2011年10月3日月曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント91 第16戦 ケンタッキー インディ300 決勝 「本当に苦しいレースで、とにかくスピードが足りませんでした。苦しい戦いでしたがクルーがピットで本当にいい働きをしてくれて、チームにとってはよい経験になったと思います。この1週間でなぜ我々のマシンが遅かったのかを分析して、最終戦は気持ちよく走りたいと思います」

3ワイド、4ワイドとなる展開の中、集団についていく琢磨。
Photo:INDYCAR(Bret Kelley)
第16戦 ケンタッキー インディ 300
2011 IZOD INDYCAR SERIES R16 Kentucky Indy 300

ケンタッキー スピードウェイ
ケンタッキー州スパータ
コースタイプ:スーパースピードウェイ
全長:1.5マイル(=約3.218km)×200周

Race Day 10月2日
決勝 15位フィニッシュ 1時間42分04秒8991(2秒1166遅れ)


  朝から快晴が広がって路面温度が上昇。レースでのタイヤのグリップに関する心配は薄れた。22番手スタートの佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)としては、まずはトラフィック内でのハンドリングが勝負の重要なポイントだった。しかし、思惑とは逆にスタート直後から彼はトラフィック内のハンドリングに苦労を強いられたようだった。
 昨年は1周目のターン3でクラッシュした琢磨。それだけに、今年は完走に対する意識を高く持っていた。もちろん、琢磨の場合はゆっくり慎重に走って完走を目指すということはない。あくまでも全力で戦い、1台でも多くオーバーテイクをしての完走が目標であった。



スタート直後はすごいオーバーで、いつスピンしてもおかしくないような状況

Jack Amano(以下――):インフィールドでレースを見ていましたが、とても苦しそうでした。一時7位に上がったものの、また順位を下げてしまった。どんな戦いをしていたんでしょう?

佐藤琢磨:ホントにキツかった。最初にスタートしてすぐ、クルマがものすごいオーバーステアで、1周目のターン2ではステアリングをフルカウンターに2度しました。その後も、いつスピンするかわからない状態が続いてました。そんなだったから、KVレーシングのマシンは3台ともものすごい勢いで後ろ行っちゃったと思うんですよ、同じようなカタチで。まぁ、周回が少し進んで、少し路面ができて、タイヤの内圧が上がってからは良くなってったんですけど、とにかくスピードが出なかったですね。リスタートでは何台か抜いてポジションを上げることができて、シングルのポジションまで行ったんですけど、ペースが安定して来るとどんどん抜かれてっちゃう。前のクルマにとにかくくっついてって、引っ張ってもらって、それでもオーバーテイクボタンを使って何とかついて行くって感じでした。
――ピットクルーは奮闘をしていましたね?
佐藤琢磨:はい。非常に苦しいレースだったんですけど、クルーがピットでいい仕事をしてくれていました。順位が上がったり下がったり忙しいレースだったんですけど、状況を考えれば、チームとしてはすごく力強くレースを運べたので、良い経験になっていたと思います。

――レース中のセッティング変更はどんなものを施したんでしょう?
佐藤琢磨:基本的には、もうフロントウイングだけしかできないんですけど、僕のクルマは途中でウェイトジャッカーが壊れてしまって、それが使えなくなった。だから、アンチロールバーで何とか補正はしてったんだけど、すごいキツかったですね。バランスがそれで何とか調整できたとしても、単純にスピードがあんなに伸びないとはね。そういう意味ではとても苦しいレースでしたね。悔しいです。
――硬いという評価がドライバーたちから出ていたファイアストンの新タイヤですが、レースを戦ってみてどうでしたか?
佐藤琢磨:硬いコンパウンドで、そのためにマーブルがほとんどなかった。それは良かったと思います。そのおかげで、レース終盤になっても3ワイド、4ワイドとかあって怖かったんですけど(笑)、タイヤはそういう意味ではコンシスタントでしたね。ただ、リスタートだけは気をつけなきゃいけなかった。一度走り出してしまえばグリップそのものは大丈夫でした。ていうか、このコースはすごいグリップが高いので……。レースを終えた今、腕はパンパンだし、脇腹も痛いぐらいだから、かなりのGがあるってことですよ。タイヤは暖まってしまえば問題はなかったんですけど、再スタート直後のバランスが一番の鬼門というか、課題というか……。今日の場合は晴れてて路面温度が上がったので助かりましたけど、空気は冷たかったので、ペースカーの後ろを走るとどんどん温度が下がっちゃってた。それだけ気をつけないといけなかったですね。
――今回の苦戦は、新しいタイヤが導入されたことに対して、チームが調整をうまく行えなかったということですか?
佐藤琢磨:いや、違いますね。そっちではなくて、予選のスピード、決勝で自分が苦労したところを見ると、単純にスピードが足らない。
――KVレーシングテクノロジーのエアロパッケージに何か問題があると?
佐藤琢磨:そうなんでしょうけどねぇ、これ以上ダウンフォースってほどんど削れないんですよ。これ以上削ったら曲がりきれなくなる。だから、そういう意味では、やっぱりメカニカルグリップをシッカリとつけるしかない。それで取れるものは全部取って行くって方法しかないんですよ。それにしても今日、周りはすごく速かった。ホンと、何でなんだろう?

――最終戦も1.5マイルオーバルですから、何か対策を見つけないとなりませんね。
佐藤琢磨:はい。僕らのクルマがなんでこんなにスピードが出ないのか、それをこの1週間で分析して、最終戦は気持ちよく走りたいと思います。

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