2013年6月1日土曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント35 第6戦、第7戦 デトロイト Day1 予選「エリオがスピンした時点で僕らはファスト6に入ってた。あのまますぐに赤旗が出ていれば僕らはファイナルに進めてた。あるいは、ターン3のローカルイエローはそのままでコースはグリーンという状態を保ってくれてたら、そっちでもファスト6入りはできていましたね」


予選でユーズドブラックでのコースチェックを終え、レッドにチェンジするためピットに向かう Photo:INDYCAR (Chris Jones)クリックして拡大
シボレー・インディー・・デュアル・イン・デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル・パーク
5月31日 Day1 予選1 8位 第2セグメント敗退 1分22秒7164


「最終ラップにすべてを賭けたんです。いい状態で走れていたんだけど……」

Jack Amano(以下――):予選直前になって雨が降りました。

佐藤琢磨:雨は良かったと思います。Q1に関していえば、両グループともウェット・タイヤでの奏功になっていました。雨量はそれぞれで違っていましたけど、ウェットでの走行というのはまったく問題なくて、実際Q2にトップで進めました。

――1回ピットしたのは?

佐藤琢磨:あれはフロントウィングをもっとつけてもらいました。十分に時間はあったし、コースに出てからすぐに1周でタイムが出せました。

――そして問題のQ2ですが……

佐藤琢磨:意味わからないよねアレ、本当に。

――どんな状況があったんですか?

佐藤琢磨:Q2は、もうドライタイヤになるだろうって踏んでたので、1周ユーズドのブラックで走って、路面の最終確認をした。ドライで行けるっていうのを確認してからレッドのニューで行きましょうっていうことだったので。それでレッドのニューで出てって、ウォームアップを終わった時にクルマが1台、エリオ(・カストロネヴェス)だったんだけど、ターン3でストップしてて、ローカルイエローが出てた。だからその周はアタックせず、次の周に帰ってきたら、今度はウィル(・パワー)につっかかっちゃったので、僕はちょっとバック・オフしたんですね。で、まだターン3はローカルイエローのまんまでクルマも動かされてなかったから、「あぁ、このまんま、もうあと3分しかないし、同じ状態が保たれるんだ」って考えて、次の最終ラップにすべてを賭けたんです。自分のポジションどりもして、いよいよ最終ラップ。ラップタイムももちろんいい状態で走れてたんですけど、そのラップがフィニッシュする前に赤旗になっちゃった。

「非常に残念です。フラストレーションが溜まります」

――エリオがコース上にストップした時点で赤旗、でもおかしくなかったですよね?

佐藤琢磨:エリオがスピンした時点で僕らはファスト6に入ってた。あのまますぐに赤旗にしてくれてたら僕らはファイナルに進めてた。あるいは、ターン3のローカルイエローはそのままでコースはグリーンという状態を保ってくれてたら、僕らはラップタイムが良くなってたはずだから、そっちでもファスト6入りはできてたんです。どっちにしても、途中でコンディション(停止しているクルマの位置など)が変わらないのに、いきなり意味も無く赤にするのはやめて欲しい

――チームからインディーカーに対してアピールとかは?

佐藤琢磨:しました。ライアン(・ハンター-レイ)がタイムをコンプリートした時点で終わりにされちゃったから。彼らが言うには、エリオがエンジンをストールさせちゃって、クルマから出始めたから赤になったんだ……ということなんだけど。でも普通は、もう残り2~3分という状態で、トラック上にいた人たちは全員エリオのマシンが止まってる場所は確認しているし、ヘアピンの内側だったし、基本的に危なくないんで、あのままローカルイエローのまんまにするべきでしたね。それか、もし危ないんだったら、もう最初っから赤にすべきでしょ。どっちかにしてってコトです。結局、そういうこと翻弄されて僕らはファイアストン・ファスト6に進めなかった。非常に残念ですよね。フラストレーションが溜まります。

「新しいコースは無駄に曲がってなくてレーシー!
オーバーテイクに関して結構期待ができそうなので、おもしろくなると思います」


――明日のレースは4列目からのスタートです。ポールのダリオ・フランキッティが10グリッド降格になって、琢磨選手のグリッドはひとつ繰り上がる上がると思われますが、そうすると7番手です。

佐藤琢磨:インもアウトもあまり変わらないですね、デトロイトは。

――どんなレースになるでしょう?

佐藤琢磨:今年はコースレイアウトが変わってて、ターン2の後のストレートが長くなってる。ターン3でヘビーブレーキが必要になってるから、1~2コーナーを前のクルマにうまくくっついていけるような状況であればターン3でのオーバーテイクは増えると思います。

――去年使ってなかった部分、路面をはじめとしてコースの状況はどんなですか?

佐藤琢磨:あっちの方がいいよね。無駄に曲がってなくてレーシーな感じがして、レースができますね。去年までのコースだとただ曲がってるだけで絶対に2台が通れないシングルトラックだったからオーバーテイクがなかった。今年はオーバーテイクに関して結構期待ができそうなので、おもしろくなると思います。コンクリートのセクションは結構補修がされてるんですけど、他は相変わらずメチャクチャバンピー。場所によってグリップ感が相当変わるし、それをうまくおしなべていいラップタイムにするために、去年と全然違うセットアップを試さなきゃいけなくなってる。

――プラクティスで良くないと言っていたクルマは、予選で何か改善が感じられましたか? ウェットで走ったのが半分以上で、評価はしづらいところでしょうけど?

佐藤琢磨:ウーン、多分良くなりそうっていう兆候は見えてる。赤旗とイエローで全然まともなアタックができてないので、ちょっとまだ不安材料は残ってます。

「明日は午前中の予選からもクルマ作りをしなくちゃいけないからタフですよ」

――ダブルヘッダー、少ないプラクティス時間ですぐに予選、2レース目の予選は明日の1レース目の決勝より前に……というフォーマットはどうでしょう?

佐藤琢磨:今日のコンディションが難しくなってた点はみんなも一緒だから、それは全然問題ないです。ルールが不透明で、それによってチームやドライバーが準備できるところがいきなり変わってしまうということころがツライですよね。特に明日の朝の予選は、グループ分けがされてて、グループ2が今度は先に走らなくちゃいけない。ある意味、メチャクチャ不利。ルールが変わって、グループ毎で偶数グリッド、奇数グリッドに分かれることになったのは良かったですね。それによってセッション内でのコンディション変化による順位は着いたとしても、グループ毎のコンディションの違いによって順位分けがされちゃったら、Aグループが全員前に行く時もあるし、Bグループが全員前に行く時もある。それだけは避けられたんでよかったんだけど、明日の予選はかなりタフですよね。自分のセッションの中でトップにならなきゃポールの可能性がないのは当然なんだけど、グループ内でで2番手になれたとしてもグリッドは3番手か4番手で、3番手だったら5番グリッドか6番グリッドからのスタートになる。結構厳しいですよね。セカンド、サードセグメントでの挽回っていうのができないので。

――基本的な考え方として、後に走るグループが路面の条件からして有利ですよね?

佐藤琢磨:雨が降らなければね。セカンドグループが走り出した時に雨が降ったら……とか、ね。

――天候はかなり不安定な週末になるかもしれません。

佐藤琢磨:そうですね。でも、自分のグループに結構速いドライバーたちが入ってるし、あそこで3番手になっても6番手だったとしたら、結構大変だよね。まぁ、明日の予選よりも、明日の決勝の方を重視したい。ウォームアップがない中でクルマを作ってかなきゃいけないから。今の予選がちゃんと走れてない状態。午前中の予選からもクルマ作りをしなくちゃいけないからタフですよ。だから、結構うまく行くチームと、そうでないチームに分かれるかもしれない。

――ふたつレースをやる。予選も2回。プラクティスは短いかもしれませんが、ドライバーたちにとって体力面はどうですか、ダブルヘッダー?

佐藤琢磨:結構厳しいでしょうね。特にここデトロイトはすごくフィジカルだから、1周も持つかわからない(笑)。1戦目の最後まで持つかもわからないですからね。だから……雨を望みます。でも、多分大丈夫だと思います、体力面は。

以上

0 件のコメント:

コメントを投稿