2019年3月25日月曜日

2019 INDYCARレポート R2 インディーカー・クラシック Race Day 決勝:ルーキーのコルトン・ハータが初優勝

 
史上初!18歳のインディーカー・ウイナーが誕生! Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
オープンテストの最速ラップは本物だった!

 今年のルーキーの中から勝つドライヴァーが生まれるとしたら、それはチップ・ガナッシ・レーシングで走るフェリックス・ローゼンクヴィストになると考えていた。その予想、外れました。
 2月のオープン・テストでコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング=HSR)が最速ラップを記録した時には、裏に何かあると思った。あのテストを目の前にして、彼らは自分たちが走らせることになっていたもう一人のルーキー、パト・オーワードを放出したから、その話題から目を逸らそうと何か企んだんだろう、と。素性のハッキリしないチームは社長にあの悪名高き元インディーカーのレース・スチュアード=ブライアン・バーンハートを起用してたぐらいだから、重量を軽くしてた……ぐらいはあったんじゃないか、と。
 その読みも間違っていた、と今回判明。反省せねば。


オーワード切り捨ての結果の1台体制が奏功

 しかし、オーワードの一件はどう考えたってヒド過ぎる話。フル・シーズンを戦わせる契約を結んで、ヤンキー・スタジアムで発表までしておきながら、参戦資金を用意できていないことをオーワードには隠し続け、本人が”自分のためのマシンが用意されていない”、”クルーもいない”と気づいてチームに尋ねた。すると答えは、「実はスポンサーが集まってなくて……」。哀れオーワードは契約から解放してもらい、そこからチーム探しに奔走。カーリンで13戦に出られることになったのは、不幸中の幸い。業界に才能をすでに認めている彼には手を貸そうという人が何人も現れたということだ。
 1台体制で行くことに決めたHSRは、アンドレッティ・オートスポートと技術提携。ハータは先輩ドライバー4人とチームメイトのように接することができる体制を手に入れた。エンジニアもアンドレッティ・オートスポートから獲得。第2戦には非常に戦闘力のあるマシンを用意することができた。

ルーキーとは思えない落ち着いた戦いぶりで
インディーカー史上最年少の18歳ウィナーに


 予選は4位。スタートで3位のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)をパスすると、そのポジションをキープし、予選2位だったアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)とバトル。まるで経験豊富なベテランのように落ち着いた戦いぶりで周回し続けた。ただ、スティント終盤でペースが悪く、トップ2にはジリジリ離された。2戦連続ポールポジションのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の速さはワンランク上で、優勝争いは彼と、彼についていくことのできていた予選2位のロッシ(アンドレッティ・オートスポート)だけだった。
 しかし、パワーは3回目のピット直前に出されたフルコース・コーションによって勝機を失い、ピットからダッシュしようという時にギヤボックスが壊れてリタイアという惨憺たる結末に。ロッシと、予選6位から3番手までポジションを上げていたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)もパワーと同様で、勝てる、もしくは表彰台に上るチャンスを奪われた。彼らはピットがオープンになってから作業を受けて、それぞれ14、15番手まで順位を落としてレースに復帰した。
 このコーションの原因は、予選5位だったフェリックス・ローゼンクビスト(チップ・ガナッシ・レーシング)と、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がぶつかり、ローゼンクビストがガードレースにハード・ヒットしたことで出された。一人の有望ルーキーのアクシデントが、、もう一人のルーキーの初勝利に繋がった。
 ハータはインディーカーの最年少ウイナーとなった。18歳11ヶ月と25日での優勝だった。これまでの最年少ウィナーはグレアム・レイホールだった。2008年のセイント・ピーターズバーグで勝った時、彼は19歳だった。

ロッシ、イエローのタイミングで勝機を逸す

 ロッシがリスタートの後に見せた追い上げは凄まじかった。しかし、9位でゴールするにとどまった。ディクソンは14位でのゴールとなった。パワーのマシンがゴールまで走り切れない状況にあったとすると、あのイエローが出なければ、ロッシが2位以下に結構な差をつけての優勝を飾っていただろう。
 ロッシとパワーの不運には、開幕戦ウィナーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、予選3位だったがスピードが今ひとつだったハンター-レイも助けられた。ニューガーデンは2位でポイント・リーダーの座を保てたこともあり、大いに満足していることだろう。最後のリスタートからの残り10周、ルーキー相手に何もできなかった点は悔しいかもしれないが……。「コールド・タイヤでの自分たちはマシンの動きが悪かった」と2017年チャンピオンは素直に敗北を認めた。開幕戦がトラブルによるリタイアだったハンター-レイも、3位でのゴールで高得点を獲得し、納得顔だった。

「勝てるとは思っていなかった」と語るハータ
「チームの作戦が素晴らしかった上に、
完璧なタイミングでフルコース・コーションが出た」


 初勝利を挙げたハータは、「正直なところ、勝てるとは思ってなかった。表彰台を目指していた。3位になれる可能性はあると考えていたので。チームの作戦が素晴らしかった上に、完璧なタイミングでフルコース・コーションが出た。それで勝つことができた。スティント前半が早く、後半に遅くなっていた僕らにとって、最後のリスタートが残り10周だったのは良かった。ニューガーデンはホイールスピンしたのか、迫って来ず、僕は差を一気に広げることができた。その先のニューガーデンは、僕がレッドタイヤを酷使してペースダウンするのを期待したかもしれないが、僕のタイヤのグリップが落ちることはなかった」とレースを分析、解説していた。

 4位以下には、予選10位だったグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、17番手スタートだったセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・バッサー・サリバン)、20番手スタートのマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・ウィズ・マル・アンド・カーブ・アガジェニアン)だ続いた。

佐藤琢磨、7ポジションアップの7位でフィニッシュ
 そして、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が予選14位から7位でのゴール。最後のピットストップでジャッキ・トラブルがあって遅れを採らなければ、彼はレイホールの後ろの5位でゴールできていたはずだ。
 「エアロをトリムするセッティングで走りましたが、それが失敗でしたね。タイヤのグリップにも悪影響を与えていたし、パスした後に止まれない……なんてこともあったので。まだ自分たちのチームはマシンをコンディションに合わせて最適化させることができていませんね。それでも7位でのゴールは良い結果。チームメイトも4位でフィニッシュしたし、この勢いに乗って行きたいところです。次のバーバーもロードコースですから、今回の経験とデータを活かして良いレースを戦えるようにしたいと思います」と琢磨は語った。開幕戦の不運を今回は色々ありながらも何とか跳ね返した……といったところではないだろうか。
以上

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