2013年6月6日木曜日

2013 INDYCAR レースプレビュー 第8戦テキサス ファイアストン550:DW12と新エアロレギュレーションで、ドライバーの腕で争うオーバルとなったテキサス戦。 繊細なマシンコントロールによるハイレベルなバトルに期待!

ドライバーズ・オーバルへと変貌したテキサス・モーター・スピードウェイ

 今週末は2013年IZODインディーカー・シリーズ第8戦ファイアストン550が開催される(550は550マイルじゃなく550キロメートル)。
 全長1.5マイルのハイバンク・オーバル=テキサス・モーター・スピードウェイでのインディーカー・レースは、”アクセルはどれだけ踏み続けていられるか”を争うものだった。一瞬でもアクセルを戻せば勢いを失い、それを取り戻すまでに順位を下げてしまうパック(集団)・レーシングだった。
 それが去年からガラリと変わった。新シャシーのDW12採用&新エアロ・レギュレーション、3メーカーが作る新規定のV6ターボ・エンジン搭載で、テキサスでのレースは、”アクセルをどれだけ戻すか、どれだけ戻しただけで走れるか”の勝負に変わった。1スティントの中でもラップタイムは、最初のうちは速く、周回を重ねるに連れてどんどん遅くなっていった。タイヤが摩耗し、グリップが低下するためだ。タイヤのマネジメントやマシン・コントロールといったドライバー個々のスキルがものをいう、ファンにとって見て楽しいレースが実現されていた。



昨年、佐藤琢磨は20番グリッドからオーバーテイクを重ねて6位まで浮上!

 昨年のレースではジャスティン・ウィルソンとデイル・コイン・レーシングが見事な勝利を飾った。2009年のワトキンス・グレン以来となる優勝だった。ウィルソンにとっても、デイル・コイン・レーシングにとってもオーバルにおけるうれしい初勝利となった。2位はグレアム・レイホール(去年はチップ・ガナッシ・レーシング)、3位はライアン・ブリスコー(去年はチーム・ペンスキー)。
 去年のテキサス戦をレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングとともに戦った佐藤琢磨は、予選10位だったがエンジン交換のペナルティによってスターティング・グリッドは20番手と後方だった。レースでの琢磨はハンドリングがシビアなマシンながらオーバーテイクを積み重ね、序盤にして6位にまでポジション・アップをしていた。しかし、マシンのハンドリングがセンシティブに過ぎ、64周目にスピン&クラッシュ! 残念ながら3戦連続のリアイアを喫した。
 228周のレースで出されたフルコース・コーションは32周。最多リードラップを記録したスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がアクシデントを起こしたことからも明らかなとおり、誰もが非常にコントロールの難しいマシンで戦っていた。そして、そうしたレースを出場ドライバーたちは大歓迎していた。


7戦を終えて未勝利のペンスキーとチップ・ガナッシの反撃は始まるのか?

 去年のテキサスはシーズン6戦目で、そこまでの5レースではチーム・ペンスキーとチップ・ガナッシ・レーシングが優勝を独占していた。それがテキサスでは、ポールポジションがアレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)、優勝はウィルソン(DCR)といずれもが小さなチームが活躍した(タグリアーニのPPは2年連続!)。表彰台のウィルソンの両側にガナッシのサテライト・チーム、そしてペンスキーのドライバーがいたワケだが……。
 今年のテキサスは第8戦。そして、第7戦まででのチーム・ペンスキーとチップ・ガナッシ・レーシングは、どちらも勝利ナシ! 今年も同じトレンドが保たれてテキサスでは小さなチームが好成績を挙げるのか、それとも、ビッグチームの反撃が始まるのだろうか?


昨年2位のブリスコーは参戦せず。パンサーの4号車をドライブするのは誰??

 なお、テキサスのレースにパンサー・レーシングはライアン・ブリスコーをエントリーしていない。2010年のテキサスでポール・トゥ・ウィンを記録しているブリスコーだが、先に出場が決定していたル・マン24時間のプラクティスを走るためにフランスへと遠征しなくてはならない。この原稿を書いている時点で4号車のドライバーは発表されていない。
 デイル・コイン・レーシングは、デトロイトでのレース1=シリーズ第6戦で優勝した18号車にピッパ・マンを乗せる(デトロイトのレース1ウィナー=マイク・コンウェイはオーバル・レースに出場しない意向なので)。彼女は今年のインディー500にDCRから出場し、予選30位/決勝30位という成績を残している。テキサスでのレースは今回が初めてだ。
 
●過去5年のポールポジション&ウィナー
2012 PP:アレックス・タグリアーニ/Winner:ジャスティン・ウィルソン
2011 (レース1) PP:アレックス・タグリアーニ/Winner:ダリオ・フランキッティ
2011 (レース2) PP:トニー・カナーン(クジ引き)/Winner:ウィル・パワー
2010 PP:ライアン・ブリスコー/Winner:ライアン・ブリスコー
2009 PP:ダリオ・フランキッティ/Winner:エリオ・カストロネベス
2008 PP:スコット・ディクソン/Winner:スコット・ディクソン

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