2019年6月24日月曜日

2019 ジャック・アマノのインディーな1日 6月22日:ロード・アメリカご当地ウイスコンシンのモータースポーツ・スポンサー、メナーズの店舗探訪

シモン・パジェノーのサイン会がロード・アメリカ近くのメナーズで行われ、多くのファンが訪れた。子供も大人もパジェノーのシャツを着ている人が数。スケールモデルやポスター、写真などなどを持って来てサインをしてもらっていた。インディー500チャンピオンになってもパジェノーの人柄の好さに変わりはなく、ひとりひとりにゆっくり時間をとっていた Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
2003年までチーム・メナーズとして活動
現在はパジェノーのメイン・スポンサーでおなじみ
 インディー500で優勝したシモン・パジェノー。彼のマシンがド派手な蛍光イエローのマシンになってるのは、メイン・スポンサーであるメナーズ(Menards)の意向。メナーズとは、ウィスコンシン州出身のジョン・メナード(John Menard)氏が興した、主にアメリカ中西部で大々的に店舗展開をしているホーム・センター・チェーンだ。

メナーズのロゴは緑を基調にカラフルなストライプ Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

 デトロイト、テキサスとパジェノーはメナーズの蛍光イエローじゃないマシンで走行。インディー500ウィナーなのにカラーリングが違うのは寂しかった(この2週末のスポンサーさんには申し訳ないけれど……)。
 今週のロード・アメリカはウィスコンシン州。メナード氏と彼のビジネス=メナーズの地元レースとあって、カー・ナンバー22のチーム・ペンスキー/シヴォレーはメナーズの蛍光イエローで走る。そして、パジェノーがサーキットの近くのメナーズでサイン会を行うというんで、行って来た。



店も駐車場もデカい。これでメナーズの店舗サイズとしては普通……かな、と Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 ド派手なカラーリングはペイント・メーカーの

グリッデンとジョイントした1990年から
 メナーズの会社のロゴはグリーンがメインで、黄/オレンジ/赤のストライプ入り。その辺が理由なのか、ジョン・メナード氏のチームのマシンは白に始まり、後にグリーン、ブルー、イエロー、オレンジ……と目立つカラーリングを採用し続けた。残念なことに、チーム・メナードは2003年で活動を終了。2016年からはチーム・ペンスキーのスポンサーとしてインディーカー・レースにエントリーしている。彼らのTVコマーシャルは、♪Save Big Money at MENARDS ♫ って歌って終わる。1990年にインディアナポリスに住んだ時に初めて見た時から変わってない。耳に残るフレーズと音。


メナーズの御膝元、ロード・アメリカには久々に蛍光イエローのメナーズ・カラースキームで登場 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 チーム・メナードのマシン・カラーリングがよりハデになったのは、彼らが塗料メーカーをスポンサーに起用した1990年からのはずだ。メナーズのように店の数が多いチェーンが販売に力を入れれば、その商品は大量に売れる……というところに目をつけ、幾つもあるペイント・メーカーに”一緒にレースのスポンサーしよう”と声をかけた結果、乗って来た”グリッデン”という会社のロゴをサイド・ポッドに大きく載せ、彼らの商品を全店舗で積極的に売った。この賢いスポンサー獲得法=自分も資金を出すが、取扱商品のメーカーにお金を出させてレースをする=といいうスタイルはメナードによって確立され、その後に似た形態のビジネス=スーパー・マーケット(Kマートやターゲット)が同じ手法でスポンサーを獲得していた。






ここが入り口。回転するバーを押して入る。右手に照明コーナー。ネジ、ボルト&ナット、パイプ、パネル……・商品の種類、在庫の多さはすごい Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 ジム・クロフォード、ゲイリー・ベッテンハウゼン、ネルソン・ピケ、スコット・ブレイトン、アリー・ルーエンダイクらがチーム・メナードのマシンに乗った。ブレイトンは2年連続でインディーのポール・ポジションを獲得。それも、ビュイックV6ターボを自らチューニングして”メナード・エンジン”搭載でだった(1995、96年)。”インディーで勝てなくていいからポールポジションを獲りたい”と言っていた”スコッティ”は夢を叶えた。しかし、2回目のポール・スタートを切ることなく、プラクティスでのアクシデントで亡くなった。

とんでもない品ぞろえのメナーズ店内!
しかしペイント売り場にグリッデンはなく一抹の寂しさも

 

ジョン・メナードは材木商がスタートだった……はず。店内には多くの素材、サイズの木材も豊富に並べられていた。庭に設置する物置小屋が高い位置にディスプレイされているとは! Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 アメリカでホーム・センター的な店で買うものがほとんどないので、今回がメナーズ行きは初めてだった。アメリカ人には家のことは何でも自分でやっちゃうって人が多いから、こういう店は繁盛するんだろう。

ホイール付きの大きな青い工具シェルフ。お値段1699ドル。この中にズラーッとピカピカのスパナやドライバー、レンチ類を……なんて憧れるけど、総額幾らになるだろ? Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
ガス・オーヴン&コンロ。手前のは1889ドル。そのパネルにパジェノーのサイン会の告知を発見 Photo:Masahiko Amano クリックして拡大 
  メナーズにはハンド・ツールから大きな電動工具、それらをしまっておくツール・ボックスや戸棚、テントからカヌーなどなどまでのアウトドア・スポーツ用品、キャンプ用や自宅で使うグリル、木材、家の外装/内装のパーツ類、園芸用品、塗料、肥料……さらにはジュース、菓子などの食品まで、ものすごい量の商品が並んでいた。そして、奥の方にペイント売り場を発見。行ってみると、グリッデン・ペイントは置いてなかった!

ペンキは店の奥に発見。ダッチ・ボーイはあってもグリッデンはなく、がっかり Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 ディック・サイモン・レーシングやダグ・シアソン・レーシングでルーエンダイク(オランダ出身)をスポンサーしてたダッチ・ボーイのは置いてあったけど……。メナーズとグリッデンの取引がなくなっちゃったんだな。どんな事情があって、いつそうなったのかは知らないけど。結構な寂しさを感じてしまった。
以上  

1 件のコメント:

  1. 天野さん、こんにちは。別のサイトで天野さんの記事読みました。ストラテジストの記事です。前に、天野さんに質問してお答えくださったときもあります。私は、ジョン・ヴォンサログが大好きなんですがエリオ・カストロネベスがインディカーを去ってからペンスキーのストラテジストに関わっていませんよね?ファンパブロ・モントーヤやウィル・パワーのストラテジストをされていましたが今は、インディカーに携わっていないのでしょうか?最近、テレビに映らないのでとても残念です。長々とすみませんでした。あくまでレーサーがメインなのかもしれませんが、私はジョン・ヴォンサログのインタビュー対応や笑顔レースのストラテジーも大好きでした。

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