2013年6月2日日曜日

2013 INDYCAR レポート 第6戦、第7戦デトロイト Day2 予選2:ふたつめの予選、ポールポジションはマイク・コンウェイのものに!2位はジェイクスでホンダ勢がフロントロウ独占!! 佐藤琢磨は予選21位

初のチームながら驚異的な速さを見せたコンウェイ Photo:INDYCAR(Chris Jones)
シボレー・インディー・デュアル・イン・デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル・パーク
6月1日 Day2 予選2

天候:曇り 気温:21℃

コンウェイ、デイル・コイン・レーシングに

参戦28年目の初のPPをもたらす
 

 今朝の予選で最速タイム=1分18秒0977を記録、ポールポジションを獲得したのはマイク・コンウェイ(デイル・コイン・レーシング)だった。この予選は明日、日曜日に開催されるシリーズ第7戦用だ。
 コンウェイはキャリア初ポールを獲得。そして、デイル・コイン・レーシングも初ポールだった。参戦28シーズン目にして!!
 コンウェイのスポット参戦での速さにはただただ驚くばかり。ロング・ビーチではレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから出場し、予選ではレギュラー2人=グレアム・レイホールとジェイムズ・ジェイクス=より速かった。そして今度はデイル・コイン・レーシングで走り、ベテランのジャスティン・ウィルソンをさしおいてポール獲得を達成した。


 こうした今週の活躍によって、コンウェイはデイル・コイン・レーシングの2台目に、もっと多くのレースで乗ることになるかもしれない。トロント、ミッド・オハイオ、ソノマ、ボルティモア、ヒューストンに出場することになる可能性が出てきたということだ。そして、それが実現した場合、デイル・コイン・レーシングはライバル勢にとってかなりの脅威になり得る。コンウェイの加入は、すでに速いウィルソンを加速させる力さえ持っていると考えられるからだ。
 コンウェイはオーバルレースには出場しないと明言している。来週からのオーバル4連戦=テキサス、ミルウォーキー、アイオワ、ポコノ、そして最終戦のフォンタナで18号車に乗るのか誰か? 全部アナ・ベアトリスってことはないと思うが……。ジャスティンの実弟ステファンに出番はあるんだろうか? 彼はロードコースでのインディーカー・デビューを考えていたようだが、コンウェイが走り続けることになったら、そのチャンスは今年に限っていえば消滅してしまう可能性すら出てきた。

ダブルヘッダーで予選は2回だが

なぜかレッドタイヤはいつもどおりの3セット 
Photo:INDYCAR(John Cote)
 今日の予選はグループセッションだった。エントリー25台を2グループに分け、それぞれが12分の予選を戦う。グループ分けは昨日の同じで、プラクティスでのラップタイム順の順位が奇数だった人たちはグループ1、偶数だった人たちはグループ2とされていた。
 昨日の予選の3分の2がウェットだったため、レッドタイヤは1セットしか使っていないチームが多かった。そのためもあり、今日の予選では大抵のチームが2セット目のフレッシュレッドを投入していた。2レースあるのにレッドは1レースの時と同じ3セット。解せないルールとも言えるが、出場チームは与えられた条件下でベストのパフォーマンスを自らから引き出さねばならない。
 「思い切りアタックし続けた。それがポールポジション獲得に繋がってとてもうれしい。チームのハードワークに報いることができた。あとはレースをするだけだが、その作戦が難しい。ブラック・タイヤは数多く残っているけれど、レッド・タイヤは欲しいだけのセット数が元々ない」とコンウェイはコメントした。

ジェイクスは組み分けによってPPを逃した形になった Photo:INDYCAR(Chris Owens)
  惜しくも2位に敗れたジェイクスは、「僕はアタック3周で赤旗だった。コンウェイはアタック4周目にベストを記録した。両方の3周目を比べると、僕の方がコンマ5秒も速かったんだ。ごく小さな差でポールを逃した上に、そのような条件もあった。とても悔しいね」と話していた。マシンの仕上がり具合でも、ドライビングでも今回はジェイクスの方が速かったと見てよいようだ。2人の間で違っていたのは走ったグループだけ。より路面にタイヤラバーの載る後ろの組で走ったところがコンウェイのアドバンテージとなっていた。

ホンダ勢好調の中で佐藤琢磨はレッドでのセッティングに問題か 


 デトロイトのストリートコースポールでは、2日続けてホンダ・ユーザーがポールを獲得した。しかも、今日は2グループの両方で最速がホンダ勢だった。明日のレースのスターティンググリッドは、ホンダ勢がフロント・ローを独占しているのだ。
 佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は2グループ目の11番手にと苦戦した。レッド装着でのベストが1分20秒1557と、ポールシッターのコンウェイに2秒も離されてしまった。琢磨は走行後、「レッドタイヤで走り出してすぐにスコット・ディクソンに追いついて、ピットから指示があったからバック・オフしました。アタックを行うための間隔を確保するためです。そして、十分なスペースができたところでアタックを始めたんですけど、その周からタイヤのグリップが上がらなかった。アタック1周目はまずまずのタイムだったけれど、そこから先はグリップが全然なかった。他のチームはレッドで2周続けて1分18秒台とかを出していたみたいだけど、自分たちのセッティングではそういうのは無理だった」とマシンの仕上がりに問題の原因あることを語った。

やはり疑問が残るダブルヘッダーの予選方式 


 ダブルヘッダーの予選方式には、腑に落ちないところがあった。
 金曜のプラクティスで最速だったのはアレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィス・カーブ-アガジェニアン)で、彼が走るチームの共同オーナー=ブライアン・ハータによれば、「僕らは昨日、グループ1で走ることを選んだよ。それは今日の予選を僕らがグループ2で走れると考えたからだった。でも、僕らのルールに対する理解が間違っていたようだね」ということだった。彼は自嘲していたが、これはナイス・ガイ過ぎる反応。厳しいことを言うなら、勝負に対する執着心がなさ過ぎる。彼らはプラクティスで最速だった。それが不利に作用するのは理不尽だ。
 インディーカー・オフィシャルは言った。「ダブルヘッダーでは通常の週末とルールが違う。プラクティス最速でも走る順番の選択権は与えられない。最速だった人のグループ(奇数順位)が先に走り、それは翌日も同じ」と。しかし現実は、ハータは選択権を与えられていた。
 ルールはハータの選択が行われた後に変更になったようだ。昨日、ダブルヘッダーの予選1が行われる当日になって、それも半日が過ぎた時点になってようやくインディーカーはルールの詳細を決定したということだ。トロントでは改善がされていることを望みたい。
 通常のロード&ストリートレースと同じように、金曜のプラクティス・タイムを基準として予選1のグループ分けを決めるのは問題ないと思うし、最速ドライバーに自分(と奇数順位の者たち)の走る順番を決める権利を与えるのも悪くない。しかし、予選2も同じグループ分け、同じ順番で走るとしたら、プラクティスで速く走ることがポール争いにおける不利を生んでしまう。今回のタグリアーにがまさにそれだ。彼はフラストレーションをためた状態で予選に臨み、結果スピン。レース2は最後尾スタートとなった。
 そもそも、グループ分けの仕方に問題がある。両予選とも金曜のプラクティス・タイムで……というのは単に横着なだけ。2回目の予選が行われる前には、各エントリーのパフォーマンスを比較する大きなチャンスがプラクティス以外にも他にあった。それは予選1だった。予選2用のグループ分けは、予選1の偶数&奇数っていう方がロジカルと思えるが……どうか?

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