2011年9月4日日曜日

2011 INDYCAR レポート R14 ボルティモア グランプリ Day2 予選:ウィル・パワーが最終ラップで今シーズン7回目のポール獲得。佐藤琢磨は第1セグメント敗退で28位

激しくタイムアタックを繰り返すウィル・パワー。ポールポジション獲得ポイントで
レース前にしてフランキッティにジワリと肉薄。
Photo:INDYCAR(Shawn Grizmacher)
第14戦 ボルティモア グランプリ
Day2 9月3日 予選

天候:晴れ
気温:26~27℃

執念の走りでもぎ取った通算23回目のポール

 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の速さをあらためて感じさせられた。それがボルティモアでの予選だった。

 3段階で行われる予選、最も重要なのはもちろんファイナル・ステージだ。トップ6による10分間の戦い。路面は週末でベストのコンディションになっている。中でも予選終了間際はグリップが一番高くなっている状況だ。ここに照準を合わせ、最高の力を発揮することがポールポジション獲得への近道である。しかし、それはおいそれと遂行できるタスクではない。
 パワーは確かに路面が良くなったところでアタックを行っていた。しかし、そこでの彼には絶対にミスは許されない。目標はグレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)の出していたベストだった。それを上回ればポールポジションを獲得できると見られていた。
 パワーはもう残り時間が1分を切ったところで自己ベストをマークしたが、これはレイホールをトップから引き摺り下ろすには不十分だった。そのまま彼はアタックを続け、最終ラップに大逆転を果たしてみせた。0.079秒、彼はレイホールより速く走った。
 彼の最後の2ラップはオンボードカメラが映像をフルに捉えていた。バンプで暴れさせられ、コーナーでグリップを失いそうになるマシンをパワーはステアリング操作でコントロールし、できる限りアクセルを踏んで行っていた。壁へのヒットを一切恐れない、ボーナス1点獲得への執念と、満ち溢れる自信とを感じさせるアタックで1分20秒2447をマークした。
これでポールポジションは今季7回目。通算23回目。第13戦インフィネオン・レースウェイに続いての2戦連続ポールともなった。
これでボーナスを1ポイント獲得、パワーは笑顔を見せた。「今日のポールでまた1点ダリオとの差を縮めた。今後も少しずつでもいいからポイント差を削り取って行かねばならない」とパワーは逆転タイトルへの意欲を見せた。

ライバルのフランキッティは4位にとどまる

 2戦連続ポールでダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)とのポイント差は25点に縮まった。ニュー・ハンプシャー、インフィネオンと2戦続けてのポイント荒稼ぎで、パワーはフランキッティとの差を大きく縮めている。そして今週、その勢いを依然維持して優勝、そしてポイントスタンディングの逆転を彼はねらっている。
 予選3位はライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)で、フランキッティは予選順位が4位と2週続けて予選トップ3を逃した。チームメイトのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)も昨日のアクシデントが響いてか予選でのパフォーマンスは今ひとつで予選10位に終わった。先週のレースで予選、決勝ともに3位だったエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)も今週末は7位と今ひとつだ。
 結局、予選2位はレイホールで、セバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング)が賞賛に値する5位、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が6位となった。

琢磨はスピンで黄旗を出して予選最下位に沈む……

 佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)は、なんと予選最下位の28位となった。予選の第1セグメントで1分21秒4349を出した彼は、もう第2セグメント進出は間違いないところだった。しかし、翌周にスピンし、イエローを出したためにルールでベストを2周剥奪され、順位が大幅に下がったのだ。スピンの後にピットに戻り、もう一度アタックを行った琢磨は1分21秒5988を最後にマークしたが、2周剥奪のルールは重く、第2セグメントへの進出はならなかった。持てる力を十分に見せながら第2セグメントに進めなかったことを琢磨はおおいに悔しがっていた。
「本当に悔しい……。残念です」と琢磨は唇をかんだ。予選に向けて施した新しいセッティングはメカニカルグリップの向上に繋がっていた」と彼は自分たちの進歩には納得をしていたが、「レッドタイヤをうまく使えるセットアップにもなっていたけれど、ブレーキングで駆動がかからない状況になってしまってスピン。エンジンをストールさせてしまった」とも彼は悔しがっていた。

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