2015年4月28日火曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R4 ホンダ・インディー・グランプリ・オブ・アラバマ 決勝:「勿体ない。今日の僕らはちょっとヘンなストラテジーでした」

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
「アレで今日の僕のレースは終わっちゃった感じでしたね」
Jack Amano(以下――):ピットから出て来たウィル・パワーにぶつけられてしまいましたね?
佐藤琢磨:そうだね、でも、向こうも謝ってたし、向こうも自分が悪かったっていってました。要は見えなかったんだよね、こっちが。
――佐藤選手からは見えてましたよね?
佐藤琢磨:見えていたっていうか、横に来て、ワーッて来るけど、ペンスキーっていつもスポッターもいるし、チームも他のマシンのポジションを確実にトラッキングしているから、ウィルも当然わかってると思ったので、サイドバイサイドで行くんだって思ってた。でも、彼はコールド・タイヤだから、明らかに僕が先に出れますよね? だから何の心配もしてなかった。でも、実際には彼にこっちは見えてなかったみたいで、バッコーンって入って来て、アレで僕の今日のレースは終っちゃった感じでいしたね。というのもアソコでエンジン・ストールして6~7台ぐらいに抜かれたのかな? 仕方ないっていえば、仕方ないです。

――その後は?
佐藤琢磨:僕らはイエローで2回ピットに入って、そこは多分うまく使えてたと思うんです。多分、上位に入ったドライバーたちの中にも何台か同じストラテジーだったから。でも、レッド・タイヤでの僕らは思った以上に悲惨な状況になってしまってましたね、ロング・スティントで特にね。

「終盤、ピットすべきでしたね」
――終盤に1周で一気に順位を落としたことがありましたが、何があったんですか?
佐藤琢磨:タイヤがボロボロになってた時ですね。1周あたり4秒とか5秒遅くて、後ろには6~7台が列車みたいに後ろから来てた。そんなだったから、誰かにインに入られちゃうと、もうラインに戻れない。マーブルとかゴミとかいっぱいあるところに出てしまうと、戻りたくても絶対に戻れない。そういう事態になる前にピットに入るべきでしたね。タイヤが終ったってピットには言ったんだけどね。

――そこはチームの作戦があったからですね?
佐藤琢磨:チームとしても判断は難しかったと思いますよ。残り1ストップで行ける……というところまで引っ張りたかった。でも、最後の頃の僕らは燃費もメチャクチャ良くなってた、ペースが遅過ぎたから。今だから言えるけど、アソコはピットするべきでしたね。6周とか早めに入ったとして、最後にイエローが入らなかったとしたら5周ぐらいショートになっちゃうんで、スプラッシュ・フューエルが必要になったかもしれないけど、少なくともアソコで1周あたり5秒近くロスしてるんだったら、まだあの時の正確な数字は見てないけど、4~5秒ロスしてるとしたら、それを6周もしたら、ピットしてタイヤ換えるのと同じだけの時間をロスしちゃうんですよ。それを7~8周やったってことは、明らかに戦略を間違えましたね。

「今日のレッドの持ちが良くないという事実をチームが把握していれば
違う選択肢もあったと思います」


――レッドでダメだったというのは、ユーズドのレッドが持たなかったということですか?
佐藤琢磨:いや、結局どっちでも一緒でしたね。ヒート・サイクルを一回行ったタイヤでもダメでした。でも、僕らって最初のピット・インでブラックからレッドに換えたんだけど、あそこでフレッシュ・レッドを投入したんですよね。ところが、あのスティントは短いものになった。10周ぐらいで次のイエローが出て次のレッド(ユーズド)に換えちゃった。あの前の時点でレッド・タイヤがダメだという兆候がちゃんと見えていれば……違う作戦にしていたと思いますよ。序盤に8号車(セイジ・カラム)とかユーズドのレッドでスタートしてボロボロになってたじゃない? スコット・ディクソンもそう。でも、彼は本当にボロボロになる前にピットに入ってた。今日のレッドの持ちが良くないという事実をチームが把握してれば、ブラックで行くって選択肢もありましたよね。ちょっとそこまで考える余裕が僕らのチームにはなかったみたいね。だからレッドを履いてしまって、そのレッドで超ロング・スティントをやって、さらにフューエル・セーブでロング・スティントをまた最後にやることになった。勿体なかったですよね、一時は8番手まで上がってたんだから。僕らも全部がうまく行ってれば、8位ぐらいではフィニッシュできていたと思います。

――今日のクルマの仕上がりに関しては、どんな評価でしょう?
佐藤琢磨:少し立て直してたかな? けど、ストレート勝負では全然ダメだったんじゃないのかな? データを見ないとわからないけど、ホンダの中での5~6番手だったのでは? そうしたら全体の16~17番手とかになっちゃう。今日のフィニッシュの順位がだいたいそこだから……・。

――今日の終盤戦、グレアム・レイホールが何台もパスして2位に入りました。ホンダのエアロ・キットも戦闘力がシボレーのそれに追いついて来た感はありますか?
佐藤琢磨:グレアムって2位まで上がったの? そして、ジョセフ・ニューガーデンはレッド、レッドと後半繋いで勝ったんだ。よく勝てたな。

――レッドを持たせることのできていたチームもあったんですよね。
佐藤琢磨:ウーン、わからん! 僕らはひどい状況でしたね。後輪がまったくダメだった。

「インディアナポリスは走ってみないとわからない」

――では、次のロードコース、インディアナポリスはどうなりそうでしょう?
佐藤琢磨:どうだろう? 走っていないとわからない。

――今まで戦ったコースで似ているところはありますか? 例えばニュー・オリンズとかは??
佐藤琢磨:サーフェイスが全然違うからなぁ……。フラットなところはニュー・オリンズに近いけれど、似ているのはそこだけ。

――コーナリング・スピードとかは?
佐藤琢磨:インディには回り込んでるコーナーもあるし、ハイ・スピード・シケインもあるし、やっぱり走ってみないとわからないです。でも、すごいなぁ、レイホールは。中盤の2スティントをブラック、ブラックで行ったのが大当たりだったんでしょうね。終盤は路面が良くなってたからレッドでも速かった。もちろんクルマも良くなってたんだろうけど……。

――最後のスティントでハンター-レイ、エリオを抜いて、最終ラップにディクソンもパス……。
佐藤琢磨:そうでしたか。

――ホンダのエアロでも競争力を高めてトップ争いができるってことで、期待をしてるんですが?
佐藤琢磨:ウチはひどかったワケだね。

――ピット・ストップはどうでしたか? ピット・ウォール側(今回なら左側)のクルーが新しくなりましたが? ペンスキーでクルー・チーフを務めたこともある人です。
佐藤琢磨:今日はあんまり速くなかったな……。

「合同テストでオーバル用エアロキットで走るのが楽しみ
きっといいものになっていると思います」


――次のグラン・プリ・オブ・インディーの前にオーバル用エアロ・キットでの初の合同テストが行なわれますが、楽しみですか?
佐藤琢磨:はい、楽しみにしてます。写真でしかまだ見てない。現物はまだなんですけど、結構また凝った作りみたいなので、ちょっと心配だけど、きっといいものになっていると思ってます。オーヴァルは風洞みたいなもんだから……わからないけど。

――色々なボディ・ワークがあったり、小さなパーツがあったりと、ツールが多くなった方がヤッパリ楽しいですか、ドライバーは?

佐藤琢磨:ちっとも楽しくないですよー。だって明らかにだって今……・。それを考えると今日のレイホールはすごいな。たいしたもんだ。ハンター-レイは?

――5位でした。

佐藤琢磨:だから、僕らってそのあたりでゴールできてたんだよね。彼の真後ろに僕がいたことってあったでしょ? 勿体ない。今日の僕らはちょっとヘンなストラテジーでした。

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