2020年3月2日月曜日

2020 INDYCARレポート 3月2日:3月のニュース1 アロンソはマクラーレンSP、琢磨に新チームメイトetc.


 2020年シーズン開幕の3月に入りました。私、Jackはテストも取材できたら…………と少し早めのアメリカ入りをしております。フロリダ州オーランドウに到着してみると、意外な肌寒さ。深夜から朝方に気温が10℃を切るほど。約2週間後のセント・ピーターズバーグでのレース・ウィークエンドには、今よりグッと暖かくなっていることを祈ってます。では最近入って来たニュースをどうぞ。


フェルナンド・アロンソの3回目のインディー500挑戦は
アロウ・マクラーレンSPから

 F12度チャンピオンになっているフェルナンド・アロンソ(38歳)が、3度目のインディー500挑戦をアロウ・マクラーレンSPから行なうことを2月下旬に発表した。
 初挑戦だった2017年のインディー500ではトップを走ってさすがはワールド・チャンピオンと世間を唸らせたが、2回目の2019年はまさかの予選落ち!
インディー500は非常に特殊なレース。その難しさを世界中の人々が改めて知ることになった。
 アロンソは3回目のチャレンジを2017年と同じアンドレッティ・オートスポートから行おうと画策。マイケル・アンドレッティの率いるチームはインディー500で高い実績を誇る上、一度一緒に仕事をしている点もプラス。さらに、優秀なチームメイトが数多くいる点も大きなメリットだ。ところが、アロンソのアンドレッティ入りは叶わず、アロウ・マクラーレンSPからエントリーすることになった。

 昨年のマクラーレンはインディー500のみへの参戦プロジェクトを立ち上げ、インディーカー・シリーズをレギュラーで戦っているカーリンの助けを借りることにしたが、結果は予選落ちという最悪のものになった。今年の場合、彼らはアメリカで長年戦って来たシュミット・ピーターソン・モータースポーツを吸収したアロウ・マクラーレンSPとしての出場となるため、昨年苦い思いをした体制とは異なるものとなるわけだ…………が、不安材料も少なくない。
去年のシュミット・ピーターソン・モータースポーツはエースのジェイムズ・ヒンチクリフが予選を通過できなかった。インディー未経験のチームで失敗したアロンソは、今度は近年のインディーを得意としていなかったチームから出場することとなるのだ。
 もっとも、AMSPはテクニカル・ディレクターを新たに起用しており、去年までとは大きく変わる可能性もある。彼らが雇い入れたのは、セバスチャン・ブルデイにインディーで驚異的スピードを出させていた(大クラッシュに繋がったが……クレイグ・ハンプソン=ブルデイと4年連続チャンプカー・チャンピオンとなったエンジニア。シュミット・ピーターソン・サイドもマクラーレン側もインディーで良好なデータを蓄積することができていないが、アロンソのインディーでの経験不足をハンプソンがカヴァーすることが期待されている。
 チームメイトについては、アンドレッティ・オートスポートでなら大きな期待ができるが、マクラーレンSPではそれはほとんど無いに近い。インディー500での経験をまったく持たないルーキーのオリヴァー・アスキューと、昨年アロンソ同様に予選落ちをしているパト・オーワード(カーリンからの出場だった)という若手2人しかいないからだ。アロンソとすれば、頼られはしても頼れる者はいないに等しい。
 そんな状況でも、アロンソは去年予選落ちした時と同じカー・ナンバー66を今年も採用するのだから、迷信深くはないらしい。佐藤琢磨が2017年のインディー500優勝を果たした時のスポンサー=ルーオフ・モーゲイジのカラーリングで走ることも、幸運を運んでくれるとは考えないということか。


インディー500で佐藤琢磨にチームメイト追加=スペンサー・ピゴット

 エド・カーペンター・レーシングからリリースされてシートを失っていたスペンサー・ピゴット(26歳)が、GMRグラン・プリ(以前のインディーカーGP)と第104回インディー500・プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジにレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング・ウィズ・シトローン・ビュール・オートスポートから出場することになった。RLLはインディーで3台体制を敷くことを計画しており、その追加ドライバー1人がついに決定したということだ。ピゴットはインディー・ライツでチャンピオンになった翌年の2016年、RLLからインディ500を含む3レースに出場しており、関係復活となる。
 ピゴットのプロジェクトは、元インディーカー・ドライバーでドレイヤー&レインボールド・レーシングの共同オーナーとしても活動していたロビー・ビュールと、実業家のロバート・シトローン親子が立ち上げたシトローン・ビュール・オートスポーツ(CBA)によるものだ。
 ピゴットは2019年のインディーカーGP5位フィニッシュし、インディー500では予選3位のキャリア・ベスト・グリッドを獲得しており、今年の5月にも好パフォーマンスを発揮することが期待されている。キャリア・ベスト・フィニッシュは2018年のアイオワ・スピードウェイでの3位だ

チャーリー・キンボールにインディー500用メイン・スポンサー

 チャーリー・キンボールの乗るAJ・フォイト・エンタープライゼスのカー・ナンバー4は、今年の第104回インディー500プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジでリップカレントというエネルギー関連の会社がメイン・スポンサーになる。エネルギーの効率的利用、二酸化炭素輩出縮小、それらによる経費節減を実現するテクノロジーをカスタマーに提供する企業はインディー以外のレースでもキンボールのマシンのサブ・スポンサーを務める。
 2月中にも発表しそうな雰囲気を醸していたカー・ナンバー14メイン・スポンサーは、まだ明らかにされていない。

5
基目のエンジン投入ならグリッド降格の新ルール

 NTTインディーカー・シリーズにフル・シーズン出場するエントラントは、1シーズンを4基のエンジンで戦い抜くこととされている。昨シーズンまでだと、5基目投入時から、当該エントラントはマニュファクチャラー・ポイントを獲得する権利を失うペナルティが課せられていたが、シーズン終盤になってチャンピオンシップ・コンテンダーたちが次々と新エンジンを投入する事態を見て、インディーカーはマニュファクチャラーが参戦費用を自ら高騰させている行為をなくさせるよう、5基以上のエンジンを投入したエントラントは、それらのレースでスターティング・グリッドを予選で得たポジションから降格=ストリート/ロードコースで6つ、オーバル・コースで9つ=というルールを採用することになった

スコット・マクロクリンが2021年はインディーカーにフル・エントリー?

 サーキット・オブ・ジ・アメリカスで2月に行なわれた合同テスト3番手につけるラップ・タイムを記録し、その才能を見せつけたニュー・ジーランド出身の箱ドライバー"=スコット・マクロクリン(26歳)が、2021年にはアメリカのトップ・シングル・シーター・シリーズにフル・シーズン・エントリーする可能性が出て来た。
 マクロクリンはインディーカー・シリーズ参戦をずっと夢見て来たという。今年も彼はヴァージン・オーストラリア・スーパーカーズ・チャンピオンシップにフル出場、3年連続3回目のチャンピオンを目指すが、5月にはインディーカー第5GMRグラン・プリに出場し、念願のインディーカー・デビューをチーム・ペンスキーから果たす。
 マクロクリンは40年近い歴史を持つディック・ジョンソン・レーシングとチーム・ペンスキーのジョイントしたDJRチーム・ペンスキーでフォード・マスタングに乗っているが、オーストラリアの伝説的ドライバー兼チーム・オーナーであるディック・ジョンソンから”2021年のアメリカ行きに対する許可をもらった。
 マクロクリンがインディーカーに参戦する場合、それはチーム・ペンスキーからのエントリーになると見るのが妥当だ。とすると、彼らは4カーへと体制を拡大するのだろうか?
ウィル・パワー、シモン・パジェノー、ジョセフ・ニューガーデンのトリオは全員がタイトル獲得経験者。ニューガーデンは2度チャンピオンに輝き、パワーとパジェノーはインディー5001回ずつの優勝している。彼らは間違いなくシリーズ最強のライン・アップ。この中から1人を手放し、将来性があるとはいえルーキーを起用するとは考えにくいが。果たして…………
以上

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