2012年4月16日月曜日

2012 INDYCAR レポート:R3 トヨタ・グランプリ・オフ・ロングビーチ Race Dayレポート 10グリッド降格も何のその、ウィル・パワーが12番グリッドから快勝し、ランキングトップに

Round3 Toyota Grand Prix of Long Beach
Streets of Long Beach

ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周

4月15日 決勝
天候:快晴
気温:17〜18℃

 シボレーはロングビーチでのレースを前に大きな決断を下した。レース中のトラブル発生を心配し、全員のエンジンを改良版へと変更したのだ。1850マイルを走破する前のエンジン交換は、予選順位から10個のグリッド降格という厳しいペナルティを受ける。オーバルでならまだしも、ロードレース、それもストリートでの戦いで10台分も下がってのスタートをさせられるのは大変なことだ。しかし、シボレーは勇気を持って決断を下した。そして、それは英断だった。

 ウィル・パワーが不利を覆して優勝を飾ったのだ。これでシボレーは開幕から3連勝。ユーザーチームとドライバーの能力の高さにも助けられている。チーム・ペンスキーは開幕から3連勝を記録したのだ。しかし、ここまで彼らが強いのは、シボレーのエンジンがホンダやロータスのものと比べ、総合的に見て勝っているからと理解するしかないだろう。

 土曜日の予選を2位で終えた後、「作戦などもフルに活用して、できる限りポイントを稼ぐことを目指すだけ。12番手から勝てるとは思えない」とパワーは浮かない顔で話していた。それはまるで、「自分のミスでもないのにグリッドを大きく下げられるなんて納得が行かない」、「ストリートコースで10台以上も抜いて行くなんて無理だ」とでも言わんばかりの諦めモードだった。

 しかし、第2戦に続いて彼のピットは見事な作戦でポジションを上げて行った。もちろん、ドライバーであるパワーの頑張りも大きかったが、彼らは大逆転でビクトリーレーンへと進んだのだった。

 ブラックタイヤでスタートしたのは多くのシボレー勢と同じ作戦だったし、最初のピットストップは多くのライバル勢と同じタイミングで行った。しかも、1回目のピットストップの後にはポジションダウンも経験し一時的にだが17位までポジションを下げていたのだ。しかし、燃費のセーブのし具合と、保ったペースの速さが素晴らしく、2回のピットストップを行う54 周目までに2位まで浮上。ピットアウト後もハイペースで走り、同時に燃費の良さも実現していた。この時の彼のペースは、燃費に気を使っているとは思えないほど速く、燃費セーブに躍起になっていた佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)をパスし、シモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)を振り切って今季2勝目を連勝で飾った。

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