2012年3月26日月曜日

2012INDYCARレポートR1:決勝・エンジンバトル初戦はシボレー、カストロネベスが制す。佐藤琢磨は11周をリードするもトラブルでリタイア22位

第1戦ホンダ グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ
2012 IZOD INDYCAR SERIES Round 1 Honda Grand Prix Of St. Petersburg

コースタイプ:ストリート
全長:1.8マイル(=約2.897km)×100周

決勝:3月25日
天候:晴れ
気温:27〜28℃

 朝方の雨はウォームアップセッションの路面をハーフウェットとしたが、その後に再び雨が降ることはなく、レースはドライコンディションで開催された。
 ストリートレースだというのにマシン同士が絡み合うアクシデントはひとつも発生しなかった。それは新しいレースディレクターが就任したおかげだったのか。

 強い日差しと、昨日までより幾分高い湿度というコンディション下でのレースは、ピットタイミングが非常に重要な意味を持つ戦いとなった。
 ポールポジションからトップを守ったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、13周目にキャサリン・レッグ(ロータス・ドラゴン・レーシング)がストップしたのを見るやピットロードへと飛び込んだ。まだフルコースコーションが出される前のことで、この判断は実に見事だったと思われた。14台が彼に続き、その後でフルコースコーションは出されたからだ。

 しかし、結果から言えば、このタイミングでのピットストップは失敗だった。フルコースコーションを活かしてピットストップを3回行うより、アンダーグリーンでの2ストップでゴールまでを走り切る方が有利なレースへと、中盤戦からの展開によってレースは変わって行ったのだ。
 スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は、その13周目のピットストップをし損ねた。彼はピットインしなかったことを悔やんでいた。自分の決定的な判断ミスによって、上位フィニッシュを諦めなくてはならないと考えていた。しかし、レース展開は彼らに味方した。彼とエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)に。

 21周目にトップに躍り出たディクソンは、カストロネベスを後方に封じ込めたまま周回を重ねた。1回目のピットストップを行って一端リードを手放した彼だったが、48周目にトップに再浮上し、2回目のピットストップを行った68周目までその座を守り続けた。優勝はディクソンが手にするかに見えていた。
 ところが、最後のピットストップで順位の逆転が起こった。彼よりフルタンクで1周多く走ることができたカストロネベスは、ピット作業を終えてコースに戻ると、JR・ヒルデブランド(パンサー・レーシング)をパスしてトップに立ち、そのままゴールまで突っ走ったのだ。

 カストロネベスの走りはライバル勢を圧倒するもので、ディクソンを一時は7秒以上も突き放した。バック・マーカーの登場によって差は縮まってのゴールとなったが、カストロネベスはまったく危なげなく2010年のインディ・ジャパン以来となる勝利へと逃げ切った。ディクソンはユーズドのレッドタイヤがグリップを失ってしまっていた。
 それでも、3位を走るライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)には燃費の心配があり、ディクソン同様にペースを上げることはできなかった。

 リザルトはカストロネベス、ディクソン、ハンター-レイの順。エンジンバトルはシボレー、ホンダ、シボレーという結果になった。ロータスのベストはアレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアン)の15位だった。
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は14番グリッドからのスタートながら、レース半ばに11周トップを走った。作戦の良さに加えて、スタートおよびリスタートでの大きなポジションアップでトップ争いへと上がって行ったのだ。ダリオ・フランキッティやウィル・パワーとのバトルを戦ってのオーバーテイクも今日の琢磨は見せていた。しかし、2回目のピットストップを終えてコースに戻るとギヤのシフト・アップができなくなり、リタイヤを喫した。

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