2015年6月13日土曜日

2015 INDYCARレポート R10 ホンダ・インディー・トロント Day1 プラクティス2:フル・ウェットとなりディクソンが1周したのみで終了

雨の中、プラクティス2の走行準備をするディクソンの「ジュラシック・ワールド」号 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
走行はジュラシック・ワールドの宣伝!?のみ

 午後にも45分間のプラクティスが予定されていたトロント。近頃のインディーカーでは金曜に2回のプラクティスが行なわれるケースが少なく、今回はマシン・セッティングをより高いレベルに煮詰める大きなチャンスだったが、残念ながら雨によって貴重な1セッションは失われてしまった。
 と言っても完全に走行がゼロだったワケでもなかった。スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が1ラップだけ走ったからだ。

  新作映画ジュラシック・ワールドの宣伝? ディクソンはフル・ウェットのコースへピット・アウトし、1周しただけでピット・ロードに滑り込んだ。ディクソンのピット・ボックスは出口近くで、このラップではコントロール・ラインを戻って来た際にピット・ロードで横切っただけ。なのでラップ・タイムとして記録されなかった。

「明日はゼロからのスタートになっちゃう」とモントーヤ

 ドライならタイムは縮まるはずだったが、走行ナシとなってために初日のトップになったモントーヤは、「復帰2年目でポイントをリードできているのは確かにうれしいし、トロントでもマシンは速いみたいだ。ここまでシーズンは順調に来ている。でも、ポイントをリードしてるからって、それがチャンピオンになれることを保証してはくれない。今日はブレーキ・トラブルのせいで多くのラップをこなせなかったが、マシンが速かったので勇気づけられた。ただ、雨はせっかく今日路面に乗ったタイヤ・ラバーを流しちゃうので、明日はまたゼロからスタートになっちゃうね」と語った。


モントーヤとパワー、二人のパワーバランスに注目
 現在ポイント2位、つまりはチャンピオン争いでのモントーヤにとって最もマークすべきライバルとなっているパワーだが、モントーヤは油断こそしていないが、非常に手強い相手とも捉えていない印象だ。精神的な優位に立っているように感じさせる。現役チャンピオンだというのに、パワーは今や完全にモントーヤに呑まれている。今日トップになったことなど、モントーヤは何のメリットとも解していないが、パワーとすれば「ヤツはトップで自分は6番手」と不必要に意識をしてしまっているように思える。今日のモントーヤのトップは、トラブルで走れる時間がセッション終盤に限られ、その時にライバルたちよりタイヤがフレッシュに近い状況だった点がプラスに作用していた。今シーズン、すでに何度も「モントーヤ側に運はあるなぁ」と思わせるコトが起こって来たが、モントーヤはそんな運による状況もちゃっかり味方につけているし、運に見える物事もモントーヤがアレコレ考えて行動したことで起きている可能性もある。とにかく、モントーヤは自分に有利な流れを保って来ている。パワーは1セッションごとに一喜一憂し過ぎるきらいがある。チームメイトとして共に時間を過ごして来ているモントーヤは、「コイツには負ける気がしない」とまで感じているようなのだ。今週のトロントでのレース、今シーズンの2人の勝負の行方を決める可能性があるかも。パワーはとどめをさされないようにしないと。

0 件のコメント:

コメントを投稿