2012年6月21日木曜日

2012 INDYCAR レースアナリシス:R8 ミルウォーキー Part2 ライアン・ハンター-レイの今季初勝利 シボレーがトップ6独占で今季5勝目


Photo:INDYCAR\LAT USA
 今回、燃費競争はシボレーが若干優位

 去年のミルウォーキーでは1周目にクラッシュしたライアン・ハンター-レイ=RHR(アンドレッティ・オートスポート)。さすがに今年は慎重だった。スタート前の雨で路面が悪くなってもいたし、序盤はポールスタートのダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)の後ろで様子を見ていた。
 リードを奪いに行ったがそれを阻まれ、RHRはタイヤ&燃料セーブに作戦を。ところが、1ラップ先にピットしたのはシボレー搭載のRHRで、ダリオ(ホンダ搭載)よりもっと燃費の良かったEJ・ビソ、ルーベンス・バリケロのKVレーシング・テクノロジー(どちらもシボレー)勢ふたりが第2スティントで1-2体制に。RHRは3番手で我慢の走行。ダリオはここから下り坂に。
 今回の燃費競争はほぼ互角か、シボレーが若干有利だった。
 第3スティントはステイアウト作戦に出てエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がトップを走った。RHRはピットでバリケロをパスし、リスタートでビソを抜いて2位へと浮上。残り84周となる142周目に大きくリヤを滑らしたエリオを抜いてリーダーの座にようやく躍り出た。超ロングスティントになっていたエリオはタイヤが終了。トップに立ったRHRはそのままゴールへと突っ走った。今シーズン初勝利=通算6勝目。アンドレッティ・オートスポートも今季初勝利。ついでに書けば、アメリカ人ドライバーも今季初優勝!


マイケル譲りのタイヤマネジメントが功を奏した

 しかし、RHRは楽勝ではなかったという。「トップに立ってからもリスタートが何度かあった。あれは嬉しくなかった。グリーンでずーっと行って欲しかった」。しかし、リスタートでもトップをキッチリ守っていた。彼は勝利の要因として、タイヤを大事にしていたこと、いつ攻めて、いつ流すかメリハリをつけていた点を挙げた。ピットで指揮を取るマイケル・アンドレッティ(今季途中から)について、「彼はこのコースを、そしてミルウォーキーでのレースを知っている(5勝の実績)。彼からのアドバイスが僕の耳には常にあった」とも話した。「グリップが必要な時にちゃんとあるように」というのがマイケルのアドバイス。RHRはタイヤを労ることに注意を払い、しかし、スタートやその他の時でも必要と考えた時には思い切りアグレッシブに走った。また、1スティントの中でマシンが大きく変化する点がショートトラックレースの難しさ&おもしろさで、今回そのアジャストもRHRとアンドレッティ・オートスポートは実にうまく行っていた。

シボレー・エンジンはタレる? 気になるカナーンのコメント

 RHRが最後に戦う相手となったのは、トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)だった。リスタートの旨さに定評のあるベテランファイターだ。RHRはその件に関して、「トニーが相手で良かった。なぜなら、僕らはクリーンにレースを戦う仲だからだ」と答えた。えぇっ!? それってまさか、「トニーのリスタートなんて何とも思っちゃいないサ」って意味ではないよね? 「相手によってクリーンだったり、そうでなかったりしまーす」ってことでも……ないよね?
 そのTKだが、チームメイト2人には差を見せつけたものの、RHRには手が出なかった。最後のピットストップとその後の5周で4台をパスしたのは、クルーのピット作業、TKのかけたスパートの両方が良かったため。
 気になったのは、「自分たちのマシンはスピードがなかった」とTKがシェビーV6のパワーダウンがあったかのようなコメントをしていた点。同じシェビー・ドライバーのマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートポート)に至っては、「ウチのエンジンは疲れちゃってたみたいでサ」と、パフォーマンスの悪かった理由としてエンジンのパワーダウンを挙げていた。規定マイレッジ間近になるとシェビー・エンジン、性能ダウンが大きいのか?? だからカナーンとビソ、ペナルティ覚悟でアイオワ前にエンジン交換を決断?? マルコのエンジンはこのレースでマイル完了なのか?? 交換の話はまだ出ていない。


ともあれ、シボレーは1位から6位を独占

 不満を漏らす者もいるが、シボレーはミルウォーキーで1-2-3-4-5-6フィニッシュ。3連敗の後に今季5勝目。ホンダに4勝のタイには持ち込ませなかった。ホンダ勢トップはインディーから1戦ずつフィニッシュ順位を上げて来ているアレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)の7位。意外や、3連勝の後に今シーズンのここまでで最悪のリザルトをホンダは記録することとなった。トップ10にもう一人入れたのが9位のグレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)。トップ15までで見ても、11位のスコット・ディクソン(ガナッシ)と13位のシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)が加わるのみ。トップ15の11人までがシェビー・ユーザーに占められた。シーズン半分終了、マニュファクチャラー・ポイントはシボレー63点に対して、ホンダ56点。ロータスは32点。

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