2019年9月1日日曜日

2019 INDYCARレポート R16 グランプリ・オブ・ポートランド Day2 予選:コルトン・ハータがルーキーながら2回目のポール・ポジション


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最終ラップ、レッドタイヤ装着で大逆転PP

 ポートランド・インターナショナル・レースウェイでの予選では、19歳のルーキー、コルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)が最終ラップの大逆転でポール・ポジションを獲得した。ロード・アメリカ戦に続いてのシーズン2回目のPPは、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の2年連続PPを阻ぶものとなった。パワーは578303を出し、ハータがブラック・タイヤで記録していたベスト=578716を破り、トップに躍り出た。しかし、レッドに履き替えて1ラップのみのアタックを行なったハータが、その1回だけのチャンスを見事にものにした。
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「最良の一日、とても嬉しい」

 「予選のファイナルでは、ブラック・タイヤで3周アタックし、レッド・タイヤで1周のアタックをする。どのレースでもそうすることと決めている。ブラックではパワーに100分の5秒ほど届かなかった。しかし、今回の予選ではレッドの方が速く走れるもので、そちらを装着してのアタックで力をフルに引き出すことができた。ファスト6でパワーを打ち負かすことができたら、それは最良の1日にできたということ。本当に嬉しい」とハータははにかみながらも喜びを表現していた。
明日は是非とも勝ちたい、と語るパワー
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 パワーは予選2位。3~6位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、ジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・SPM)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)。フル・シーズン参戦ではないハーヴィーとマイケル・シャンク率いるチームの奮闘が光る。

 「アタック1ラップ目、ターン1へのアプローチでフロント・ホイールをロックさせてしまった。あれでPPを逃した。もうちょっとブレーキを入念に温めておく必要があったということのようだ。自分のミスだ。タイヤにフラット・スポットができてしまい、左コーナーで影響が出ていた。それでも予選2位となれたのはハッピーだ。十分に優勝を狙えるスタート・ポジションだから。是非とも勝ちたい。明日は思い切り行く」とパワーは話していた。

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 チャンピオンシップ・コンテンダーでQ3に進出できたのはディクソンだけ!
アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)はQ27番手となってギリギリでファイナル進出を逃した。ハーヴィーがスーパー・パフォーマンスで4番手に食い込んだことで、ロッシのQ3進出が阻まれたと見ることもできる。

ニューガーデン、パジェノーはQ1敗退 

ポートランドでの予選は大波乱で、ポイント・リーダーとポイント2番手の元チャンピオン2人=ジョセフ・ニューガーデンとシモン・パジェノーがQ1敗退を喫した。彼らのスターティング・グリッドは、それぞれ13番手と18番手という後方になった。明日のレースはディクソンにとって、チャンピオンシップ・ポイントを大きくゲインするチャンスとなる。


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 ニューガーデンは予選後、「今回の予選が混戦になるのはわかっていた。ミスが許されない戦いで、自分はそれを二つも冒してしまった。アタック1周目、ターン7出口でラインが膨らんで10分の1秒をロス。次のラップでは最終コーナーで10分の1秒ロスするミスをやってしまった。でも、僕らのマシンはレースで速いはずだ」と語った。
 パジェノーは、「僕らは予選でもスピードが足りていなかった。1ラップをまとめ上げるのが難しかった。この結果は良いものではないが、現実を現実として受け入れなくてはならない。策を練って、明日のレースを力強く戦えるようにしなくてはならない。すでに僕らのマシンは、ロング・ランでは安定感もスピードもある。予選でのスピードが確保できていなかっただけだ」と状況を説明した。

 最高気温が29℃、路面温度は43℃と、今週最も温度の高いコンディションでの戦いでは、チーム・ペンスキーのドライバー3人のうちの2人がQ2に進めなかった。同じくQ1敗退となったのがレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの2人=佐藤琢磨とグレアム・レイホール、AJ・フォイト・エンタープライゼスの2人=トニー・カナーンとマテウス・レイスト、そして、カーリンの二人=マックス・チルトンとチャーリー・キンボールだった。
 ハーヴィーの他にも大健闘をしたと讃えられるべきなのは、急遽搭乗が決まったアロウズ・シュミット・ピーターソン・モータースポーツのマシンで予選9位に食い込んだコナー・デイリーだ。レギュラーのジェイムズ・ヒンチクリフは予選8位。ほぼ同等のパフォーマンスとなった。

 ニューガーデンとパジェノーが振るわなかったことで、シボレー軍団はQ2へのサヴァイバーがパワーとスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)の2人だけになった。そして、ピゴットはQ2で敗退。ファイナルに残ったのはパワーだけとなった。第2戦サーキット・オブ・ジ・アメリカスでの予選のように、孤軍奮闘のパワーが5人のホンダ・ドライヴァーを打ち負かしてPP獲得……となるかにも見えたが、最後にハータ二世が逆転した。ピゴットの予選順位は10位だったから、ポートランドでの予選ではホンダ・ドライバー8人がトップ10入りを果たした。さらに、予選1112位もホンダ勢のザック・ヴィーチ(アンドレッティ・オートスポート)とセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)だった。

佐藤琢磨、激戦のQ1グループAで敗退

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 琢磨はプラクティス3で手応えを掴んでいたが、暑くなったコンディションにマシン・セッティングを調整し切れなかったようだ。彼の走ったQ1グループ1はトップから9番手となった琢磨までの差が0.3672秒で、ギリギリQ1クリアの6番手となったヴィーチとの差は0.0246秒しかなかった。それに対してグループ2はトップから6番手までで0.3266秒差で、7番手は0.4252差。実力の拮抗ぶりはグループ1の方が断然厳しかった。
 「100分の2秒とかの差でQ2進出を逃すのは悔しい。ポジション間のタイム差が本当に小さかった。自分たちのマシンはプラクティスで良く、予選では更に良くなっていたと感じた。それでこのポジションというのは……。このコースは回り込んで行くコーナーが多いので、本当にちょっとしたバランスの違いでラップ・タイムに大きく影響が出る。今日は暑くなったことで、それにマシンを合わせ込むことも難しくなっていた」とも琢磨は話し、「昨日のプラクティスでレースに向けたロング・ランを行ない、良い感触が得られていました。明日はもう走行がなくレースのスタートを迎えます。良いレースを戦いたいですね」と締めくくった。


以上

1 件のコメント:

  1. 昨年は20番手スタートから見事優勝飾っている琢磨選手ですから、明日の決勝チャンスありますよ。

    インディ500、前戦ゲートウェイでの奇跡をもう一度見たい!!

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