2014年8月22日金曜日

2014 INDYCAR レースプレビュー: 第17戦ソノマ:過去4年でパワーが3勝!ペンスキー勢は4連勝。今年の常設ロードコースではアンドレッティ勢が好調。2デイ・イベントになった影響がカギ!

昨年まで圧倒的な実績を残しているパワー

ソノマの歴代ウィナーは以下の通り(シリーズ一本化がなった年から)。
2013 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)
2012 ライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)
2011 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)
2010 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)
2009 ダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)
2008 エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)

 この4年でパワーが3勝もしている。チーム・ペンスキーとしてだと4連勝中。でも去年のはイワクつきだからなぁ。最速ディクソンに対するペナルティ(パワーのクルーをヒットした)には何らかの意図が……。レース主催者にそういうのあっちゃマズイが、今年もそれは散見されている。去年はそれでもパワーのチームメイト、チャンピオンになり損ねてたけど。

歴代2、3位(同上)
2013 2位 ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング) 3位 フランキッティ
2012 2位 パワー 3位 フランキッティ
2011 2位 カストロネヴェス 3位 ブリスコー
2010 2位 ディクソン 3位 フランキッティ
2009 2位 ブリスコー 3位 マイク・コンウェイ(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)
2008 2位 ブリスコー 3位 カナーン

 フランキッティの安定感がダントツ。2008年はNASCAR行ってて出てなかった。ブリスコーもコンスタントに上位フィニッシュを重ねている。エリオは優勝1回、2位2回(もう1回は07年)。今年パワーが勝つとタイトル争いで一気に優位になるが、何度も書いて来てる通りに最終戦はダブル・ポイント=あくまでもチャンピオンはフォンタナ次第。そこで不運に見舞われたら1シーズンの苦労は水の泡。

ハンター‐レイ、パジェノーも今シーズンロードコースで好成績

 ソノマは常設ロードコース。今のインディーカー・シリーズにはソノマの他にミッド・オハイオ、バーバーがある。おっと、今年からインディアナポリスも加わってたか。それらのコースで誰が速かったかを見る。ウィナーは以下のとおり。
バーバー:ライアン・ハンター-レイ(アンドレティ・オートスポート)
インディアナポリス:シモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)
ミッド・オハイオ:ディクソン
 冒頭のソノマの歴代トップ3に出て来なかったハンター-レイとパジェノーがこちらのリストには登場。2、3位を見ると、バーバーではマルコとディクソン、インディーGPではハンター-レイとエリオ、ミッド・オハイオではセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)とジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)だ。アンドレッティ勢が良い。ミルウォーキーはデータに反してメロメロだった彼らだが……。去年のソノマではマルコ、ハンター-レイ、ヒンチクリフが4、6、8位となぜかひとつ飛ばしの偶数順位(EJ・ヴィソは14位)。予選ではハンター-レイが4位で、他はトップ10入りできていなかった。

有力ドライバーの中で事前テストを行っていないのは……

 今年は序盤から苦戦し、第15戦でようやく初優勝を記録したターゲット軍団。しかし、ディクシーは序盤のバーバーで予選5位から表彰台に上っていて、つい最近のミッド・オハイオでは最後スタートからアッパレの大逆転優勝。ブリスコーも速いコースということで、今週末はガナッシ勢活躍の可能性・大か。
 しかし、ガナッシ・ドライバーたちは今年のタイトル争いに絡んでいない。チャンピオンを懸けた戦いを考えると、やっぱりパワーが明らかなる優位。問題があるとすれば、今年のソノマはただのシーズン終盤戦じゃなく、シーズンが押し詰まった最終戦のすぐ手前のレースでところ。急にプレッシャーがのしかかって来てヘロヘロに……ってケースがパワーが嵌ってもおかしくはない。
 パジェノーにも優勝する力はある……が事前テストに今年は来てない点で決定的に不利。三強はちゃんと2台以上で来てテストしてるから。トップと92点差のパジェノーの場合、ランキング1、2位がペンスキー・コンビが揃って不運に見舞われでもしない限り差をギュギューッと縮めることはできない。過去5年のデータからすると、それが起こらないとも言い切れないが……。

予告なく2デイ・イベントになった影響は?

 最後はまたしてもインディーカーへの苦言。
 ソノマのレースって、つい最近インディーカーによって2デイ・イベントにされたんだよね。ずーっと3デイだったイベントを2デイにするならキッチリと発表をすべきなのに、告知は無かった。「発表してなかった=噓は言ってはいない」なんて言い訳に過ぎない。観戦旅行を計画してて変更を余儀なくされたって人、少なくないんじゃない? 「大陸の東側でレースして、翌週金曜にまたマシンを走れるよう準備するのは大変。クルーの負担軽減が目的での2デイ・イベント化」とインディーカーはミルウォーキーで説明してたが、またツマラナイ企みか……ってな臭いを感ずる。
 シーズン終盤のテストって、恩恵を受けるのが当該コースでの1レースに限られちゃうでしょ? そういうテストのためにインディアナポリスを本拠地とするチームが西海岸まで遠征するって、労力的にも資金的にも大変だ。しかし、ソノマの事前テストを断念したチーム群が、もし今年は金曜のプラクティスがないと予め知っていたら、事前テストに来ていたんじゃないだろか?
 テスト参加メンバーは11人。エリオ、パワー、ファン・パブロ・モントーヤとペンスキーは3人全員が走り、ガナッシもディクソン、カナーン、ブリスコー、チャーリー・キンボールと4人全員を参加させていた。アンドレッティ・オートスポートはハンター-レイとカルロス・ムニョスのみで、マルコとヒンチは来ず。あとはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのグレアム・レイホールと、サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシングのジョセフ・ニューガーデン。
 ランキング3位につけてるパジェノーが不参加。彼のチームメイトのミカイル・アレシンも来てなかった。ポイントはここか。しかし、そこまでして“あのチーム”にタイトル獲らせたい? あるいは、シリーズの新タイトル・スポンサーへのゴマスリ?? ここまでやらないと、「もしかしたら、またタイトルを取り逃しちゃうかも」って心配? かもね。
以上

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