2011年7月25日月曜日

2011 INDYCAR レポート R10 エドモントン・インディ 決勝レポート ウィル・パワーが今季4勝目、エリオ・カストロネベスは今季初表彰台となる2位 佐藤琢磨はライアン・ハンター-レイにヒットされて勝機を逃す

Photo:INDYCAR

第10戦エドモントン インディ
2011 IZOD INDYCAR SERIES R10 Edmonton Indy
Edmonton City Centre Airport
エドモントン・シティーセンター・エアポート
カナダ アルバータ州エドモントン
コースタイプ:ストリート
全長:2.256マイル(=約3.631km)×90周
天候:快晴
気温:22~24℃
路面温度:36~39℃

バワー、価値ある勝利でタイトル争いにカムバック!

 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の今回の勝利は実に見事だった。アイオワ、トロントと2連続DNFだった彼は、チャンピオン争いから脱落する崖っぷちに立たされていた。その状況下で最多リードラップを記録しつつ優勝して52点を稼いだ彼は、ポイントリーダーのダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)とのポイント差を55点から38点へと縮めてみせたのだ。
「今日の勝利は、チャンピオン争いに踏み止まるという点で大きな意味を持っている」とパワーは満足感を語った。「トロントで起きたことには腹を立てている。しかし、もうそれは過去のことして忘れなくてはならない。そんな時に、こうして優勝できた。これ以上のカムバックはないよ」と笑顔を見せ、自らの勝利を喜んでいた。
 フランキッティとパワー、ふたりは勝利数「4」で並んだ。ポディウムフィニッシュ回数も「6」でも同じになり、ポイント差は38点まで縮まった。残るレースは7戦。まだまだどちらがチャンピオンになるか、まったくわからない。

したたかな走りを見せたポイントリーダー

 フランキッティはダメージを最小限に抑えた。リスタートでの失敗によって10位までポジションを下げながら、3位まで挽回してフィニッシュしてみせたのだ。燃費をセーブしながら速く走り、路面などの状況を常に感知しながら高いマシンコントロール能力を発揮し、冷静沈着にマシンをゴールまで運んだ。それは、ジャスティン・ウィルソン(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)、セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング)という極めて手強いライバルとのバトルを戦い抜いたことによって達成された。
「10位から3位まで順位を戻すことができたが、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)はブレーキングで自分より安定しており、パスできなかった。序盤のアクシデントですべてを台無しにする可能性もあったことを考えると、今日の結果はチャンピオン争いに向けて悪くなかった」とフランキッティはコメントした。

意外! エリオ第10戦にしてシーズン初表彰台

 昨年勝利を逃したカストロネベスは、新レイアウトのコースで2位フィニッシュを達成した。最後はチームメイトのすぐ背後に迫っていたが、最後までチャンピオン候補のチームメイトにアタックを仕掛けることはなかった。予選順位が9位だったことを考えれば、今回の2位は素晴らしい結果だ。彼は、「2位に上がるまでに労力を使い果たし、ウィルにアタックする力は残っていなかった」と彼はレース後に話したが、密かにチームオーダーが出されていたのだろう。
 今回の2位は、カストロネベスにとって今季初めての表彰台フィニッシュとなった。ここまでのベストはテキサスでのレース2での4位だったのだ。チーム・ペンスキーで走るカストロネベスが、シーズン10戦目まで一度も表彰台に上れないなどとは、開幕前には考えもしなかった。なお、今日のブリスコーは、ゴール目前の79周目に燃料補給のためのピット・インをしたために10位でのゴールとなった。序盤のコーション中のピットストッで採用したショートフューエル作戦が仇となったようだ。それ以降、ついにゴールまでフルコースコーションが一度も出されず、燃料を持たせることができなくなったのだ。

まったく理不尽な琢磨のアクシデント

 琢磨のアクシデントは、まったくもって理不尽なものだった。他のドライバーの、ボーンヘッドミスによって初優勝や初表彰台のチャンスを奪われるとは考えもしなかった。ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)のペースはたしかに速かったが、彼は追いついてもいない琢磨にブツケたのだった。レース終了直後にハンター-レイは琢磨に謝りに来たが、覆水盆に還らず。琢磨の失ったものはあまりにも大きかった。1周のラップダウンになりながらもマシンを直して琢磨はコースに戻った。しかし、そこからのレースでフルコースコーションが出されることはなく、彼に順位を大きく挽回するチャンスは与えらなかった。琢磨の順位は21位となった。

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