2022年7月4日月曜日

2022 INDYCARレポート R9 ホンダ・インディー200・アット・ミッド・オハイオ Race Day ファイナルプラクティス:ウォーム・アップでルーキーのデイヴィッド・マルーカスが最速

Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

 マルーカス、圧倒的タイムでパロウを逆転!

 ミッド・オハイオでの決勝を午後に控えたウォーム・アップ・セッションで20歳のアメリカン・ルーキー、デイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズHMD)が1分07秒7110の最速ラップを叩き出した。彼がレッド・タイヤを装着してコース・インしたのは30分間のセッションの残り時間が10分を切ってからだった。その時点でトップにいたのはアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)で、彼のラップ・タイムは1分07秒9649だった。それより0.2539秒も速いラップをマルーカスは記録してトップに立ち、そのままセッションは終了となった。

常設ロードコースでも高いポテンシャルを発揮


 マルーカスがレッドで走ったのはタイヤ・ラバーが乗り、路面の状況が最も良くなっていた時間帯だったし、彼はチェッカード・フラッグが振られるまでに5周の連続ラップしかレッドでこなしていない。セッション・ベストの次のラップは1分08秒6までペースを下げてもいた。そのラップでトラフィックに遭遇したなどがあったかは不明で、午後に行われるレースでの彼がどれだけのスピードと安定感を披露できるかはわからない。気温が24〜25℃、路面温度が32〜35℃とレース時に想定されるものより低温のコンディションでもあった。しかし、インディー500で予選13位/決勝16位とルーキー=・トップの成績を残し、デトロイトという難しいストリートコースで予選6位(今年のルーキーで最初のファスト6進出)に食い込んでみせた彼は、常設ロードコースでも秘めた能力が高いことを感じさせる大健闘を見せてきている。今回の予選結果は8位。またしてもルーキー最上位のグリッドからスタートするマルーカスがどんな戦いを見せるか楽しみだ。

パロウ、レッド・タイヤで安定したラップ
一方エリクソンはブラックタイヤの評価に終始


 セッション2番手は予選7位だったパロウの1分07秒9649。こちらもレッド・タイヤで記録されたタイムで、彼の場合は翌周も1分08秒0868とコンペティティヴなタイムをマークしていた。
 3番手は現ポイント・リーダーのマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)で、彼のベストだった1分07秒9714はブラック・タイヤで出されたものだった。予選が13位とあまり良くなかったエリクソンはブラックの評価に終始し、チームメイトたちがレッドのパフォーマンスをチェックと、仕事は分担されていたようだ。

ペンスキーもチーム内で役割分担

 4番手は昨年のミッド・オハイオ・ウィナーで今シーズン既に3勝しているジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。ベストはレッドで記録した1分08秒0121だった。彼はガナッシのエリクソンとは真逆でレッドでの連続周回を20周ほど行った。チームメイトのウィル・パワー(予選21位)とスコット・マクロクリンはブラックで走り出し、セッション終盤にレッドも短時間だが確認するプログラムで、マクロクリン(予選2位)が6番手、パワーが11番手のベストをレッド装着で記録していた。

アイロットも5番手タイムと好調
佐藤琢磨はファイナルプラクティスでは10番手に


 5番手もルーキーだった。カルーム・アイロット(フンコス・ホリンジャー・レーシング)がレッドで1分08秒0900を記録したのだ。昨シーズン終盤の3レースから出場を続けてきている彼はブラックとレッド=ハードとソフトの二種類あるロードコース用タイヤでの経験もかなり蓄積してきており、自己ベストである8位を上回るリザルトを手にしたいところだろう。今日の彼は10番グリッドからスタートする。

 7〜10番手はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)、リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)。ポール・シッターのパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)は1分08秒7963のベストで17番手。彼のチームメイトのフェリックス・ローゼンクヴィスト(予選4位)も20番手となるタイムしか出せなかった。予選5位という悪くないポジションからスタートするミッド・オハイオ6勝のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は18番手とウォーム・アップでは目立っていなかった。


「決勝はレッドを2セット使う予定」

 1分08秒4486のベストをレッドで記録した琢磨はウォーム・アップ後に、「レッドとブラックの両方を試しましたが、ほぼ予想通りでしたね。レッドは十分な周回を重ねていないので、正直どれだけ持つかはわからないですが、ブラックもそれなりにドロップ・オフがありました。忘れちゃいけないのがトラック・エヴォルーションで、今のセッションでも路面は時間と共にどんどん良くなって行っていました。決勝ではどうでしょうね? レッドの方が多少グリップ感が全体的に良いかな? でもスティント全部でグリップがちゃんと持つのかはわからないです。今のまだ温度が低いコンディションで、レッドは最初あまり良くないって感じたんですが、熱が入ってグリップし始めてからはブラックより若干グリップ・レヴェルは高かったですね。午後の気温、路面温度がどこまで高くなるか……。いずれにしても2ストップなのでレッドでも長いスティントを走らないとなりません。レッドを2セット使うのか、1セットだけにするのか。今のところレッドを2セット……という予定にしています。せっかくレッドの新品が2セットありますからね」と語っていた。
 スタート・タイヤにはレッドをチョイスする予定という琢磨。スタートは19番グリッドからで、セカンド・スティントではブラックのパフォーマンスをチェック。ファイナル・スティントにはレッドを選ぶのか、ブラックを連続投入するのか?
以上

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