2019年5月25日土曜日

2019 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第103回インディアナポリス500 ファスト・フライデイ(ファイナル・プラクティス):「昨夜シミュレーターと実走行の情報をうまく組み合わせ、考えられるベストのパッケージにできたと思います」

ファイナルプラクティスっを終えてインタビューに応じる佐藤琢磨 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ホンダ勢2位となる3番手タイムをマーク!

  この日曜日に決勝レースの行われるインディー500。そのファイナル・プラクティスが今日行われ、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は3番手となる225.468mphを記録した。トップはトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)の225.517mphで、2番手はサンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング)の225.486mphだった。

ジョーダン・キングも4番手につけてRLL好調!
 トップこそシヴォレー使用のカナーン&フォイトだったが、2~7番手がホンダ勢。4番手は琢磨のチームメイトのジョーダン・キングによる225.337mph。トップ5にRLLは2台を並べた。5番手はジェイムズ・デイヴィッドソン(デイル・コイン・レーシング)の225.314mph。セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)が225.288mphで6番手と、コイン軍団も絶好調。7番手はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)だった。

Photo:INDYCAR (Richard Dowdy) クリックして拡大
 「レースに向けてのよい準備ができました」
 プラクティスを終えた琢磨に聞いた。

――マシンのフィーリング、仕上がり具合はどうだったでしょう?

佐藤琢磨:集団の中でのマシンの動きは、今年のこれまでで一番良い状態に仕上がったと思います。これが最後のプラクティスですが、レースに向けての良い準備ができました。
――スピードは3番手でした。その点についてはどう考えていますか?

佐藤琢磨:3番目に速いラップを記録しましたが、あんまり参考になるものではないかもしれないけれど、トラフィックの中でトウを使って出たスピードだったとはいえ、そこまで持って行けたっていうことのは、クルマ自体が自分と一体化していたことの証明にはなると思います。トップ5にいることとができれば、絶対的なスピードはともかくとして、良い方向に向かっているということだと思います。

――自信を手にすることのできたプラクティスと言えますか?

佐藤琢磨:今日混乱してしまうと非常に不安になるんですが、昨夜シミュレーターで出て来たインフォメーションと、かなり気温の差はあったんですが、涼しいコンディションでの走りが多かったプラクティスで得た情報、それらをうまく組み合わせ、考えられるベストのパッケージにできたと思います。


ファイナル・プラクティスでは64周を走行 Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大
――ロング・ランもできていましたね。

佐藤琢磨:今日は基本的には全部ロング・ランでのトラフィックの中での走りだったんですけど、みんな、かなり気温というところに対してナーヴァスになっていて、結構多くのクルマがダウンフォースをつけて行ってたから、トップ・スピード自体はみんな苦労していましたね。だから、トラフィックの中ではみんなそこそこ良い動きで抜けるんだけど、先頭に出た瞬間にものすごい風圧なので、まったくリードが保てない。そこがレースではすごく難しいジレンマになると思います。

――月曜日のプラクティスよりもみんな抜きにくそうにしていたように見えましたが、どうですか?

佐藤琢磨:気温が上がったので、全体的なダウンフォースが減ってしまって、その分、前や後ろにガーニー・フラップを装着したりしてダウンフォースそのものは取り戻していたんだけれど、その分、それらがすごく抵抗にもなってるので、前のマシンにくっついて行って良い感じの距離感になると、涼しい時だったらそこからグーッとスピードが伸びて行くんだけど、今日はもう暑いので、なかなか伸びて行かなかったです。
「仕上がりは2017年の自分たちのレヴェルに近づいている
だから、自身の2番目に良い状態だと思います」

 

――今日のプラクティスではチームメイト3人で仕事を分担して……という話でしたが……。

佐藤琢磨:それをやりました。

――琢磨選手が担当した分は、良い感触を得られたといことですか?

佐藤琢磨:まぁ、そうですね。シミュレーターを使ったことで、昨日から今日にかけて結構色々なことが証明できました。もちろん、それらは机上の計算とシミュレーター上のことなんですけど。実走行で良いだろうと思っていた方向性を、これまでのプラクティスからだいたいわかっていたので、今日のファイナル・プラクティスで、よいところに着地できたかな、と思っています。

――カーブ・デイを終えて、2017年のそれに近づいた感はありますか?

佐藤琢磨:やっぱり、あそこまでの完成度っていうのはないし、少なくともクルマの空力効率から行くと、2017年のマシンというは絶対に追いつかない領域。だから多分、誰もそういう状況にはなっていないと思います。ただ、相対的な、トラフィックの中での動きとか、仕上がりと言えば、2017年の自分たちのレヴェルに近づいている。だから、自身の2番目に良い状態だと思います。
パジェノー22番手、他のペンスキー勢もうひとつ
 琢磨は64周をこなした。これは多い部類に入る。最多はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)の72周。

 ポール・シッターのシモン・パジェノーは琢磨、フェルッチ、キング、と同じ64周を走ったが、ベストは222.856mphで22番手とスピードが出ていなかった。もちろん、各自の最速ラップはどれだけ大きなトウを得たかが影響しており、マシンやドライバーの持つパフォーマンスそのものに直結してはいないのだが、ここまで順位が後方だったということは、今日試したレース用セッティングは今ひとつだったとも考えられる。パジェノーには彼と同様に優勝候補に数えられるドライヴァーが3人いるが、昨年度インディ500ウィナーのウィル・パワーが224.240mphで10番手。最多タイのインディ500での4勝目を狙うエリオ・カストロネヴェスが224.094mphで12番手。ニューガーデンが223.911mphで13番手と、パジェノーほどではないしろ、決して良い順位ではなかった。

 予選2、3、4位だったエド・カーペンター・レーシングの3人は、スペンサー・ピゴットの223.905mphでの14番手が最上位。エド・カーペンターが223.481mphで18番手。エド・ジョーンズは222.112mphで31番手(!)と、こちらもあまり上位には来なかった。
以上

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