2017年10月15日日曜日

2017 INDYCARレポート 特別編:エア・レース@インディアナポリス

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インディアナポリスで人生初のエアレースを取材

 インディアナポリス・モーター・スピードウェイは言わずと知れたインディーカー・レースの故郷ですが、1994年にNASCARのストック・カー・レースを始めたのを皮切りに1年に一度だけビッグ・イベントを行う伝統をかなぐり捨て、2000年にはF1グランプリを開催し始め、2007年にそれが終わるとモーターサイクルの世界GPを2008年から2015年まで開催、アメリカのスポーツカー・レースまで行なうに至って、去年からはレッド・ブル・エア・レース・ワールド・チャンピオンシップの舞台になっています。と言うことで、私Jack Amanoは人生初のエア・レース取材に参りました。


今回はインディアナポリス空港に到着。ダニカ号が展示してありました Photo:Masahiko Amano クリックして拡大 

もちろん、レッドブル・エアレースの機体も展示 Photo:Masahiko Amano クリックして拡大 
  早朝はどん曇りだったインディアナポリスでしたが、朝9時頃までには雲も消え、日中は快晴、最高気温は23℃まで上がる好天に恵まれました。この時期のインディアナポリスとしちゃ、かなり暖か。エア・レースは風が大敵ということですが、それも強くはないコンディションとなってました。

日本人パイロット、室屋義秀選手がタイトルを懸けた最終戦


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  エア・レースには日本人初、アジア人初のワールド・チャンピオンになる可能性を持つパイロットがいるんです。知ってました? 福島県在住の室谷義秀選手(44歳)といいます。自らの興したチーム・ファルケンからエントリーし、今シーズンは最多の3勝を挙げています。母国ニッポンでのレース(@千葉)は2年連続優勝(!) これは大いなる尊敬に値します。地元で実力発揮するのって非常に難しいですからね。現場で観戦したファンはエキサイトしたことでしょう。

コースはス-パー・スピードウェイ上空

 インディアナポリスのコースは伝統ある自動車レース用スーパー・スピードウェイと、付帯するゴルフ場の上空を飛ぶコースが設定されています。宙返りアリのコースを約2.5周するスピードを競います。ターン3及びターン4、その間のノース・シュートの観客席がエア・レースでのファン用の観戦エリアです。

クレデンシャル・オフィスも、インディーカーのときとは雰囲気が一変してます Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
  9000ccの空冷フラット6エンジンで時速420kmも出せる競技専用の機体=もちろんシングル・シーターは、プレスの受付嬢が「めちゃくちゃ速いわよ」と自慢してましたが、現在のインディーカー@ターン1&3進入時とほぼ同じ380km/hに最高速の上限が設定されているとのことです。その制限を外す420キロ以上が出るようですが……。
 
おなじみのインディーのプレスルームも今回は後方半分以上をラウンジとして利用。メディアの数はインディー500やF1、モトGPほどは多くないってことです。ケータリングで出てくるものがヨーロピアンで、インディアナポリスじゃないみたい Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

レッド・ブルがギッシリ入った専用冷蔵庫がメディア・センターに幾つか。オレンジ、ブルー、イエロー・エディションなんてのがあるのは知りませんでした Photo:Masahiko Amano
 金曜はプラクティス2回。土曜にもう1回プラクティス。するともう予選。インディカーより練習のチャンスは断然少ない。ここがポイントですね。

室谷選手のプラクティス・フライト(……って言うのかな、プラクティス・ランじゃないから) 機体は現在3種類ありますが、エンジン&プロペラがワンメイクとは! インディカーよりもIROCに近いレギュレーションかもしれないですね。
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 室谷選手はポイント・リーダーのマルティン・ソンカ選手が優勝か2位ならチャンピオンのチャンスはなくなるんですけど、自身が優勝した場合にはソンカ選手が3位でもタイトルを手にできます。優勝すると15点、2位だと12点、3位だと9点……と10位までにポイントが与えられるシステムで、室谷選手はシリーズ・リーダーと4点差。その彼が金曜のプラクティスでは最速タイムをマークしました。これって幸先の良いスタート……なんだと思います。

ゲートを構成する白い円筒状のパイロンはコンスタントに空気を送り込む事で膨らんだ状態を保っています。翼などが接触した時にはスパッと切れてしまう特殊な素材=エア・レース用に特別に開発された生地で作られています。切れた部分のみを素早く交換できるよう何箇所もファスナーで繋がれているという、実によく考えられた構造。こんな風に切れちゃうワケです Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
  ただし、2回のプラクティスともに室谷選手にはペナルティがあり、ポジションは1回目が9番手、2回目が8番手でした。ゲート通過時の機体の角度、高さなどが減点の対象になるルールということで。あと、アタック中は煙を吐き続ける決まりですが、それがちゃんと出てなかった……というペナルティも受けてました。そこは整備上の問題点ですね。
 3回のプラクティスでライン採りを見つけること、ベストと考えたラインで実際に飛ぶこと、これらがポイントでしょうか。
以上

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