2015年8月30日日曜日

2015 INDYCARレポート R16 Go Pro グランプリ・オブ・ソノマ Day2 予選:ウィル・パワーが今季6回目、ソノマでの2年連続、そして5回目のポール獲得!ファン・パブロ・モントーヤとグレアム・レイホールは予選5、6位

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
レイホール、4年ぶりのファスト6進出!

 カリフォルニアらしい好天の下で開催された最終戦の予選は熱いバトルとなった。
 3段階の予選でファイナルに進んだのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、ジョセフ・ニューガーデン(CFHレーシング)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)の6人で、その中にチップ・ガナッシ勢は含まれなかった。


Photo:INDYCAR (Chris Owens)
 ランキング3位でタイトル獲得の可能性を持つスコット・ディクソンはチームメイトのチャーリー・キンボール(7位)より後方の予選9位。シーズン終盤を迎えてレベルをアップさせているアンドレッティ・オートスポーツ勢からハンター-レイがファイナルへと駒を進め、ランキング2位のレイホールは実に2011年のツインリンクもてぎ以来となるロードコース予選でのファイアストン・ファスト6進出を達成した(グループ・セッションだったヒューストンでのレース2用予選では2014年に4位になっているが……。ホンダ勢でファイナルを戦ったのはこの2人だった。

著しいラップタイムの向上
ファスト6進出、セグメント2敗退は紙一重


 ソノマ・レースウェイの現在のコース・レイアウトでのレコードは2014年にパワーが予選で記録した1分17秒2393だった。しかし、エアロ・キットが登場し、新しいソフトなファイアストン・タイヤという要素も加わったこともあり、そのラップ・タイムでは今日の予選でセグメント1さえ通過できないほどスピード・アップがなされていた。
 今日の予選ではそのタイムの接近ぶりも凄まじく、セグメント2最速だったパワーのラップは1分16秒5571で、惜しくも7位となってファイナル進出を逃したキンボールのタイムは1分16秒6669と、両社の間には0.1098秒という小さな差しかなかった。ギリギリ6位でファイナルに進んだモントーヤと、そうできなかったキンボールの差となると、実に0.0038秒という僅差だった。

ニューガーデン、惜しくもロードコース初のポール・ポジションを逃す



 ファイアストン・ファスト6によるファイナル・ステージも見応えある戦いとなっていた。タイヤ・ラバーは乗り、気温は下降傾向。タイム更新の実現し易い条件が整っていた。ポール候補筆頭のパワーは計測開始とともにユーズド・レッド・タイヤでコース・イン。1周のアタックで1分16秒6783を出したが、ブラック・タイヤ装着のニューガーデンが1分16秒6777でトップを奪った。パワーはもう1セットのユーズド・レッドで2回目のアタックを敢行、1分16秒5842を出してトップを奪い返した。
 

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  これでもまだ決着は着かなかった。朝のプラクティスで最速だったハンター-レイが1分16秒5254でトップへ。これを満を持してレッドを投入したニューガーデンが1分16秒3964で抜き、再びトップに躍り出たのだ。ニューガーデンの今シーズンのミルウォーキー以来2度目、ロードコースでは初となるポール・ポジション獲得かと思われたが、ピットでブラックに履き替えたパワーがこのセッション3回目のアタックを行い、1分16秒2597を出してニューガーデンを2位へと押し下げたのだ。この6年間で5回目のソノマでのPP獲得だ。
 2位はニューガーデン、3位はハンター-レイのものとなり、4位はパジェノー。ポイント・リーダーのモントーヤは5位、ランキング2位のレイホールは6位という結果となった。
 

ブラック・タイヤで大逆転ポール・ポジション!
「タイトル獲得のチャンスがある」とあくまで勝利を目指すパワー

 パワーのブラック・タイヤ装着でのポール・タイム記録は予め計画したものではなかったはずだ。ニューガーデンがファイナル・ステージの最初にブラックで好タイムを出したことが大きなヒントとなっていたと見られる。レッドを2セット投入したのは、耐久性の低さからレースでは1セットしか必要ナシとの判断を下していたからと思われ、その英断がブラックでの大逆転に繋がった。ニューガーデンと彼を走らせるCFHレーシングはブラック・タイヤでトップに立ち、ユーズド・レッドでそれを上回るタイムをマークしてトップ奪還も果たした。そこまでは彼らの描いたシナリオ通りだったに違いない。しかし、レッドで2回アタックし、路面状況が一番良くなっていたセッション終盤にブラックで勝負を仕掛けたパワーの機転の利いた戦いぶりが一枚上手だった。ペンスキー、そしてパワーならではの見事な予選、そしてポールポジション獲得であった。
   「ソノマは非常にテクニカルなコースで、予選アタックは思い切った走りをしなくてはならない。予選は僕が一番好きなもの。マシンの持つ力を最大限引き出してのアタックが求められるからだ。レースはまた別の話。明日はダブル・ポイントなのでタイトル獲得のチャンスもある。慎重に走り、そして優勝を狙う。僕らがタイトルを獲得するためには、とにかく勝たなくてはならないんだ」とパワーは語った。


佐藤琢磨、不運が重なり予選18位に

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は予選18位。「マシンは良くなっていた」と話した琢磨だったが、アタック・ラップ直前に直前を走るチームメイトのジャック・ホウクスワースのマシンからオイルや水が吹き出し、タイヤのグリップが下がった。さらに、アタック2周目にはルーキーのステファノ・コレッティ(KVレーシング・テクノロジー)がターン1で彼の目の前へと飛び出して来てアタックを妨害された。
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「今週はマシン・セッティングで苦労して来ている上に、予選では不運が重なってしまった。18番手スタートは不本意だし、苦しい位置だけれど、去年も後方から燃費セーブなどの作戦も使って上位での戦いができていたので、明日のウォーム・アップでセッティングを向上させてレースも頑張る」と琢磨は意気込みを語っていた。
以上

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