2014年6月7日土曜日

2014 INDYCAR レースプレビュー 第8戦テキサス:今年からレースディスタンスが50㎞延長! 燃費とパワーのエンジンバトルに注目!!


モントーヤ、燃費でトップ争いに絡んでこれるか
 今年のレースは600キロ・メートルへと50キロ距離が長くされている。超高速オーバルでのレースはエンジン・パワーが大きな意味を持つ。ホンダ対シボレー。どちらかが優位を見せることになるだろうか?
 ハイ・バンクのテキサスではタイヤのマネジメントも極めて重要。超高速ランが延々続くので、マシン・セッティングが良くないとタイヤの傷みが早い。そうなればラップ・タイムの大幅ダウンは必死。速さも重要だが、賢く走る能力も必要だ。
 燃費も大事。これはもうどのレースでも言えることなんだが、テキサスでのレースは距離も伸ばされたし、燃費が大きくものを言う……なんて可能性もアリ。インディー500ではファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)の燃費がメチャクチャ良かったが、今年はシボレーが優位なのか? 去年はホンダが明確にリードをしていたが……。 


 過去の2レース、そして今年のこれまでの唯一のオーバル・レースのトップ3は以下の通り。
2012年 優勝 ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)
    2位 グレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)
    3位 ライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)
2013年 優勝 エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)
    2位 ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)
    3位 トニー・カナーン(KVRT-SHレーシング)
今年のインディー500 優勝 ハンター-レイ
           2位 カストロネヴェス
           3位 マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)

 上記で二度名前の登場しているのはカストロネヴェスとハンター-レイ。去年のレースを思い出すと、エド・カーペンター・レーシング(エド・カーペンター・レーシング)=4位と、アンドレッティ=5位も速かった。この2人は今年のインディー500でもコンテンダーだったので、今週末のテキサスでも速いと見てよいでしょう。モントーヤは今回も燃費の良さで勝負に絡んで来れるか? あるいはスピードの方で上位に食い込んで来るか? チーム・ペンスキーはみんな速いだろうし。

今年はダウンフォースも増やされ、よりエキサイティングな展開に
 去年のレースがあまりにも単調だったので、今年のレースではダウンフォースが増やされるという話(最大300ポンド)。それがどこまでマシンの安定感を高めるのか。パック・レーシングになっちゃうほど大きなダウンフォースじゃなく、しかし、テクニックを駆使したオーヴァーテイクが頻発する。そんなインディーカーならではのエキサイティング・バトルを実現できるか否かは、インディーカーの技術委員さんたちの腕のみせどころだ。いいレース、期待してますよ〜。
 
 この時期でももうテキサスは真夏の暑さ。金曜のプラクティスは、晴れればジリジリと肌を焦がすような強い日差しの下で行なわれる。そして、予選も日中。ファイナル・プラクティスはこの日の夕方。少しでも決勝のコンディションに近いもので……というインディーカーの気遣いだが、実際にはレースの行なわれる時間帯より早目のプラクティスとなる。つまり、600kmのレースはほぼ未知のコンディションでの戦いになる。その上、暑さの残る夕方のスタートから、温度が少しずつ下がって行く中でバトルが続き、完全に夜になってからゴール。コンディションを読み、繊細なセッティング変更を的確に行ない続ける力が試されるレースとなる。

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、2011年の2ヒート制だったテキサスのレース#1で5位フィニッシュをしているが、それ以外は好成績を残せていない。しかし、琢磨はコースを選ばずにトップ争いを期待できるドライバーに完全になれているので、今週末のテキサスにも優勝を狙って乗り込んで来るはずだ。2デイ・イヴェントのテキサスでは決勝までに走れる時間が非常に短いので、走り出しが非常に重要。パッと速さを発揮し、ファイナル・プラクティスでトラフィック・チェックを行なって……という戦い方が理想的だ。琢磨陣営とすれば、インディー500で得た今年のマシンに関するデータを基に、うまくマシンを仕上げたいところだ。

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