2011年7月11日月曜日

2011 INDYCAR レースレポート R9 ホンダ インディ トロント Race Day:フランキッティが荒れたレースを制し、パワーはリタイヤ。フランキッティのポイントリードは55点にまで拡大

Photo:INDYCAR(Jim Haines)

第9戦ホンダ インディ  トロント
2011 IZOD INDYCAR SERIES R9 Honda Indy Toronto
ストリート・オブ・トロント
カナダ オンタリオ州トロント

コースタイプ:ストリート
全長:1.75マイル(=約2.816km)×85周

Race Day 7月9日
天候:晴れ
気温:28~29℃
路面温度:39~43℃

フランキッティ、運も味方につけての今季4勝目
決勝は少し蒸し暑い天候となった。インディライツのレース中にはパラパラ雨が降ったが、インディカーのレースはスタートからゴールまで一切雨は落ちて来なかった。
完全なドライ・コンディションでのレースだったというのに、アクシデントが多発する荒れ模様のレースとなった。
そして、勝ったのはポイントリーダーのダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。今シーズン4勝目だ。彼より予選で上位につけたふたりは、ポールスタートだったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がクラッシュによるリタイア=24位で、予選2位だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は、順位変わらずの2位フィニッシュだった。
フランキッティは運も味方につけての勝利を飾った。また一歩3年連続チャンピオンに近づいた感じだ。
フランキッティがディクソンよりも前に出たのは、序盤のピットストップのタイミングによってだった。トップを守り続けるパワーと、彼を追う2位を走り続けたディクソンに対して、3位を走るしかなかったフランキッティは、トラフィックに引っかかったのを機に早めのピットストップを行う作戦を採用。ピットインした少し後にエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット・モータースポーツ)にぶつかってフルコース・コーションとなり、トップ争いをしていたパワーとディクソンは後方終盤に埋もれる結果となった。
それでも最後にディクソンはフランキッティの背後に迫った。ただ、プラクティスから予選までフランキッティに対してアドバンテージを持っていたディクソンだったが、レース終盤までその状態を保つことはできていなかった。ゴールを目前にした戦いでは、フランキッティの走りの方がキレがあった。ディクソンは差を広げられ、0.7345秒差の2位でゴールするしかなかった。

リタイアを喫したパワーはフランキッティの走りに激怒
フランキッティはレース中盤にパワーと接触した。フランキッティは走り続け、パワーはエンジンストールにより順位を大きく下げた。そして、それはタグリアーニとの接触へと繋がり、2戦連続のDNFを喫することとなった。アクシデント多発の割りにリタイアしたマシンは少なく、パワーの最終順位は24位で、今週末は15点しか稼ぐことができなかった。対するフランキッティは50点を加算。ふたりのポイント差は20点から55点にまで一気に広がった。
リタイアしたパワーは、「自分はダリオに対しても常にクリーンなレースを戦って来ているが、彼は汚いレースを僕に対してしている。こういうドライビングはセント・ピーターズバーグに続く2度目のものだ。彼にペナルティが課せられないのが不思議だ。なんで彼だけはペナルティの対象とならないのか、インディカーの判断を疑問に思う」とパワーは怒りを露にしていた。最終的に彼をリタイアへと追いやる形となったタグリアーニに対しては、「彼はシロウトだ」とバッサリ切り捨て、レース後に事情を説明しに来たタグリアーニを突き放した。
レース後にパワーのコメントを聞かされたフランキッティは、とても驚いた表情で、「僕は誰に対してでもクリーンにレースをして来ている。パドックの誰に聞いてもらってもいい。ダーティな走りなどアメリカに来て以来したことはない。これからもそれは変わらない。ウィルはセント・ピーターズバーグのパスを汚いと言っているが、あの時に僕らは接触していない。僕はアグレッシブに走ってパスを成功させた。あれは汚い走りではなかったはずだ」と主張した。
「ウィルは壁にぶつかってリタイアをした直後だったから、湯気が出るぐらい怒って痛んだと思う。自分だって、同じ立場だったらそうなっていたと思う。そして、コメントも過激になってしまったんじゃないだろう」ともフランキッティは話していた。エドモントンでのレースの前に彼らふたりは話し合うことになるのだろうか?

アンドレッティ・オートスポート勢が3、4位に
3位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が獲得した。去年に続く2年連続のトロントの表彰台だ。予選8位から、彼もまた運を味方につけての上位フィニッシュだった。そして、4位にはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)が食い込んで来た。予選20位からの4位は素晴らしい結果だ。いかにもアンドレッティらしいリスクを恐れない走りを彼は最後まで続けていた。リスタート直後のターン1でオリオール・セルビア(ニューマン・ハース・レーシング)を弾き飛ばし、ジャスティン・ウィルソン(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)、ジェイムス・ヒンチクリフ(ニューマン・ハース・レーシング)、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)をクラッシュさせるシーンもあったが、ペナルティを課せられることもなく、4位フィニッシュを果たした。5位はビットール・メイラ(AJ・フォイト・レーシング)、6位はセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング)のものとなった。
チーム・ペンスキーはライアン・ブリスコーによる7位が最高位と、ますます混迷の度合いを高めている。
佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)はレース序盤の7周目にダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポート)に追突し、フロント・ノーズを壊して周回遅れとなった。それでもマシンを修理して6周遅れでレースに復帰。20位でゴールした。

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