで1台をシェアするパターンもありだ。ということで、現状の空席は「0.5」〜「1.5」の間。
 オーナーのリカルド・フンコスは、「2018年のインディーカー・プログラムでは利益を出していない。そうするつもりもなかった。現在の我々はチームを強くする時期だから」と話している。アメリカ人にはない”近い将来の成功のために自らに投資する”という考え方で、GMとの関係強化と、チームのエンジニアリングに幅を持たせる目的でIMSAのトップ・カテゴリーにキャディラックのマシンで新規参戦を始めるが、その成果は即座に現れるタイプのものではない。

ピンチを迎えているドライバーたちは……

 こうして見て来ると、キンボール、エド・ジョーンズ、ギャビー・シャヴェス、J.R.ヒルデブランド、カルロス・ムニョス、コナー・デイリー、ステファン・ウィルソン、レネ・ビンダー、カイル・カイザーといった面々はインディーカー・キャリア終焉の危機。インディー500への出場だけで生き残ることでさえ、決して容易ではない。

 AJ・フォイト・エンタープライゼスは来年もトニー・カナーンとマテウス・レイストのブラジリアン・コンビ。
 ハーディング・レーシングは、ハーディング・スタインブレナー・レーシングへと進化してパト・オーワードとコルトン・ハータ、ルーキー二人を起用。
以上

2 件のコメント:

  1. グラハム君の5年契約とはビックリだけど、引退までボビー親父の元でドライブするんでしょうかね…………(ー_ー;)

    そして琢磨選手はやはり単数年契約かなぁ………)(ー_ー;)

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  2. エド=ジョーンズ、来季はエド=カーペンター・レーシングのロード&ストリート担当に決まったそうですね。


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