2013年6月4日火曜日

2013 INDYCAR レポート 第7戦デトロイト Day3 レース2:荒れたレースを制したのはシモン・パジェノー=初勝利!白熱する今シーズンのインディーカー、7戦目にして6人目のウイナー誕生

Photo:INDYCAR(Chris Owens)クリックして拡大
シボレー・インディー・デュアル・イン・デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル・パーク
6月2日 Day3 レース2(第7戦)
天候:晴れ
気温:21~23℃


6番手スタート、アクシデントをスレスレでかわしての初勝利

 昨日はマイク・コンウェイ(デイル・コイン・レーシング)が他を寄せつけないスピードで圧勝した。そして今日は、シモン・パジェノーとシュミット・ハミルトン・モータースポーツがドライバーとチームの総合力で同じく2位以下を突き放した勝利を飾った。
 6番手スタートからの優勝だった。レースは今日も70周で争われ、28周目のリスタートで10台が絡むアクシデントが起きた。セバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)がウィル・パワー(チーム・ペンスキー)に高速のターン1で追突、パワーのマシンが横を向いてスライド。後続が大混乱に陥った。このアクシデントを間一髪で回避したのがパジェノーだった。目の前へと滑って来たパワーのマシンを、ブレーキを踏み、左・右とステアリングを切ってかわしたのだ。

 49周目にトップへと躍り出たパジェノーは、2回目のピットストップを行った際にジェイムズ・ジェイクス(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)にトップを譲ったが、3周後の59周目に今度はジェイクスがピットし、レースリーダーに返り咲いた。
 ジェイクスがピットからコースに戻った時、パジェノーは約4秒先を走っていた。それを5秒以上に広げてのゴールとなった。
 レッド-ブラック-ブラックと繋ぐタイヤ作戦もバッチリで、パジェノーとシュミット・ハミルトン・モータースポーツはキャリア初優勝。

ホンダドライバーが1位から5位までを独占!

 コンウェイの攻撃をしのぎ切ったジェイクスは初の表彰台に上る2位でフィニッシュした。
 コンウェイは2日連続の表彰台となる3位となった。
 4位はスコット・ディクソンで、5位はダリオ・フランキッティ。ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングのチャンピオン・コンビが揃ってトップ5入りし、ホンダは1位から5位までを独占した。もちろん表彰台もオール・ホンダ・ドライバーとなった。
 「とにかくホンダ・エンジンが素晴らしかったし、チームの作ってくれたマシンも最高だった。初勝利は信じられない。ゴール目前の2周は感情を抑えるのが大変だった」と笑顔でパジェノーは振り返った。
 ますます混戦模様の2013年IZODインディカー・シリーズ、驚くべき事に第7戦目にして6人目のウィナー誕生となっている。しかもキャリア初優勝を記録したドライバーは開幕戦のジェイムズ・ヒンチクリフ、第3戦の佐藤琢磨に続き、今シーズン3勝目だ。チーム別で見ても7戦目で5チームが勝利を記録している。


的確なレース戦略で戦った佐藤琢磨だったが、
ヴォーティエと接触してレースを終える結果に

ブラックで順位を上げていった琢磨だったが Photo:INDYCAR(John Cote)

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)は予選21位から8位まで順位を上げたが、ルーキーのトゥリスタン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)と接触し、リタイアした。結果は23位。序盤のイエロー利用は大正解で、もうタイヤもブラックを2回続けて投入するだけで良かった。パジェノーと同一のブラックをメインとする戦い方をしていたのだ。
 24周目のターン3、琢磨はルーキーのトゥリスタン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)と接触し、アウト側にいた彼はタイヤバリアへと弾き飛ばされ、レースを終えた。
  琢磨は、「悔しいですね。朝のウォームアップでマシンが良くなっていると確認でき、レースでのマシンはとても良いものにできていました」と話した。「リスタートでのヴォーティエは危険なドライビングをしていました。グリーンを受けるよりふたつ前のターンから彼は僕を縁石へと追いやりました。そこに僕は存在しないと考えていたようです。スタートが実際に切られた場面でも、こっちのレーンに入ってきて、2列で通過することになっていたキンク(と呼ばれているターン14)なのにです。彼は私にまったくスペースを与えず、私は接触を避けるためにブレーキを踏みました。そうしていなかったら2台揃って宙に飛び上がっていたかもしれません。ターン3の接触にしても、サイド・バイ・サイドの状態で突然レーンを変えてきたために接触が起こりました」と語った。
 ダブルへダーでの成績は、ガス欠による21位と、アクシデントでの23位。琢磨のポイント・スタンディングは一気に6位まで下がってしまった。

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