2011年6月6日月曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R5 インディ500 ダン・ウェルドン、史上初のリードラップ1周で達成したインディ500、2度目の優勝

Photo:Naoki Shigenobu

スポット参戦の不利を跳ね除けた2度目の勝利
 もう何度も書いてきたが、2005年のインディ500ウィナーで、その年のシリーズチャンピオンでもあるダン・ウェルドンは、今年はレギュラーシートがなく、ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアンからインディ500へとスポット参戦していた。
 今年の場合はインディ500の前に行われた4レースすべてがストリートとロードコースでのもので、オーバルでの事前テストを行えたチームもほとんどなかった。スポット参戦の不利はこのことによって幾分は小さくされていた。しかし、4レースを戦って来たドライバーたちのマシンに慣れ親しみ、レースを戦う勘も研ぎ澄ませてインディへと臨むことができたはずだ。
 ウェルドンはそうした不利を跳ね除けて優勝を飾った。2度目のインディ500制覇だ。彼は2回以上の優勝を記録する史上18人目のドライバーとなった。

100周年レースで達成したインディ史上初の快挙

 ウェルドンのリードラップは、驚くべきことに最終ラップだけだった。そして、これは史上初のこと。100周年レースで記録が生まれたのだ。同時に、これはウィナーによる史上最少リードラップ数ともなった。最少リードラップのレコードは、1912年にジョー・ドウソンが記録した2周だった。1912年といえば、第2回目のインディ500だ。その当時は、2周のリードラップがここまで破られない記録になるとは考えられなかっただろう。
 ウェルドンは初めて複数優勝を飾るイギリス人ドライバーとなった……とスピードウェイが発表したということは、ダリオ・フランキッティはスコットランド人として認識されているということである。彼も2勝している。

全力を出し続けた攻めの気持ちがたくり寄せた勝利

 彼が今年のレースで優勝できたのは、最後の最後まで、ゴールラインを横切る瞬間まで全力を出し続けていたからだった。JR・ヒルデブランド(パンサー・レーシング)との間には決定的な差があったが、「自分はまた2位か……」とウェルドンは考えなかった。それをできるのが才能だ。彼はレース後に話した。「残り20周ぐらいのころだったと思う。燃費が厳しいヤツもいるが、こっちは心配ない。コクピットのツールをフルに使い、全力を出し切って最速の走りを続けてくれって無線でチームに言われたんだ。周回遅れがいてもアクセルを緩めずに行かないと逆転勝利は難しい、とも言われた。そこからは本当にアクセルを戻さずに走り続けた」。
 サム・シュミット・モータースポーツとの提携という彼らの戦略は見事に的中した。アレックス・タグリアーニやタウンゼント・ベルが予選から大活躍だったように、このところの彼らはインディ500で非常に安定したパフォーマンスを見せて来ている。ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアンはそこに目をつけた。1台体制はやはり大きな不利だからだ。彼らにはウェルドンのオーバル、そしてインディ500における経験と知識というセールスポイントがある。サム・シュミット・モータースポーツとしても、それを手に入れるメリットは魅力と映ったはずだ。だからこそのジョイントだった。

持っている男、ウェルドン

 そして最後には、ウェルドンがプロフェッショナルとしての仕事を成し遂げた。3年間で2位2回、優勝1回という戦績も驚異的だ。
 来年からはシャシーとエンジンの競争が始まる。ウェルドンとブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアンにとって、今回の勝利は大きな意味がある。フルシーズン参戦を実現するチャンスなのだ。いずれかのメーカーから声がかかり、大きなサポートを得られることとなるかもしれないのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿