2019年7月13日土曜日

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day1 プラクティス1:トロントのプラクティス1はスコット・ディクソンがトップタイム

昨年のウィナー、ディクソンがプラクティス1でトップタイム Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
曇り空の中、シーズン最後のストリートレースが開幕

 今シーズン最後のストリート・レースとなるホンダ・インディ・トロントが始まった。全長1.786マイルのコースはもうお馴染み、今年で35回目の開催となるエキシビジョン・プレイス。トロントのダウンタウンからすぐの、オンタリオ湖に面した催し物会場と公園にレイアウトされる。今日の天候は曇り。気温は22℃ほどと、涼しいぐらいのコンディションでプラクティス1は行われた。


プラクティス1のターン11でスピンを喫したニューガーデンだったが、このセッションではディクソンに次いで2番手につける Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
ファイアストン、新コンパウンドのプライマリータイヤ投入

 舗装がコースの部分部分で異なるのがトロントの特徴。マシンのセッティングもドライビングも非常に難しい。今年最初のセッション45分間ではスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が1分01秒0723のベスト・ラップをマークした。彼は昨年のトロント・ウィナーで、2013年にはダブルへダーの2レース両方で優勝を記録している。
 今回のレースに向け、ファイアストンは新しいプライマリー・タイヤを持ち込んでいる。構造は昨年のトロントと同一のまま、”グリップ増大を狙って”新開発のコンパウンドを採用。新タイヤでは耐久性とパフォーマンスのバランス向上が実現されるはず、とファイアストンは話している。今回はまだ路面にタイヤ・ラバーが載っていない”グリーン”なコンディションとあって、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がメイン・ストレートに出るターン11でスピンを喫し、セッションを中断させていた。

昨年ウイナーのディクソンがトップ
3強チームのドライバーたちが上位7位独占


 ニューガーデンはセッション終了間際にディクソンに0.1415秒差まで迫る1分01秒2138をマーク。3番手はルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)による1分01秒2395だった。ガナッシの出足が良いが、ペンスキー勢もインディ500ウィナーのシモン・パジェノーが5番手、パワーが7番手につけている。パジェノーはトップと0.4246秒差、パワーは同0.6118秒差だが……。 

 
今回のレースではウィッケンスがアキュラNSXのセーフティカーをドライブする Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

 4番手はポイント2番手につけているアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。タイムは1分01秒3843でディクソンとは0.3120秒差。彼のチームメイトたちは、2012年トロント・ウィナーのライアン・ハンター-レイが1分01秒6702(トップと0.5979秒差)が6番手だった。マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・ウィズ・マルコ・アンド・カーブ・アガジェニアン)は11番手、ザック・ヴィーチは17番手だった。
ハータはこのセッション15番手 Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
  3チームのドライバーたちがトップ7を占め、その後ろの8番手は2004年トロント・ウィナーのセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)だった。タイムは1分01秒7180。彼のチームメイトのルーキー、サンティーノ・フェルッチは18番手だった。

佐藤琢磨は最終ラップに9番手タイムをマーク
「タイヤはグリップが上がっている……という話なんだけど
タイムが出ていないですよね。何かがおかしい」


Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
  そして、9番手が佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。タイムは1分01秒8080。このベストは彼にとっての最終ラップ=15周目に記録された。琢磨のチームメイト、グレアム・レイホールは1分01秒8883で12番手だった。
 「ロード・アメリカの後には日本に戻り、アメリカに来て、イギリスに行って、そこからカナダに来ました。イギリスではグッドウッドのイベントに参加してマクラーレン・ホンダを走らせました。残念ながら日曜日の天候が悪く、土曜日に1本だけしか走らせることができませんでしたが、とても素晴らしいイベントで、すごく楽しみました。トロントのコースは、昨日トラックを見て回りました。毎年のことなんですが、ここは冬が厳しくて夏が暑いので、路面のコンディションがどんどん悪くなって来ます。今年も場所によって新しくコンクリートのパッチがされていたり……というのがあります。今年はターン3のヘアピン・イン側が2フィートぐらい狭められてたり、ターン8も少し変わっていたり……というのがあります。走っていた感じたのは、ターン11が全然変わっているな、ということ。自分も含め、みんながスピンしていたところです。あのコーナーはどんどん狭くなって行って、ステアリングをどんどん切り込んで行かないとならない。滑り易くてスピードが全然乗せられなかったし、おまけにバンプも激しいですね。あんなところでみんながスピンするなんて、なんかおかしい。タイヤはグリップが上がっている……という話なんだけど、タイムが出ていないですよね。何かがおかしい。ラップタイムはそれなりのものが出ている……と言っても9番手だから、良くはないですよ。このコースではアンダーステアもオーバーステアも出るんですが、今はまだマシンのバランスが良くない。イニシャル・セッティングは今回、自分とグレアムとで大きく違った状態からスタートしています。違えた理由は、自分たちは去年ここで良かったのでそれを使っていて、グレアムの方は、今年ずっとデヴェロップして来ている、彼のスタイルのアラン・マクドナルド式のセッティングをアプライしたもので走り出しました。どちらも、良い方にすぐに変更できるので、違うセッティングで走って、どちらかがもうちょっと良かったら……というところでした」と琢磨はコメントした。午後のプラクティス2、RLLとしては二つの路線を保ってセッティングを更に進めて行くのだろうか、それとも、どちらかに絞り込んで行くのだろうか?
以上

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