2013年6月4日火曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント38 第7戦デトロイト Day3 レース2(第7戦):「残念ですね、悔しいっていうか……。あのスタートに至る彼の走りは非常に危険だったので、ブロック云々とかじゃなく、そういう意味でレース・コントロールと話をしました」

レース後、ヴォーティエとクラッシュに至る走りについて話し合う Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)クリックして拡大
シボレー・インディー・デュアル・イン・デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル・パーク
6月2日 Day3 レース2(第7戦)
23位 24周目アクシデント  
 
「そもそもヴォーティエはあそこを走っているべきじゃなかった」

Jack Amano(以下――):悔しい結果になりましたね。

佐藤琢磨:残念ですね。悔しいっていうか……。

――序盤にして8番手まで上がっていました、21番手スタートながら。しかし、ターン3でタイヤウォールに突っ込んでリタイア……。あそこではトゥリスタン・ヴォーティエと接触があったんですか?

佐藤琢磨:はい。接触がありました。

――あそこは2台が並んで回れると思ってたんですが?

佐藤琢磨:ブレーキングでTK(トニー・カナーン)が前にいて、ヴォーティエはインサイドにいて、僕がアウトサイドからアプローチした。その時点で彼には僕が見えてなかったかもしれないけど、ブレーキングで2台が並んで、そこからターンインしてるわけだから、こっちが見えてるはずなんでえす。あそこは何回もサイドバイサイドで走れてた。あのアウト側のラインで行けないワケがないんですよ。しかも、ラインを相手に残さなきゃいけないって散々ドライバーズ・ブリーフィングでも話をしてたんだから、アレはないですよ。
「ターン3での接触はもちろん残念なんだけれども、
そこじゃなくて、レースの最初のスタートの前に問題があったんです」


――昨日からドライバーズ・ミーティングではオーバーテイクに関して長い時間をかけての話し合いがあったようですね。

佐藤琢磨:そもそも、本来あそこを走ってるべきじゃなかったんですよ、ヴォーティエは。ターン3での接触は確かにレーシング・インシデントといえるし、もちろん残念なんだけれども、そこじゃなくて、レースの最初のスタートの前に問題があったんです。レースのスタートはターン12、ターン13を回って加速をして、キンクって呼ばれてるターン14を回ってレース・スタートを迎えるでしょ? まず、ターン12の時点で2台が並んでるんですよね。あの時、僕はインサイドだったんだけど、前のクルマとの兼ね合いで、同じ列のアウト側の車との並び具合がオフセットせざるを得ない状況ってあるんですよ。僕はそういう理由で前のクルマとの間隔を開けたんだけど、そうしたらアウトサイドのヴォーティエが内側のラインに入ってきた。まだスタート前ですよ! スタートよりふたつ前のコーナーからこっちは縁石に大きく乗り上げなきゃならないぐらいまでラインを狭められてた。意味がわかんないですよ。その後にターン13にいくんだけど、そんな状態で加速となったんで、ヴォーティエが少し先にいってる状態になってますよね。それでも僕はイン側を走っていてキンクを迎えたんです。あそこは当然、2台がサイド・バイ・サイドでいかなきゃいけないのに、彼は完全に入ってきたからね、内側に。右側はもうコンクリート・ウォールなのに。さんざん1台分開けなきゃいけないってルールをいわれてたのに、スタートでこっちが内側にいるのはわかってるはずなのに、どうしてあぁいう動きができるのかがわからない。だから、僕はアクセル抜いて、ブレーキ踏んだわけですよ。そのエビデンスがこの走行データ。僕が引いてなかったら、2台とも空中に飛んでましたよ。

――佐藤選手がいないかのような走りを彼はしていたんですね?

佐藤琢磨:そう。だからレースコントロールにいったんですよ、冷静にね。本来なら、あのアクシデントが起こる前に彼にはペナルティが科せられているべきだった。ペナルティで後ろに下げられてなきゃいけなかった。そしたら彼はあんなところを走ってなくて、アクシデントも起こらなかった。僕はいちゃいけない相手とレースをしてたってたことですよ。

「インディーカーが今後どのぐらい動くのか……」

――レースコントロールは、何か行動したんですか?

佐藤琢磨:まぁ、起こってしまったことはしょうがないにしろ、あのスタートに至る彼の走りは非常に危険だったので、ブロック云々とかじゃなく、これはもうメチャクチャ危険な運転だったんで、そういう意味でレース・コントロールと話をしました。でも、危険な走りをしたのは明らかなのに、レース・コントロールはペナルティを科さなかった。それはおかしいと思う。ビデオ・エビデンスも見て判断しなきゃいけないなんて、確かに僕のマシンにはオンボード・カメラが搭載されてたから、検証はちゃんとできるんだけど、インディーカーがこの後どれだけ動くのか……わからないですね。こういうところでちゃんとペナルティを科さないと、また同じことをするから。

――ヴォーティエはアクシデントでリタイアとなってしまったので、今日のレースに関するペナルティとなると、今からは難しいですが……。当分の間、厳しい監視下に置くぐらいでしょうか?

佐藤琢磨:リタイアしようがしまいが、そういうのは関係ないんですよ。あのスタート前の危険なドライビングをした時点でペナルティが与えられなかったら、みんなそうするって。

――レース中にすぐペナルティを科さないとダメだってことですね?

佐藤琢磨:そうです。

――レース終了後にレースディレクターと話をしていましたが?

佐藤琢磨:僕は散々レース中にやんなきゃダメっていった。チームにもレース・コントロールにいうようにレース中にいってたんです。でも、それがアメリカのヤリ方なのか知らないけど、遅いよね、そういう対応は。レース中にレース・コントロールとチャットができるようになってるんですが、そこでは”調査中だ”っていっていた。でも、結局アクションは起こしてくれなかったということ。非常にそういう意味では不満です。

――あの時点までで、今日のクルマについてはどういう感触を持っていたんですか?

佐藤琢磨:ウーン、昨日よりはよかったと思います。でも、ちゃんとクルマに対する評価を下すためのチャンスがあまりなかった。リスタートばっかりだったので……。
以上

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