2011年7月24日日曜日

2011 INDYCAR 第10戦エドモントンDay2 予選リポート:佐藤琢磨がロードコースでもPP。これまで苦しめられたレッドタイヤを克服し、オーバル&ロードの両コースで先頭グリッドを獲得

Photo:INDYCAR(LAT)
第10戦エドモントン インディ
2011 IZOD INDYCAR SERIES R10 Edmonton Indy
Edmonton City Centre Airport

エドモントン・シティーセンター・エアポート
カナダ アルバータ州エドモントン

コースタイプ:ストリート
全長:2.256マイル(=約3.631km)×90周

天候:晴れ
気温:17℃
路面温度:23〜24℃

 エドモントン・インディの予選も、空港使用のロードレースとあって三段階で行われた。
 プラクティス2回目の後に雨が少し降ったが、路面はドライのまま、気温も路面温度も期待されたほどに上昇はせず、プラクティス2回目とほぼ変わらないコンディションで予選は行われた。

 2グループに分かれての第一ステージ(セグメント)は各グループ15分間。先に走ったグループ1でトップタイムをマークしたのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。タイムは1分18秒1963がマークされ、2位だったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)に0.5094秒という明確な差をつけてのトップだった。
 すぐさま続けてスタートしたグループ2では、佐藤琢磨(KVレーシングテクノロジー)がトップタイムを叩き出した。彼は予選直前のプラクティス2でトップタイムを記録しており、予選でのマシンも良い状態であることが明らかになった。後に走るグループ2の方が路面にラバーが乗っていてグループ1よりも有利だと考えることもできるが、ここで琢磨の出したタイムは、パワーのものを僅かにだが上回る1分18秒1544という素晴らしいもので、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)を押さえ込んでのトップタイムだった。

 第二ステージには第一ステージの両グループから6人ずつが駒を進める。こちらは10分間の戦いで、パワーとフランキッティがトップ争いを演じた。琢磨は第一ステージで出ていたタイムにセッションベストを届かせることができなかった。第二ステージでもソフトコンパウンドのレッドタイヤ(オルタネートタイヤ)の新品を投入したのだが、変更したマシンセッティングが期待通りの効果を生み出さなかったのだ。トップはパワー、2位がフランキッティ、3位はスコット・ディクソン (チップ・ガナッシ・レーシング)で、琢磨は4番手に甘んじた。
 苦戦をしつつも悠々とファイナル=ファイアストン・ファスト6に進出した辺り、今週の琢磨はこれまでとは違う切れ味の良い速さを備えていた。エドモントンの新コースにおけるKVレーシングテクノロジー・ロータスは、実に余裕ある戦いぶりを見せていたのだ。チームメイトのEJ・ビソも今年初となるファイナル進出を決めた。惜しくもトニー・カナーンは第二ステージで姿を消すこととなったが……。

 では、ここでファイナルステージで戦うファイアストン・ファスト6を第二ステージのタイム順に紹介する。

1 ウィル・パワー
2 ダリオ・フランキッティ
3 スコット・ディクソン
4 佐藤琢磨
5 ライアン・ブリスコー
6 EJ・ビソ

 主だったドライバーだけでも、エリオ・カストロネベス、オリオール・セルビア、ライアン・ハンター-レイ、カナーンといった面々がエドモントンではファイナル進出を果たせなかった。そして、興味深いことに、これらの6人はチップ・ガナッシ・レーシング、チーム・ペンスキー、KVレーシングテクノロジー・ロータスの3チームからそれぞれ2名ずつという顔触れになった。
 ファイナルも計測は10分間のみ。短い予選は開始早々から激しいアタック合戦となった。琢磨は第一ステージで6周走ったレッドタイヤをもう一度装着してアタックを行った。クルーが表面をスカッフィングしてスムーズにしたタイヤだ。

 計測1周目から琢磨のタイムは1分20秒6とライバル勢と比べて速く、2周目には1分18秒7716まで縮めてトップに躍り出た。そして、計測3周目にはラップタイムを1分18秒5165まで縮めてみせた。その後も彼は休むことなくアタックを続け、4、5周目も続けて1分18秒台をマークした。しかし、もう1回のタイム更新は果たせなかった。それでも琢磨の計測3周目を上回るラップを刻める者は、とうとう最後まで表れなかった。
 琢磨のキャリア2回目、ロードコースでは初となるポールポジション獲得が決定した。それを無線で知らされた彼は、ピットに戻ってマシンを停めると両手を高々と、そして何度も天に突き上げて喜びを表現した。
Photo:INDYCAR(Chris Jones)
 幾つものテレビ局、ラジオ局のインタビューに応えた後、カメラマンたちからは大量のフラッシュを浴びせかけられながら、琢磨はポール獲得表彰式へと向かって歩いて行った。その際、ピットにまだ残っていたフランキッティ、ディクソン、パワーの3人は、それぞれが自ら琢磨に歩み寄り、祝福と賞賛の言葉を贈った。
 第8戦アイオワでキャリア初のポールポジションを獲得した際の琢磨は、まだ表彰の手順などもわからずにドギマギしているところも見せていたが、2回目となる今回は余裕があった。長時間に渡る写真撮影にも彼は満面の笑顔で応じ続けた。

「3カー体制を活かした戦いぶりが効果を発揮している。トニーとEJ、彼らふたりと僕、そして僕ら3人のエンジニアたちは非常に密接に、完璧に情報をシェアし合って戦っている。他のチームも同じなのかもしれないが、僕らはマシン造りを協力して進めており、それがうまく機能するようになっている。KVレーシングテクノロジーのスタッフ全員に感謝したい。オーバルでの初ポールも嬉しかったが、ロードでのポールも本当に嬉しい。そして、オーバルとロード、両方でポールを獲れたという点で、今日の喜びはとても大きい。今まで苦しむことの多かったレッドタイヤでも良いマシンを造って速く走れたこと、ロードコースではドライバーのやる仕事が非常に多いという意味からも……」と琢磨は話した。
 惜しくも2位となったパワーは、「僕らのマシンは速かった。しかし、ファイナルステージでベストのタイムを出せなかった。壁に接触してしまったんだ。もっとも、今日の琢磨は本当に速かったので、僕がミスをしなくてもポールを獲ったのだろう。彼のパフォーマンスを全面的に讃えたい。それにしても、マシンかドライビングか、どちらかがほんの少しだけ完璧に届かなっただけでポールポジションを逃してしまう。琢磨とKVレーシングのような新しい力が出現し、それを奪い取って行く。インディカー・シリーズの競争は凄まじさを今日あらためて感じた」と語っていた。

 3位はディクソン、4位はフランキッティのものとなり、5、6位で3列目グリッドに並ぶのはビソ、ブリスコーと決まった。

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