2022年5月30日月曜日

2022 INDYCAR レポート R6 第106回インディー500 決勝速報! マーカス・エリクソン、インディー500初優勝

エリクソン、オーワードとの赤旗中断後の残り2周の超スプリントを制してインディー500初優勝! Photo:Penske Entertainment

 3年ぶり満員のインディー500
快晴の下、レース序盤をディクソンがリード

 2022年インディーカーシリーズ第6戦、第106回インディー500はチップ・ガナッシ・レーシングのマーカス・エリクソンが初優勝を遂げた。
 3年ぶりに観客をフルに集めたインディー500。天候は快晴だが、やや風が強いコンディションの中、全33台がスタートを切った。


 序盤、レースをリードしたのはプラクティスから予選まで案手下速さを見せてきたポールシッターのディクソン。チップ・ガナッシのチームメイト、パロウ、そして予選3番手のヴィーケイらがトップのポジションを入れ替える展開に。
 ディクソンが68周目に2回目のピットを済ませてレース復帰。パロウは続いて69周目にピットインの予定だったが、ピットレーンに進路を変えたとたんに
アイロットのクラッシュでフルコースコーション、ピットクローズとなるアンラッキーでトップ争いから脱落してしまう。
 その後、レースはディクソンがリードし、オーワードとローゼンクヴィストのマクラーレン勢らが追う展開に。ディクソンは安定した速さを保ったままレースは終盤に。

優勝に向けひた走るディクソン、残り24周で痛恨のペナルティ
勝利の行方はマクラーレン勢とエリクソンのトップ争いに

 残り25周となってディクソンはピットインするが、ここで痛恨のピットスピードペナルティを受けてしまい優勝戦線から脱落。その1周後にオーワードがピットインするが、一足早く172周目にピットを済ませていたチームメイトのローゼンクヴィストにアンダーカットを許してしまう。

 このままレースはマクラーレンのチームメイトバトルになるかと思われたが、エリクソンがオーワードをパス。残り18周でエリクソンがローゼンクヴィストをパスしてまだピットを済ませていない燃費走行組をのぞいての実質的トップに浮上。ローゼンクヴィストはここからスピードが伸びずオーワードに先行を許し、いよいよエリクソンとオーワードの争いになるかと思われたが、残り11周となって燃費走行組全車がピットインを済ませエリクソンが完全にトップになった時点でバックマーカーの処理にてこずったオーワードとの差は2秒以上と開いていた。その上、マクラーレン勢の背後にはペースアップしてきたカナーンがついた。

エリクソン、残り3ラップの超スプリントを制す!

 エリクソンのスピードは緩むことなく、残り10ラップを切ってオーワードとの差は約3秒となっていた。このままエリクソンが逃げ切る可能性が1週ごとに高まっていったが、残り6周でジョンソンが3ターンで単独クラッシュしてイエロー・コーション! レースはこのままイエローチェッカーになるのかと思いきや、なんとレッドフラッグ提示となり、勝負の行方は残りのラップでの超スプリントにゆだねられた。
 この時点のトップ10はエリクソンを筆頭にオーワード、カナーン、ローゼンクヴィスト、ロッシ、パジェノー、カストロネヴェス、フェルッチ。佐藤琢磨はこの時点で25位。
 コースがオープンになり、レースは2周のウォームアップののち残り3周の超スプリントで争われることに。
 この厳しい状況のなかでエリクソンは絶妙なリスタート見せて1ターンでエリクソンが抑えきり、カナーンが3位に浮上。ラストラップの1コーナーでオーワードはアウトから並びかけるもののオーバーテイクには至らず、エリクソンが2ターンからバックストレッチにかけてオーワードを引き離していく。

 エリクソンがリードをキープしターン3に入るぐらいのタイミングで後続のカラムが単独クラッシュしてイエローが提示され、エリクソンはそのままイエローチェッカーでインディー500初優勝を遂げた。
 2位はオーワード。3位はカナーン。
 チップ・ガナッシ・レーシングのインディー500優勝は2012年のダリオ・フランキッティ以来。スウェーデン人ドライバーとしては1999年のケニー・ブラック以来の優勝となった。
 レース終盤を前に、トップ集団とは異なるピットシークエンスに懸ける作戦をチョイスした佐藤琢磨は、作戦的中せず1周遅れの25位でフィニッシュした。

 
佐藤琢磨のコメント
「コース上で抜けないということは、集団の前に出てから勝負を仕掛けるクルマ作りを選択していたのである程度仕方なかったです。
90周で6位まで上がって、目標にしていた100周で5位というのをクリアできたまでは良かったのですが、ピットストップでロスして従二位を落とし、集団の中に入ってからポジションがあげられず苦しかったです。
 苦しい走行に見えていたと思いますが、勝負をかけていたので、トップに入ればチャンスはあったと思います。ピットウインドウを伸ばしていましたし、前が空いていた時はトップ集団より3マイルほど速い221マイルを出すことができていました。残念なことにそれを生かせる展開にはならなかったです。
 最後のピットは、イエローが出る以外あの状態からは順位を上げられないとわかっていたので、最終2スティントノンストップ作戦に切り替えていた。スティントの真ん中ぐらいでイエローが出ればチャンスがあったかもしれないけれど。そうはいきませんでした。
 結果は1周遅れの25位でしたが、勝利を目指して全力を尽くして、新しいチームでみんな頑張ってくれましたし、週末に向けた組み立ては、予選は少し苦しかったけれど、全体としては良かったと思います。
 まだシーズンは続いていくので、次戦からも、どんな状況であっても戦闘力もって戦えるように頑張っていきたいです」
以上

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