2022年6月4日土曜日

2022 INDYCARレポート R7 シヴォレー・デトロイト・グランプリ Day1 プラクティス1:デトロイトのプラクティス1でカイル・カークウッドがトップ・タイム

 

デトロイト戦直前に来季からアンドレッティ・オートスポートの27号車に乗るという報道が出たルーキー、カークウッド。いきなりセッションのトップに Photo:Penske Entertainment (Carl Zemlin) クリックして拡大

カークウッド、セッション終盤にオーワードを逆転!

 ルーキーたちには1セット多くのタイヤが供給される。デトロイトの週末に彼らは7セット使用できる。ヴェテラン勢は6セットでプラクティス2回、予選(レッド・タイヤを2セット使えるが)、レースを賄わないとならないため、大抵は最初のプラクティスではタイヤを1セットしか使わない。ルーキーたちにはこのセッション終盤に2セット目を投入できるアドヴァンテイジがある。それにしても、シリーズでも難しい部類に入るデトロイトのテンポラリー・コースでセッション最速タイムを出すのは至難の技だ。カイル・カークウッドは今日それをやってのけた。セッション終了間際、自身の19ラップ目に彼は1分16秒1345を出し、パト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)からトップを奪った。次の20周目にもカークウッドは1分16秒3236というコンペティティヴなタイムをマークしていた。



自信をみなぎらせるカークウッド
「今週末にはいくつか秘策があるので楽しみ」

 彼が走っているのがAJ・フォイト・エンタープライゼスだということにも驚かされる。彼らは3台をフル・シーズン・エントリーさせているが、カークウッドのチームメイト2人は経験も実績もないため、彼らからの助けはほとんど期待できない。シングル・カー・チームと大きく変わらない体制でこのパフォーマンスは、凄い。
 「自分たちのストリート用パッケージは良いと思うし、デトロイトは自分がレースをしてきたストリートの中で最も良い成績を残せているところ。去年のインディー・ライツではダブルヘダーで連勝している。今週末は新しい秘策も幾つかあるので楽しみ」と走行を前に語っていたカークウッドは、自らの期待通りに素晴らしい走りを実現してみせ、「今日までのところは非常に良い感じで進んでいる。私たちのチームは去年もデトロイトで速かった(セバスチャン・ブルデイが)ので、今年も良いタイムが出せると考えていた。2セット使ってのタイム。1セットで出したって言えたら最高だったけれどね。マシンのフィーリングは走り出しから良好で、さらにチューニングして向上させることができた。セッション終盤にはもっと速く走れそうな感じさえしていた」とプラクティス終了後にコメントした。


GMのおひざ元でシヴォレー勢が1-2スタート!

昨年のレース2ウイナー、オーワードがプラクティス1で2番手タイム。アロウ・マクラーレンSPは来季、オーワード、ロッシに加えてもう1台の3台体制になるという Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

 プラクティス2番手は昨年のレース1でポール・ポジションを獲得してレース2で優勝したオーワード。彼の1分16秒1556というラップはカークウッドとは0.0211秒という小さな差しかなかった。
 シヴォレーの1−2ーーまだプラクティス・セッション1だがーー。今年からホンダと同じように各ドライヴァーの好みやドライヴィングに合わせたチューニングを幅広く行うようになって、大きな成果が得られているのだ。今週末はジェネラル・モーターズのお膝元、イヴェントのタイトル・スポンサーも務めているだけにシヴォレーとしては是非とも勝ちたいところだが、アキュラ・グラン・プリ・オヴ・ロング・ビーチとホンダ・インディー・グラン・プリ・オヴ・アラバマで勝って来た彼らは、ここでリヴェンジされるかもしれない。過去5年の成績を振り返るとホンダが6勝していて、シヴォレーは4勝。

来季アロウ・マクラーレン移籍決定のロッシが3番手
一方、残留を目指すローゼンクヴィストはクラッシュ!

 3番手は2018年と2019年の2回デトロイトでポール・ポジションを獲得しているアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。今日の彼のベストは1分16秒5136で、トップ2との間に0.3590秒とやや差があった。

ハータ―の後塵を拝する状況が続き、チーム内でも存在感を見せつけるレースが少なくなっていたロッシ。移籍決定が起爆剤となるか Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

  デトロイトを前にロッシは来年からアロウ・マクラーレンSPの3台目で走ることを発表し、アンドレッティ・オートスポートはロッシの抜けた穴をカークウッドで埋めると発表した。その二人が最初のプラクティスで好パフォーマンスを発揮したのは果たして偶然なのか。その一方でフェリックス・ローゼンクヴィストはコンペティティブなラップを1周もしないうちにクラッシュしてマシンを降りた。。彼は来年の契約が未だで、アロウ・マクラーレンSPの2台目に残るために良いところを見せないといけない立場なのだ……。

メイヤー・シャンクの2台が順調な滑り出し
 

 4番手はデトロイトで2013年に優勝している(もうそんなに前かぁ……)シモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)=1分16秒6177で、5番手は第106回インディー500ウィナーで昨年のデトロイトでレース1を制しているマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=1分16秒6574。
 6番手はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)=1分16秒6002。
 7番手はPPを2001年、2007年、2014年に獲得し、優勝を2000年、2001年、2014年とどちらも3回ずつ記録しているエリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)=1分16秒8230。

チルトンか、はたまたチップ・ガナッシのマシンか?と見まがうカラースキームとなった今大会のマクロクリン Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

 8番手はスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)=ギャラガーがメイン・スポンサーでマックス・チルトンの乗るカーリンかと思った(!)=1分16秒9552。

グロジャンも今大会は量子コンピューター向けソフトウェア企業のZAPATAのフルカラーリングで登場 Photo:Penske Entertainment (Chris wens) クリックして拡大

ロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート)は9番手で、デトロイトで3勝(2012年、2018年、2019年)、PP獲得2回(2008年、2012年)のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)はP10。

佐藤琢磨、プラウティス1は11番手
「クルマは相変わらずエッジ―ですが
2カー体制を活した戦いができています」


Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

 佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)は11番手だった。ベストは17周を走ったうちの16周目に記録された1分17秒2187だった。トップとの差は1秒0842。「今年のトレンドなんですが、新しいタイヤのせいなのか、簡単にいうとクルマがアンダーステア傾向になっています。それを見越したセッティングとして持ち込んで、狙ったところにマシンはあると思います。ただ、セッション中の変更でリヤのトラクションが減った……などがありました。相変わらずマシンの特性としては結構”エッジー”ですね。チームメイトのデイヴィッド・マルーカスとは同じセッティングでスタートして、そこから試すアイテムを分担しています。2カー体制が開幕当時よりも活かせる戦いができています」と2012年と2014年の2回、デトロイトでPPを獲得している琢磨はコメントした。

シヴォレーの本家本元のペンスキー勢は、マクロクリンこそトップ10に入ったが、パワー、ニューガーデンは本調子といいがたい週末の入りに。ここからどう上げていくのか注目だ Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は14番手でジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)も16番手とスロー・スタート。
 インディー500でのクラッシュで右手を負傷したカルーム・アイロット(フンコス・ホリンジャー・レーシング)の代わりに今回はサンティーノ・フェルッチがカー・ナンバー77に乗っていて、最初のプラクティスでは23番手だった。
以上


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