2023年6月22日木曜日

2023 INDYCARレポート 6月22日:佐藤琢磨も快走!アイオワテストに20台が結集! 

 ペンスキーとマクラーレンは参加せず

 第8戦ロード・アメリカが終わったばかりだというのに、その3日後の6月21日、多くのインディーカーが全長0.875マイルのアイオワ・スピードウェイでテストを行った。8チーム、20台もが集まってのテストとなった。
 アイオワ・スピードウェイでのレースは、7月22、23日の2日間に2レースを行われる。このコースで速ければ2レースでそれを発揮できるのだから、テストする価値は十分にある。しかし、チーム・ペンスキー/シヴォレーとアロウ・マクラーレン/シヴォレーはテストに参加しなかった。カルーム・アイロット(フンコス・ホリンジャー・レーシング/シヴォレー)も走らなかった。チームメイトのルーキー、アグスティン・カナピーノは走ったが……。ペンスキーとマクラーレンはショートオーバル用セッティングに自信があるということだろう。

トップタイムはハータ
「7月のレースに向け、ハッピーな結果を得ることができた」

 最高気温29℃。アイオワでのテストは非常に暑く、厳しいコンディションとなったが、7月のレース本番も同じような酷暑下でのレースとなる可能性が十分あるので、良いテストになった思われる。
 最速ラップをマークしたのはオーヴァル未勝利のコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)。20人の中で最も多い292周を走り込んだ彼は、そのうちの233周目に18秒390のベストを記録した。なおこの日はプライベート・テストのため、ラップ・タイムはどれもインディーカー・オフィシャルによる計測ではない。
 走行を終えたハータは、「用意したプログラムをこなし、その進捗具合と成果にとても満足している。持ち込んだマシンが速く、そこからさらに向上させて行くことができ、得られた結果もハッピーなもとなった。今度レースで訪れた際には、最初からかなり良い状況でレースウィークエンドをスターとさせることができるだろう。午後には気温も上がった。7月も暑くなるだろうから、そのためにも良いデータが得られた」と語っていた。


レギュラー復帰直後のハンター-レイが2番手タイム!
ポイントリーダーのパロウをはじめ、ガナッシ勢も安定の速さ


 2番手となる18秒603をマークしたのは、先週のロードアメリカからレギュラー復帰を果たしているライアン・ハンター-レイ(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)だった。彼はアイオワで2014、2015年に連勝した実績の持ち主だ。
 3番手はシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)の18秒651だった。
 そして、4番手はポイント・リーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)。ロード・アメリカで今季3勝目を挙げたばかりの2011年チャンピオンは、18秒686の自己ベストを記録した。彼の先輩チームメイトのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)が18秒694で5番手だった。

佐藤琢磨、好タイムをマーク
アイオワのダブルヘッダーとゲイトウェイにも出場!

 佐藤琢磨(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)は18秒7のベストを記録した。チームメイトたちにもまったく見劣りしないタイムをマークし、彼は手応えを感じていた。インディ500開催期間中など、“琢磨はインディーの後のオーバルレースには出場しないのでは?”などという噂が一部で流していたが、テストに参加したことで、それが完全なる誤報であることが判明した。琢磨はアイオワのダブルヘッダーにも、セントルイス郊外のゲイトウェイでの第15戦にも出場する。それはシーズン開幕前に予定されていた通りだ。
 琢磨は今年が自身初めてのノン・レギュラーとしての活動。レースとレースの間隔もあり、コンディション作りは難しいだろう。「できる限りの準備をしています。運転の仕方を忘れることはないし、経験もあるので何とか対応できていると思います。しかし、スポット参戦の難しさというものは感じています。ショート・オーヴァルではそれこそ1万分の1秒の戦いが繰り広げられますからね。今回は1日のテストだったので、とても長い時間があったので、まずはガナッシのショート・オーヴァル用マシンに慣れる……というところから始め、多くの周回を走ることができたので、そこは良かったと思います」と琢磨は話した。

持てる情報とノウハウを提供しショート・オーバル用マシンのセットアップに貢献
「ニュースペックのアイオワ用タイヤ、そしてバンピーな路面で難しいレースになる」

 ガナッシのショート・オーヴァル用マシン初搭乗の印象は、「今日は暑過ぎるぐらいの1日でした。昨年のチップ・ガナッシ・レーシングのショート・オーヴァル用セッティングはあまり良くなかったと思います。そこで今回は色々と新しい試みにトライしました。4台のマシンでセッティングを右左に大きく振りながら走行を重ねた結果、最後にはマシンをかなり良いレベルまで仕上げることができたと思います。今日試したセッティングの中には良いものも悪いものもあり、非常に有効なデータを収集できました」と琢磨。
 テストの前には、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダやデイル・コイン・レーシング・ウィズRWR/ホンダで走っていた時代に得た”ショート・オーヴァルで速いマシンのフィーリング”などの情報をチップ・ガナッシ・レーシングに提供し、チームのマシン作りに貢献したという。
 「アイオワ用のタイヤは今年また新しくなっています。構造が変わっているということです。それに加えて、アイオワのコースは今年またバンピーになっていましたから、タイヤのデグラデーションが大きく、難しいレースになることでしょう。ベストを尽くしたて戦いたいと思います」と琢磨はコメントを締め括った。
以上

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