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| ターン8に新入する琢磨。マシン・セットアップも順調だ Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大 |
Jack Amano（以下――）：プラクティス2は2時間という長いものでした。
佐藤琢磨：そうですね。珍しいですよね。
――余裕を持って走行に臨むことができましたか？
佐藤琢磨：いや、余裕はないですね（笑）。タイヤのセット数が相変わらず限られているので、どういう風にタイヤをマネジメントして行くかっていうのもひとつの鍵だったんですけど、ただ、タイヤが非常にコンシスタントだったので、２時間をキッチリ使い切って良いテストができたと思います。
――1回目のプラクティスのセッティングを正常進化させて……という走行になっていたんでしょうか？
佐藤琢磨：そうでした。
――着々とトライを積み重ね、セッティングは向上していると見ていいんですね？
佐藤琢磨：はい。
「今年のワトキンス・グレンは本当に速い」
――路面の変化はどういう状況でしょうか？
佐藤琢磨：今、とても良くなっていますね。これだけコンディションが涼しくて、最後の方は陽も傾いて来ていたので、ラップ・タイムも上がって行ってました。午後の走り始めの時点では、午前中よりも路面温度が相当上がっていたので、多少グリップ・ダウンがありました。
――明日の予選では当然レッド・タイヤが投入され、今日より速くなると思うんですが、もう今のセッションでスコット・ディクソンが1分23秒を切って来ました。
佐藤琢磨：切った？
――1分22秒87とかです。
佐藤琢磨：それはすごく速い。本当に速くなっているので、今年のワトキンス・グレンは。バス・ストップ・シケインの後の右下りなんてスパのプーホンみたいな感じ。視界が歪み出す。
――とにかくずっと高速で、バス・ストップ・シケインはシケインになってない。
佐藤琢磨：あれは高速のS字ですね。
――もうちょっとタイトなコーナーもあっていいところですね。
佐藤琢磨：ずーっと速いですから。
――それだけインディーカーらしいというか、見ている方としてはすごさを感じますけど。
佐藤琢磨：結構迫力はあるでしょう。ファンには良いものだと思います。
「ブレーキングしなくなっちゃったので抜くのは難しい」
――オーバーテイクは難しそうですね。
佐藤琢磨：抜くのは難しい、本当に。ブレーキングしなくなっちゃったので……。ただ、1コーナーでキッチリうまく合わせてスリップに入ってってバス・ストップ・シケインの前で並んで行くってことですかね？ そこまでで抜き切るのは難しいかもしれないけど、並んで行くことは、うまく合わせ込めば行けると思います。
――今、クルマ、あるいは自分のドライビングで気に入っていない面は？
佐藤琢磨：もちろん幾つかありますけど、やっぱりバランスですね。これだけコンディションが良くなって来ていて、グリップも上がって、バランスを取るのがフロント・ウィングとかスプリング・レートに頼るだけでは、もう限界が来ていました。ただ、もうガレージに戻してセッティングをし直すだけの時間はなかったですから、今、自分たちが持っている中だけでの比較テストをしましたけど、その中でひとつ方向性は見えているので、明日に向けては好材料だったと思います。
「これから2台のデータを比べるのがすごく楽しみです」
――ジャック・ホウクスワースがプラクティス2ではホンダ勢最速となる6番手のタイムを出していました。琢磨選手のマシンとはセッティングに違いはあるんですか？
佐藤琢磨：ありますよ。結構クルマの作り方は違います。だから、これから2台のデータを比べるのもすごく楽しみだし、彼が今、非常に好い状態なので、そこから幾つか使えるものは使いたいです。
――事前テストに来なかったけれど、プラクティス2までで良い感触を掴めているのは、持ち込んだセッティングが非常に好いレヴェルにあったということですか？
佐藤琢磨：それもありますし、エンジニアたちがキッチリと予習をして来たっていう点も大きいと思います。
「プラクティスが長かったので非常に良いデータが取れました」
――明日まだラップ・タイムは縮まりますね？
佐藤琢磨：はい。縮めます。縮めますけど、トップはちょっと……すごいですね、あのタイムは。
――でも、予選でトップ・タイムを狙えるポジションにはいると捉えていますか？
佐藤琢磨：うーん、まぁ物理的には、そうですね。
――テストをしなかったチームにとって、プラクティス2が2時間と長かったのは、助かりましたか？
佐藤琢磨：助かりましたね。これがまた45分とか1時間だったら、ここまでは仕上げられなかった。これだけ多くのテストをこなせたのは良かった。それに、今日はコンディションがすごく安定してましたよね。それもひとつ大きかった。タイヤも1回出したら、あとはズルズルとグリップが落ちて行くだけ……ということもなかったので。ただ、タイヤはタイヤで、ハイ・スピードなために新たな問題というのも出始めているんですけど、でも、非常に良いデータが取れたのは、今日の午後のプラクティスが長かったからです。
以上
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