2018年7月29日日曜日

2018 INDYCARレポート R13 ホンダ・インディー200・アット・ミッド・オハイオ Day2 予選:ミッド・オハイオ、ポールポジションはアレクサンダー・ロッシ=今季3回目

今シーズン、ロードコースでのパフォーマンスに自信を失いかけていたなかでのポールポジション獲得にロッシは喜びを爆発させた Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ロッシ、インディーカーきってのテクニカルコースでPP

 インディーカー・シリーズきってのテクニカル・ロードコースといっていいミッド・オハイオ・スポーツ・カー・コース(全長2.258マイル)でポール・ポジションを獲得したのはアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)だった。今季3回目(1、2回目はロング・ビーチ、デトロイト/レース2)、キャリア4回目だ(キャリア初は2017年ワトキンス・グレン・インターナショナル)。
 今回のファイナルに進んだ6人をQ2での成績順に並べると、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、ロッシ、マックス・チルトン(カーリン)、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、そしてロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)の順だった。



セグメント2の展開に恵まれてチルトンが自信2回目のファスト6進出を果たす Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
セグメント2でヒンチクリフがクラッシュして赤旗
レイホール、琢磨、ディクソンがレッドでアタックできず

 チルトンが予選ファイナルを戦うのは今回がキャリア2回目(最初は去年のワトキンス・グレン・インターナショナル)。今週末の彼とチームは、これまででベストのパフォーマンスをプラクティス3までで見せていた感はあった。しかし、ファイナル進出なったのは、かなりの幸運にも恵まれてのことだった。第2セグメントでジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がスピン&クラッシュし、グレアム・レイホールと佐藤琢磨(いずれもレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がレッド・タイヤでのアタック・ラップを1ラップも記録できずにセッションが終了となったためだ。
 セグメント1からレッド・タイヤを2セット投入。ユーズド・レッドしか残されていない状況Q2を戦っていたのだから、ファイナル進出は望外の好結果だ。今季ベストのQFリザルトなのは勿論、ロード&ストリート・コースでのキャリア・ベストとなる6番グリッド獲得となった。

 
ハンター-レイがファスト6で最初に1分4秒台に突入! Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
ファスト6はハンター‐レイが先制して1分4秒台に
しかし直後にロッシが1分4秒6802をマーク、最終ラップにパワーが2位に


 ということで、PP争いはチルトン以外の5人で展開され、1分04秒台へと突入するドッグ・ファイトとなった。最初に1分05秒の壁を破ったのはハンター-レイだった。タイムは1分04秒9896。しかし、その直後に後輩チームメイトのロッシが1分04秒6802をマークしてトップに躍り出た。
 

 そのまま終了かと思われたが、最終ラップにパワーが1分04秒8939を絞り出して2位を奪い、アンドレッティ・オートスポートによるフロント・ロウ・スウィープ、ホンダ勢の予選1-2を阻止した。

レッド・タイヤでの1ラップのアタックに懸けたロッシ
「 最も難しいロードコースでPPを取れたことに大きな意味がある」

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  ロッシは笑顔で語った。「昨日の時点から自分たちはレッド・タイヤでのマシンは1ラップ目が素晴らしかった。しかし、2、3ラップ目はタイムが落ちていた。そうした状況は予選では不利に働くと考えていたが、幸いにも優位を作り出した。自分たちは1ラップしか速くない。となれば、1ラップで勝負するしかなかった。今シーズンはロードコースでのパフォーマンスが今一つでPPが獲れるという自信を持つことができずにいた。そんな状況下、シリーズで最も難しいとすら言われるロードコースでPP獲得ができたことには大きな意味がある。PPが獲れたと無線で聞かされた時は、感激の波が僕に押し寄せて来た。しかも、事前テストに来なかったコースでのことだから、驚きでもあるし、嬉しくも感ずる。チームのエンジニアリング能力の高さが現れている」。



パワー「フロントロウからスタ―トできてハッピーだ

タイトルを諦めたわけではないので明日のレースは勝ちに行く      

アンドレッティ・オートスポートの予選1-2を最終ラップに砕いたパワー。決勝にも並々ならぬ闘志を燃やす Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 2位と敗れ、PP獲得数を伸ばせなかったパワーは、「2位は悪くない結果だ。フロント・ロウからスタートできるしハッピーだ。ミッド・オハイオでのレースでは、常にポジションを上位に保つことがポイントになる。オーバーテイクの難しいコースだし、近頃はエントリーしている誰もが速い。予選の持つ意味が大きい。アレクサンダー・ロッシによる見事な1ラップだった。まだタイトルを諦めたワケじゃないので、明日のレースは勝ちに行く」と語った。
 予選3位はハンター-レイ。ここまでが1分4秒台。予選4位はニューガーデン。ウィッケンズは予選5位となった。
 予選7位はレイホール、8位は琢磨、9位がディクソンで、10位はヒンチクリフ、そして11、12位は
エド・ジョーンズ(チップ・ガナッシ・レーシング)とザック・ヴィーチ(アンドレッティ・オートスポート)だった。

ブルデイはセグメント1でクラッシュして最後尾スタート

デイル・コイン得意の後方からのレースタクティクス発揮なるか
ブルデイの最後尾スタートはかえって不気味 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)はQ1でクラッシュして計測ラップなし=最後尾の24番グリッドから明日はスタートする。このポジションからでも、ピット・タイミングをずらす作戦とレース展開がピタリと合えば優勝は可能だ。この手のグリッドからの戦いにおいて、デイル・コイン・レーシングはシリーズ・ナンバー・ワンのノウハウを持っているぐらいだ。

 負傷からの復帰戦のピエトロ・フィッティパルディ(デイル・コイン・レーシング)は予選22位。
 今季4戦目のジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング)は同20位。
 昨日まで好調だったスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)は同18位。
 マシンが決まり切らずにかなりのセッティング変更をトライして来ているシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は予選17位。マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)はQ1グループ2で後輩チームメイトのヴィーチにバンプ・アウトされて予選13位となった。


悔しがる佐藤琢磨「いい感触は得ていたが赤旗に遮られた
決勝用マシンが力強いものになっていることを期待したい」


 琢磨は悔しがっていた。ファイナル進出が可能かギリギリのところだったかもしれないが、アタック中の赤旗で力をフルに出し切れなかったからだ。自分たちがどこまでのレベルに達しているのかを存分に確認することができなかった。

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 「予選に向けてセッティングを何箇所か変更したんですが、それは想定通りの効果を発揮していたと思います。Q1のグループ2で走り、3番手につけてQ2進出。いい感触を得ていたんですが、Q2では赤旗に遮られてしまいました。悔しい思いをした多くのチームのひとつとなってしまったワケです。ファスト6にチャレンジするラップを記録できずに終わったのは、残念。今回は赤旗が多過ぎる。でも、こういう時に限ってレースではイエローが全然出なかったりする。3回までのプラクティスに比べ僕らの予選でのマシンは大きな進歩を遂げていたと思う。セッティング変更の方向性は正しかった。明日、ホンダ・インディ200アット・ミッド・オハイオの決勝用マシンが力強いものになっていることを期待したい。ウォームアップがないので、ここまでのデータでグリッドに着けるマシンのセットアップを考え出さないとならない」と琢磨はコメントした。
以上

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