2020年2月2日日曜日

2020 INDYCARレポート 1月27日:デイトナ24時間でスコット・ディクソンが優勝


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ウェイン・テイラー・レーシングの

コニカ・ミノルタキャディラックDPi V.Rが優勝

 今年のロレックス24アット・デイトナ(=デイトナ24時間レース)で、ウェイン・テイラー・レーシングのコニカ・ミノルタキャディラックDPi V.Rが優勝した。伝統あるイベントは今年が58回目の開催。ストックカー用のハイ・バンク・オーバルとインフィールドを繋げた全長3.56マイルのコースでのバトルは、833周を走り切った小林可夢偉ランガー・ヴァン・ダー・ザンデライアン・ブリスコースコット・ディクソン組がウィナーとなった。チップ・ガナッシ・レーシングのフォード・ワークスとしてのGTLMクラス参戦が去年で終了し、乗るもののなくなったディクソンとブリスコーをWTRが起用、昨年優勝したクルー2人とマシンをシェアさせ、見事優勝を飾った。5度のインディーカー・タイトル獲得を誇るディクソンは、ロレックス24アット・デイトナも今回が3勝目となった。初優勝は2006年、チップ・ガナッシ・レーシングのライリーレクサスに乗ってのもので、2回目は2015年=ライリーフォード(チップ・ガナッシ・レーシング)でだった。幸先の良いシーズン・スタートを切ったディクシーは、6度目のインディーカー王座と、インディー500での2勝目を目指す。

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小林可夢偉、デイトナ24時間2連勝!

PPスタートのマツダ・チーム・ヨースト、同一周回も1分あまり届かず

 小林とヴァン・ダー・ザンデは2連勝の快挙。小林は日本人として初めてデイトナで2勝を挙げたドライバーにもなった。WTR2連勝で通算4回目のデイトナ制覇だ。また、キャディラックDPi V.Rはデビュー以来4年連続でのデイトナ優勝である。
 
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 今回惜しくも2位に敗れたのはマツダ・チーム・ヨースト。昨シーズン3勝とマシンのレベル・アップを果たして来ている彼らは2年連続のポール・ポジションからスタートし、今年はウィナーと同一ラップでゴール。しかし、105426届かなかった。ライアン・ハンター-レイが搭乗していたもう1台のマツダは6位でのフィニッシュだった。

チーム・ペンスキーのアキュラはパジェノーが駆る6号車の4位が最高位

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 チーム・ペンスキーが走らせるアキュラARX-05は、昨年のインディー500チャンピオン=シモン・パジェノーがファン・パブロ・モントーヤ、デイン・キャメロンと搭乗したカー・ナンバー6がトップと5周差の4位。アレクサンダー・ロッシエリオ・カストロネヴェスリッキー・テイラー組は序盤にマツダの1台と接触、クラッシュ。その遅れを最後まで取り戻せず、22ラップ・ダウンの8位となった。

 3位のキャディラックにはセバスチャン・ブルデイが搭乗していた。そのチームメイト・マシンにはマテウス・レイストとトゥリスタン・ヴォーティエが乗っており、彼らのマシンは5位でゴールした。インディーカーで4度チャンピオンになっているブルデイは、2014年にコルヴェットDPというマシンで総合優勝を飾っている。

 LMP2クラスのウィナーはドラゴンスピードUSA。昨年インディーカーへのチャレンジを始めたチームだ。本業のスポーツカーで本領を発揮したということ。ドライバー・ライン・アップにはインディーカーに彼らのチームから出場したベン・ハンリーも含まれていた。

 GTLMクラスで2連勝したのはBMW M8 GTE。このチームのオペレーションはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングが担当している。昨年の優勝メンバーだったコルトン・ハータは、今年はクラス5位でフィニッシュした。今回がデビュー戦だったシヴォレー・コルヴェットC8.R1ラップ・ダウンの4位で1台がゴールした。

 超激戦区のGTDクラスではランボルギーニ・ウラカンが1-2フィニッシュ。アウディR83位で、4&5位はポルシェ911 GT3 Rだった。6位がBMWで、7位はフェラーリ488 GT3。アキュラNSX
GT3はクラス8位とグラス10位だった。これらのマシンはインディーカーにも参戦しているメイヤー・シャンク・レーシングがオペレーションしている。デイル・コイン・レーシングとタッグを組んでいるジミー・ヴァッサーとジェイムズ・サリヴァンのコンビによるチームが走らせるレクサスRC F GT3はクラス9位と12位だった。

アロンソのインディー500挑戦3回目はアンドレッティ・オートスポートから??

 フェルナンド・アロンソがマクラーレンを離脱した。F1マシンを降りてからもマクラーレンから大使的なポジションを与えられていたが、その契約は昨年いっぱいで終了し、更新はされなかったということだ。
 昨年、アロンソはインディー500にマクラーレンのドライバーとしてエントリーし、予選落ちを喫した。今シーズン、マクラーレンはインディーカー・シリーズにフル・エントリーすることになったが、アロンソにはインディーカーでフル・シーズンを戦うつもりはなく、彼らはパトリシオ・オーワードら若手二人で戦う方針を採用。アロンソはトリプル・クラウンを今も目指しており、インディー500には再挑戦を行なう強い意志を持っている。しかし、マクラーレンから”アロンソをインディーに出場させる”という発表は未だにされていない。これはつまり、アロンソがマクラーレン以外のルートを探しているという意味だ。マクラーレンではチームもチームメイトも彼の野望達成をサポートするには力不足。それは去年の苦い経験で十分理解できた。アロンソはズバリ、2017年に一緒に戦ったアンドレッティ・オートスポートでのインディー500再挑戦を目指し、交渉を重ねているのだろう(一番優勝の可能性が高いのはチーム・ペンスキーで走ることだが、アロンソは交渉しているんだろうか?)。マクラーレンとのコンビでなければ、ホンダのエンジンで戦うことも可能となるかもしれない。チーム・オーナーのマイケル・アンドレッティも、アロンソを走らせることは大歓迎だ。問題はスポンサー・マネー。アロンソならそれを見つけるのも難しくないか??

AJ・フォイト・エンタープライゼスのレギュラーにチャーリー・キンボール!

 昨シーズンはカーリンから7レースに出場しただけだったチャーリー・キンボールだが、2020年シーズンはフル・エントリーに復活する。しかも、AJ・フォイト・エンタープライゼスのドライバーとして。スポンサーはこれまでと同じノヴォ・ノルディクスで、カー・ナンバー4の方に乗ることになるようだ。
 14号車にはトニー・カナーンが引き続き搭乗......と噂されて来ているが、未だに正式発表はない。ABCサプライに代わるメイン・スポンサーも近々公表する、とチームは言っており、その際に同時にカナーンのフル・エントリーも発表となるのか、他のパターンも検討されているのか?
 デイル・コイン・レーシングのシートを無くしたセバスチャン・ブルデイを起用......なんて可能性、社長のラリー・フォイトが模索していたら凄いのだが。TKをオーバル要員、セバスチャン・ブルデイをロードコースで走らせるという豪華ライン・アップが実現したらおもしろい。セブはオーバルでも十分に競争力が高いので、インディー5003台体制......なんてなったら最高。キンボールにとっても元チャンピオン二人がチームメイトなら大きなメリットが得られるはずだし。
以上

2 件のコメント:

  1. ブリスコー、おめでとうございます!AJ フォイトにブルデーとTK が一緒になったら最強ですね!ベテランがいないのはさみしいです。

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  2. 結局トニー=カナーンは、インディ500含めオーバル全戦のみ参戦後、フル参戦からは撤退する事になりました(つまり琢磨選手がフル参戦最年長になる)。

    で、いったい14号車のロード・ストリートは誰になるんでしょ??

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