2014年6月2日月曜日

2014 INDYCAR佐藤琢磨コメント35  第6・7戦デトロイト Day3 レース#2 予選:「気分は最高です。手応えはありましたが、今日は自分がどこのポジションなのかがわからなかったから、ピットに戻ってったらみんなが大はしゃぎだったから、すごく嬉しかったです」

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
Jack Amano(以下――):ポールポジション獲得、おめでとうございます。昨日は予選も決勝も苦戦していましたが、マシンを大きく変えたということですね?

佐藤琢磨:はい、結構変えましたね。スプリング・パッケージも変えたし、ジオメトリーも変えました。結構大きな変更ですけど、もちろん180度違うとかじゃなくて、進むべき方向は初日からわかってたんだけど、その方向の中でもどこに落ち着かせたら良いのか、縦軸でどこに落ち着かせるのが良いのかっていうのがあって、それが昨日のレースを走ったことで、タイヤの内圧の設定とかも含めて色々なことが勉強できて、クルマも昨日の夜中の1時半にすごい気になって、(エンジニアの)ドン(・ハリデイ)にメールを送って、今朝、もう1回電話で話して、セッティングを変えてもらって、それからサーキットに来ました。変えたセッティングが本当に考えているとおりに働くことを願ってましたね。
――予選は始まるやすぐに赤旗でしたね。

佐藤琢磨:そうでしたね。だから僕らはプライマリー・タイヤでセッティングを試したかったんですけど、それができなかった。しかも、ハンター-レイが前でクラッシュして、またマシンの破片を拾っちゃって、えーって思いましたよ。フロアとかに穴が開いてなければいいんだけど……って。でも、幸い全然ダメージはなかった。ピットに戻ってレッド・タイヤに履き替えました。予選は計測2周しかできない状態で始まりました。だから、もうすべてをそこに集中して、行けるだけ行きましたね。

「1分16秒台なんて考えてもいなかったですね」

――琢磨選手の走る前、先に走ったグループでヒンチクリフがすごいタイムを出してましたよね? 

佐藤琢磨:はい。ビックリしましたよ。

――昨日より遅い時間帯の予選でしたが、気温も結構低いままだったし、路面も思っていたほど温度が上がって行かなかった。かなり良いコンディションだったとはいえ、なかなか越えるのは難しいタイムと見えていませんでしたか?

佐藤琢磨:そうでした。1分16秒台なんて考えてもいなかったですね。17秒台でさえすごいのに。昨日の僕は17秒台にすら入ってないですから。18秒3しか出てなかったでしょ? だから見えなかったですよね、16秒台なんて。絶対無理だと思ってた。だけど走ってみたらすごいグリップがあったのでビックリしましたね。ラバーがすごい載ってる感じがした。昨日のスポーツカー・レースかな? それがキレイなラバーを路面に落としてってくれたみたいで、雨も降らなかったし。昨日より暖かかったとはいえ、まだ充分に涼しいコンディションでした。だからタイムが出た。それにしても16秒台はすごいなって。自分たちはギヤがあるかなって思ったんだけど、自分で走ってみたら結構良くて、計測1周目に17秒台が出て、行けるかなって感触は持ったけど、2周目に16秒1まで行くとは思わなかったですね。

「昨日みんながレッド・タイヤではどう走っていたのか、
いろいろ勉強したことが好材料になりました」


――話が戻りますが、僅か1周をブラック・タイヤで走っただけで赤旗でした。あの中断は思ったより長く、もう残り時間が5分を切ってましたから、もうレッド・タイヤで行くしかないって状況に追い込まれましたよね?

佐藤琢磨:そうでしたよね。クルマが昨日から今日に向けてどう変わったのか、あのブラックでの1周だけじゃわからなかったんです。ちゃんとホット・ラップができなかったから。それにブレーキも新しくなってて、昨日はそれを確かに話してたんだけど、今日の朝はチームが僕に伝えるのを忘れちゃってて、アウト・ラップのターン3でビックリしましたけどね(笑)。あそこを無事に越えられたのは今日一番良かったかもしれないですね(笑)。それはまぁ冗談半分ですけど、ブレーキはその後にすぐに来たので、レッド・タイヤを履いていたので、あとはタイヤ・マネジメントですよね。1周目、2周目、3周目をどういう風にやるべきかは昨日随分と勉強ができたから。もちろん、レッド・タイヤのマネジメント自体を昨日の僕は経験できなかったけど、ブラック・タイヤでみんながどういう風に走って、彼らがレッド・タイヤではどう走っていたのか、結構色々勉強しました。それが今日は好材料になったっていうのは確かです。

「レッド・タイヤでぜっションが4分残っていたのがラッキーでした」

――さっき計測2周って話でしたが、昨日はアタック3周目でベストが出るって話だったと思います。今日は1周少ないところにピークを持ってかなきゃ行けなかったんですか?

佐藤琢磨:いや、計測されるのは3周目なんだけど、ホット・ラップとしては2周目がベストなんです。(ピットから)出てって1周目は80秒ぐらいになるのかな? その後に続けてアタックして、それが1分17秒、そして次のラップが1分16秒でした。

――では、昨日と状況は同じく3ラップ目がベストで、それにギリギリ足りるだけの走行時間が中断後に与えられていたんですね。

佐藤琢磨:そうですね。ある意味、レッド・フラッグでも4分(実際には4分49秒)残っていたのはラッキーでした。タイヤの内圧も3周目にちょうどピークになるようにセットしてたので、2周で終ってたら何番手だったんだろ? 5、6番手ぐらいになっちゃってましたね。

「クルマのエッジが効いていて、滑らず
自分のイメージどおりに止まってくれた」

――最後のアタック・ラップは自分でも気持ちの良い、最高のラップとなっていたんですか?

佐藤琢磨:はい。もう最高ですよ。気分がすごくいいですね。予選でポールポジションを獲るというのは、ドライバーにとってすごく格別なものがあって、セント・ピーターズバーグの時もすごい叫んだけど、今日は自分がどこのポジションなのかがわからなかったから、自分がこのタイムを出せるってことは、昨日自分より1秒も速かったカストロネヴェスとかも絶対に好いタイムを出しているから、わかんなかったんですよね。それが、ピットに戻ってったらみんなが大はしゃぎだったから、もうすごく嬉しかったですね。自分として手応えはありました。ミスはなかったし、思い切り走れた。それに反応してくれるクルマもあったので、チームにすごい感謝したいです。

――裏のストレートに至るまでで完璧な走りをしていた。最後の1周だということも十分にわかっていた。そうなると、コースの後半はコーナーの多い難しいセクションもあるので、プレッシャーが大きくかかったと思いますが?

佐藤琢磨:守らなかったですよ。ターン7から8、9、10、11、12と昨日までの僕はあんまり速くなかったんですよね。だからターン6抜けてバック・ストレートに入る時に、タイムが好いのはわかってたけど、ここで守ったら絶対に無理だと思ったんで、とにかく攻めましたね。それに、自分のイメージどおりにクルマがクッと止まってくれた。エッジが効いてクルマが止まってくれてたから。昨日みたいにだらしなく滑らなかったから。そこが大きなポイントでしたね。

「決勝はまったく油断できない。しっかりデータを見て勉強して
変えるべきところは変えて走りたいです」


――レースはどうでしょう? ポール・スタートならイニシアチブを持つて戦えますが?

佐藤琢磨:はい。もちろん一番アクシデントのリスクが少ないポジションですから、まずはスタートを決めたいですし、最初のスティント、多分僕はレッド・タイヤで行きますけども、いかにレッド・タイヤをマネジメントするか。ブラックで後ろから来てるドライバーがいたら、多分行かれちゃうと思うから。それをいかに抑えるか。自分がブラックを履いた時にシッカリ走れるようにしたいですね。昨日のウィル・パワーは16番手から優勝。そんな位置からでも勝てるレースですから、まったく油断はできないし、決勝のクルマがこのまま好いとも限らない。そこら辺はしっかりとデータを見て勉強して、変えるべきところは変えて走りたいです。

――7戦目で早くも2回目のポール。非常に良い成績ですが?

佐藤琢磨:はい。ただ、ポールから勝ったことがないので、あまり良くないかもしれない(笑)。でも、ここのレースはわからないです。とりあえず、前からスタートするに越したことはないので、トップ・チェッカー目指して頑張ります。

――最近のレースでは不運が続いてましたが、このポール・ポジションで中盤戦に向け、チームとしても盛り上がれるんじゃないでしょうか?

佐藤琢磨:はい。松本カメラマンのブログにもありましたけど、ここからが頑張りどころなので、去年、一昨年とここからズルズルと下がってしまってたので、キッチリと踏ん張りたいです。

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