2019年5月19日日曜日

2019 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第103回インディアナポリス500 Day4:佐藤琢磨にインタヴュー#4 ファスト・フライデイを終えて

アタック順は早いほうがいい

――明日のアタック順は、やっぱり早い方がいいですか?

佐藤琢磨:いいでしょう。4番目ぐらいがいい。1番はちょっと路面がグリーン過ぎるけど、3人目ぐらいからいいんじゃない?  気温は、もう早い方が間違いなくいいでしょう。

――今日より暑く、湿度も高まるという予報です。

佐藤琢磨:マジですか? 寝苦しいじゃないですか。

――日曜が雨という予報もあり、そうなった場合は明日のアタックでグリッドが決まる可能性も……。

佐藤琢磨:そうか。じゃ、持てる力を余すことなく発揮してもらわないと、30号車に。

予選のクルマは昨日とはコンセプトが違うものになっています
――30号車には、明日、明後日に向け、まだ余力がありますか?

佐藤琢磨:あまりない。

――今日、午前中のプラクティスをハイ・ブーストで走り出して、昨日の走行からの予測と違っていたところとかがあったんでしょうか?

佐藤琢磨:やっぱりブーストがが上がってスピードが違うからね。でも、昨日見つけて良かったと感じたセット・アップを今日またやってみたりしたけど、やっぱりレースで使うものと、予選で使うものとは違うんだなって、改めて感じましたね。ちょっとクルマとしては、単純にウィングを寝かせてったっていうんじゃなくて、昨日とはコンセプトの違うものになっています。

――昨日の豪雨は時間はそんなに長くなかったけれどすごかった。やっぱり、路面のラバーが流され、路面も変わっていましたか? 風向きも昨日とは違っていました。

佐藤琢磨:いや、そんなことはなかったと思います。グレアム・レイホールはちゃんと速かったでしょう? 30号車がスピードが出なかったのは、クルマがおかしかったから。今日、僕らのクルマは何回か壊れたんですよ。エンジンのフューエル・マッピングが少しおかしかった。そこにエラーがあって午前中の速度は伸びなかった。
――グレアムとスピード差があったので、どうしたのかな? と見てました。

佐藤琢磨:そうなんだよね。”なんかやられたのかな?”と思った(笑)。

――そして、午後はものすごく暑くなりました。

佐藤琢磨:はい、暑かった。それで曲がり切れなくなって、ダウンフォースをつけてった。厳しかった。
――その後に、雷雨の可能性から1時間以上走れない時間帯がありました。少し焦ったり……とかはしませんでしたか?

佐藤琢磨:いや、眠かったからちょうど良かった(笑)。
――そして、夕方にまた走行を再開しました。

佐藤琢磨:はい。気温はまだ高かったので、明日に向けての良い練習ができたかな、という感じでした。

まだマシンは完全に満足の行く状況は見つけられていなくて
スピードとバランスとがもう一歩というところです


――あの時間帯にはエアロを様々変更してトライをしていたようですね?

佐藤琢磨:やりましたね。でも、どんどん涼しくなってっちゃってたんで、あんまり参考にならないかもしれない、もしかしたら。
――路面温度が下がり出してましたね。

佐藤琢磨:そう。ターン1は日陰になってたし。でも、その割にスピードが伸びなかったから腹立たしい。
――最後から2番目のシミュレーションは意外と速かったのでは?

佐藤琢磨:うーん、でも”意外と”なんですよね。

――今日の自分たちを評価すると?

佐藤琢磨:うーん、難しかったですね。タイヤも6セット使う予定だったんだけど、大幅にオーヴァーして8セット使った。まだマシンは完全に満足の行く状況は見つけられていなくて、スピードとバランスとがもう一歩というところです。
――229mphで4ラップしたいですよね?

佐藤琢磨:無理だね。その点、アレクサンダー・ロッシはすごいよね。ノー・トウで229mphの4周ができていた。でも、ライアン・ハンター-レイは同じスピードを出せていない。
――スコット・ディクソンも229mph台での4周ってのはできていなかったと思います。

佐藤琢磨:4周は無理みたいでしたね。

――4周目まで229mphを保つのはかなり難しいんですね?

佐藤琢磨:毎周落ちて行きます。タイヤのデグラデーションです。結局みんなグリップ走行なんですよ。でも、スリップ・アングルがついてドリフトしちゃっているので、掻いても掻いてもタイヤのグリップがなくなって速度が落ちちゃいますね。で、フロントもどんどんスリップ・アングルが増えくんです、アンダーステアで。グリップが少ないから。そうなればなるほどスクラブで大きな抵抗値が出て来る。絶対に速度が上がって行くっていうのは有り得ないです。もしあるとしたら、最初のタイヤの内圧、アウト・ラップでの内圧が相当低いとか。そういうカラクリがないと。

――アタック1周目に出せるベストのスピードを出しに行くのがいいんですか? 平均点を良くするって考え方は?

佐藤琢磨:4周のアヴェレージで行くか、1周ドカーンッと行って、あとはぶら下がるか……ってことでしょ? 一昨年、エンジニアのギャレット・マザーセッドとダウンフォースとつけて行って4周キレイにまとめたじゃない? あぁいう戦い方がいいんじゃないかな? 勝てないのがわかっている場合は。僕らは自力で230mphは出ないから。今日、5人ぐらいがすごく速かったので、彼らにどれだけ近づけるか、明日に向けてデータをじっくり見たいですね。
――ウォーム・アップ・ラップの使い方は、タイヤや路面が新しくなって今年は違って来ますか?

佐藤琢磨:いや、マシンがわからない状況だとウォーム・アップからかっ飛んで行ってマシンを知ろうとしますが、わかっているマシンならかっ飛ばなくて大丈夫。う1周目は215mphです。
――もう決めてるんですね?

佐藤琢磨:そういう風になって来ていましね。

――明日の予選でのマシンは、今日使ったセッティングに微調整を……というものにするんですよね?

佐藤琢磨:もちろん、そのつもりです。
――予選の目標を最後にお願いします。

佐藤琢磨:ノー・トウの数字がそんなに良くない(予選前日は16番手)し、あまりカッコイイことは言えないかもしれないですね。
アタック順は最も好条件の4番手!
***走行終了後に明日のアタック順のクジ引きが行われ、最初のアタッカーは今日231超えの最速ラップを記録したコナー・デイリー(アンドレッティ・オートスポート)に決定。2番目はスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)、3番目がアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。そして、琢磨が最も好条件と指摘していた4番目を引いたのは”30T”。4番目で走ることになるのは3度のインディ500ポール・ポジション獲得経験を誇るエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)。その次の5番目がホンダ勢でも上位に来そうなセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)。次がトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・ウィズ・マルコ・アンド・カーブ・アガジェニアン)と続く。琢磨はRLLで最初のアタッカーとなるが、これが18番目。予報の通りなら、もうかなり気温、路面温度ともに上昇している時間帯に走ることになる。ジョーダン・キングが23番目で、グレアム・レイホールは30番目と、さらに厳しい状況だ。
 全員に1回アタックのチャンスが与えられた後には2度目、3度目のアタックを行ってよいルールなので、路面温度が下がり出す計測終了(=午後5時50分)間際にアタックが殺到することになるかもしれない。日曜の天気予報は今も雨だからだ。
以上

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