2011年6月11日土曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:マクドナルド移籍でアンドレッティ陣営は立て直しに成功したのか? 一方のサム・シュミット陣営はインディ500に引き続いてポール獲得

 サム・シュミット・モータースポーツの中核的存在であったエンジニアのアレン・マクドナルドが、インディ500終了とともにアンドレッティ・オートスポーツに引き抜かれた。マクドナルドはタグリアーニ、ロブ・エドワーズとともにファスト・レーシングの設立に関わった。それはタグリアーニを中心に作られたチームだった。残念なことにファストの経営陣はレースを1シーズンで離れることとなったが、タグのために作られたチームをサム・シュミットがマネジメント・スタッフからクルーまで丸ごと買い上げた。

 そんな彼らがインディ500でポールを獲得した。記念すべき100周年イベントで。「さぁ、もっと上を目指して行くぞ!」という勢いにチーム全体が乗ったところで、突然マクドナルドがチームを離れると一方的に通告してきた。テキサスのレースへと旅立つ前の月曜日のことだったという。
 この裏にある事情は、まだほとんど明らかになっていない。今後もハッキリすることはないのかもしれない。しかし一説には、マクドナルドがサム・シュミット・モータースポーツの存続、つまりは自分のキャリアの将来に不安を感じたということがあったようだ。今シーズンの終わりまでさえ持たないのでは?……と。ありそうな話だが、100パーセント納得はできない。というのも、サム・シュミットは、来年から始まる自動車メーカーやエアロ・キットのスペシャリストをも交えた戦いに参加したいからこそ既存のチームを手に入れたからだ。ヤル気満々でインディカー参戦へと打って出た彼らが、資金的に大きな危機にあるわけでもないのに今シーズン中に参戦を途絶えさせるとは考えにくい。今回のレースから新しいスポンサーもついている。
中央の3人左から、タウンゼント・ベル、サム・シュミット、アレックス・タグリアーニ
Photo:INDYCAR
 突然エンジニアがいなくなったサム・シュミット・モータースポーツは、トッド・マロイというエンジニアをテキサスでは起用した。彼はブライアン・ハータ・オートスポートのエンジニアだ。そう、2週間前のインディ500でダン・ウェルドンを優勝させたエンジニアである。
 御存知ように、サム・シュミット・モータースポーツとブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアンはインディ500を協力体制で戦った。その友好的な関係から、今回はエンジニアの貸し出しがなされた。しかし、来週のミルウォーキーについては、マロイはタグと一緒に戦うことはできない。インディ500優勝エンジニアが余っていたのは、彼がブライアン・ハータ・オートスポートのエンジニアとして、インディライツでの仕事を担当し続けていあるからなのだ。

 サム・シュミットの側としても、今回はスポットのエンジニアで急場を凌いだが、フルタイムのエンジニアを探している。誰かをテンポラリーで起用し続けるつもりはないのだ。こんなところからも、シュミットのチームが存続危機にあるとは考えにくい。

 タグとマロイ、ふたりのコンビネーションはすぐさま効果を発揮した。ふたり別々のエンジニアとのコンビで2レースを戦い、その両方でポール獲得というのは、実は非常に珍しいことのはずだ。タグのチームメイトのルーキー、ウェイド・カニンガムも予選8位という大健闘ぶりだった。
 それに対して、テキサス前にアレン・マクドナルドを引っこ抜いたアンドレッティ・オートスポーツは、ダニカ・パトリックの10位がベストで、ライアン・ハンター-レイが16位、マクドナルド自身がレースエンジニアを勤めるマイク・コンウェイは22位、マルコ・アンドレッティは23位と惨憺たるリザルトとなった。

 去年のテキサスでのタグは、マクドナルドとのコンビで予選20位、決勝18位という成績だった。テキサスに関しては、マクドナルドの持つセッティングは決して良くはないということなのだろう。
 逆に、去年のアンドレッティ・オートスポーツはハンター-レイこそ予選24位だったが、ダニカは8位、マルコは10位と、今年より予選結果は大幅に良かった。そして、レースでもダニカが2位、マルコが3位と、去年の彼らはテキサスで好成績を残している。果たしてそのリピートが新エンジニアリング体制でも可能なのだろうか? もちろん、アンドレッティ陣営としては、リーダーシップを発揮する経験豊富なエンジニアリング・ディレクターが不在だったからこそ、マクドナルドの起用へと踏み切った。インディ500でタグリアーニたちが好成績を残し、自分たちが苦しんだからと彼を引っこ抜いたわけではない。テキサスでの予選1回だけでマクドナルドの仕事は評価されるべきでもないのだが、シーズン途中でのキー・パーソンの引き抜きは大きな衝撃だったため、おのずと注目が集まり、すぐさまの比較がなされてしまうものなのである。

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