2017年10月18日水曜日

2017 INDYCARレポート 10月17日:佐藤琢磨の銀製の顔が完成、ボーグウォーナー・トロフィーに

完成したボーグ・ウォーナー・トロフィーとともに Photo:Dan R. Boyd クリックして拡大

例年より2ヵ月も早くボーグ・ウォーナー・トロフィー完成
この秋、海を渡って日本にもやってくる !!

 12月に行われるのが恒例のインディ500ウィナーの顔の彫像お披露目だが、今年は10月半ばに開催されることになった。世界で最も有名なトロフィーは、この秋に日本にやって来る。カナダも訪れたことのないトロフィーが太平洋を渡るため、全ての作業が早められた。アーティストは大変だったろうが、集まる人々は12月よりも随分と温暖な気候に恵まれた。トロフィー製作の様子はこちらをクリック






ミュージアムの入り口を入ったら…… Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
入り口両サイドのショップを覗くと、ロジャーとコウヘイが琢磨優勝マシンのモデルカーをゲット中! Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
IMS社長ダグ・ボールズのあいさつで除幕式がいよいよスタート Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 夕方5時、ボーグウォーナー・トロフィーの住処であるインディアナポリス・モーター・スピードウェイ内にあるホール・オブ・フェイム・ミュージアムにおいて、第101回インディアナポリス500ウィナー=佐藤琢磨の銀製の顔の除幕式は行われた。メディアとレース、およびスピードウェイ関係者だけでなく、レース・ファンまで総勢300人が集まって賑やかなセレモニーとなった。

琢磨の一段上はバディ・ライス、右はダン・ウェルドン

 
 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ社長のダグ・ボールズは、「勝って欲しいドライバーというのはいます、正直なところを言えば。例えば、エリオ・カストロネベスです。彼には4回目の優勝を是非とも達成して欲しい。4回勝っているドライバーは久しく出ていませんからね。彼らはもう歴史の中の人となっています。私たちには新しい4タイム・ウィナーが必要です。その他にも、例えばアンドレッティの優勝もいいでしょう。三世代目のマルコが勝ったら、それもまた我らがインディ500にとって素晴らしいことだと思います。ジョセフ・ニューガーデンという若いアメリカのチャンピオンも優秀なドライバーです。しかし、素晴らしいウィナーといえば、何と言っても今年の佐藤琢磨でしょう。彼の勝利は本当に見事なものでした。ファンは皆2012年に彼が優勝目前まで行ったのを知っています。だから今年、また彼が優勝のチャンスを掴んだ時、彼がインディ500で勝つことの難しさや意味を深く知っていることを理解し、応援していました。隠して日本人初のインディ500チャンピオンは誕生しました。そして、それは各方面に大変大きなインパクトをもたらしました。琢磨の優勝直後の絶叫も凄いものでしたよね」と話した。





アンヴェイリング! すかさず自分の顔を探して覗き込む琢磨。 Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 ボーグウォーナーのPR担当副社長も挨拶。その後にトロフィーの一部分を覆ったベールは取り払われた。黒いベールを外したのは琢磨本人だ。すぐさま自分の顔を探して覗き込む。2度のF1チャンピオンで、インディ500でも2勝したエマーソン・フィッティパルディが2段上で、一段上の両サイドがバディ・ライスと故ダン・ウェルドン。ライスはホンダ初のインディ500ウィナーで、ウェルドンはホンダ初のもてぎウィナーでインディ500は2勝。ゆかりのあるドライバーに囲まれた非常に良いポジションだと言える。



ボーグ・ウォーナー営業担当副社長とともにトロフィーに見入る琢磨 Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

「ホントにうれしい」と喜ぶ琢磨
「小さくなったらちゃんと日本人の顔になった」

 

Photo:Dan R. Boyd クリックして拡大
 ノース・キャロライナの彫像アーティストのアトリエで見た粘土製の顔と同じく、銀製の琢磨の彫像も、サイズは随分と小さくされているが、とてもいい笑顔をしている。「ワーオ、ファンタスティック!!」というのが琢磨のリアクションだった。「この彫像、凄く嬉しそうな顔をしてる」と琢磨は第一印象を語り、「トロフィーに貼り付けられた自分の顔を見て、本当に嬉しい。凄い嬉しい」と続けた。「こうしてトロフィーに実際に自分の顔が付けられて、感激の気持ちをまた新たにしました。ノース・キャロライナのアーティストのスタジオで見た粘土製の顔も最高の出来栄えでしたけど、小さく作られた銀製の顔も同じように素晴らしい。ああして大きなサイズでまず作ることが必要なんですね。そして、小さくなったら、ちゃんと日本人の顔になったね」と琢磨は笑った。




Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 「今日もまた本当に素晴らしい1日となりました。インディー500で優勝してからというもの、こういう日をもう何度も経験して来ています。今日、ここに来ていらっしゃる皆さん一人一人に感謝します。ありがとうございます。多くの人たちの力があって、インディー500での優勝は達成されました。インディー500に走るようになってしばらく経ちますが、近頃では走る度に感謝の気持ちを深くしています」と感慨深げに語った。

その夜のメディア・ディナーも大盛況

ウィニング・チームのスタッフと。こうした撮影の機会があるとは思ってなかったらしく、クルーはみんな仕事場からの帰りで、超・普段着。左でカメラマンに指示を出しているのがボーグウォーナーのPRマン=スティーヴ・シャンク氏。少年時代からの筋金入りのインディーカー・ファンで、レースの仕事に就き、今や少年時代の憧れ=伝説のドライヴァーとなっているパーネリ・ジョーンズやマリオ・アンドレッティ、ボビー・アンサー、ダン・ガーニーらとも深い親交がある。我らのノース・キャロライナ行を企画、実現してくれたのが彼 Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 この後、7時からはインディアナポリスのダウンタウンで恒例のメディア・ディナーが開催された。20人ほどの地元メディアが琢磨とともにテーブルを囲んだ。上のフロアにも琢磨のスタッフ、友人などなどが60人以上が集まり、ディナーを楽しんだ。赤ワインはTakuma Satoブランドのキャベルネ・ソーヴィニョンが振る舞われ、こちらも大好評だった。
 セレモニーやディナーでは、インディ500優勝を一緒に成し遂げたギャレット・マザーセッド、AJ・フォイト・エンタープライゼスでロング・ビーチでの初勝利を共にしたヴェテラン・エンジニアのドン・ハリデイ、昨年のインディでコンビを組んだエンジニアのマット・カリー、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング時代にチーム・マネジャーを務めたトム・アンダーソン、琢磨のマネジャー夫妻=ステーヴ&スー・フューゼック、元インディーカー・ドライヴァーで琢磨のスポッターを務めて来ているロジャー安川、琢磨の専属フィジシャンのコウヘイ・モモイらの顔があった。
以上

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