2013年3月25日月曜日

2013 INDYCAR レポート R1 セント・ピーターズバーグ決勝:ジェイムズ・ヒンチクリフ、初優勝

Photo/INDYCAR

4人をオーバーテイクしての堂々のインディーカー初勝利

 昨晩は濃い霧、今朝は完璧な曇り。レースが行われている最中に雷雨があるとの予報も出ていたセント・ピーターズバーグだったが、インディーカーはラッキーだった。100マイルほど東のオーランドウ(ディズニー・ワールドとかがある都市)は強風&豪雨で広い地域が停電になるなどの大打撃を受けたというのに、110周へと10周回伸ばされたレースの全行程を雨ナシ、ドライコンディションで終えた。
 そのレースで勝ったのは、カナダ出身のジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)だった。4番グリッドからのスタートで前を行く3人、プラス彼をパスして行った1人、合計4人をコース上でキッチリ抜いてのインディーカー初勝利だった。




パワー相手にも真っ向勝負! 
愛すべきキャラの勝負師、ヒンチクリフ

 ニューマン-ハース・レーシングから2011年の開幕2戦目にデビュー。光る走りを多くのレースで見せたが、名門は翌年に突然の活動停止。カール・ハース御大も、もうお年……なのでね。こういう事態でキャリアが終わっちゃうってのは、レースの世界では実はよくある話。しかし、”ヒンチタウンの市長”には運があった。ダニカ・パトリックがNASCARへと移るタイミングと重なって、アンドレッティ・オートスポートにできた空きシートに収まることができた。もちろん、デビュー年にいい走りを見せてたから、の話だけれど。
 移籍初年度だった去年、ヒンチはシーズン途中までチャンピオン争いをしていた。初勝利は挙げられず、シーズン終盤は少々失速気味だったのでランキング8位でシーズンを終えた。
 今年のヒンチは初優勝を強く意識していただろうけれど、まさかシーズン最初のレースで目標を早々に達成してしまうとは……。大ブレイクの予感? でも、アンドレッティからチャンピオンが2年連続で……なんてこと、起こるだろうか?
 ヒンチクリフって、手品師かコメディアンみたいなとぼけた顔つきをしてるでしょ? そのルックスの通り、人を笑わせたり、からかったり……というキャラクターで、悪ノリが過ぎちゃうコトもあるタイプ。それがレースを走り出すと、鋭いし、しぶといし、人を喰ったようなふてぶてしさも表に出てくる。今回はウィル・パワーとの真っ向勝負でパスを成功させ(コレをやってる人って、そんなにいないよ)、その後はエリオ・カストロネベスにプレッシャーをかけ続けた。通算27勝のベテラン相手にミスを冒させる、未勝利ドライバーとは思えない戦いぶりだった。トップに立ってからの走りで、30周ほども真後ろにエリオがいる状態で、ミスなく走り続けた。
 ゴール後のターン1でスピンターンを続けたヒンチは、ヘルメットの中で涙をぼろぼろ流していたという。本人がそう話していた。感激屋でもあるんだな、ヒンチは。インディーカーにいいキャラがまたひとつ確立された。

以上

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