2016年2月28日日曜日

2016 INDYCAR レポート 2月27日 テスト・イン・ザ・ウエスト Day2 PM:最終セッションでもエリオ・カストロネヴェスが最速=2日間の最速

2日間のたーたるでトップタイムをマークしたカストロネヴェス Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
AMにエンジントラブルを経験するもニュー・エンジンでトータル最速

 最終セッションでも最速はエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)でした。昨日のセッション1に続くトップ獲得。それは2日間の最速ラップ=19秒2735記録によって達成されました。今日のセッション3でエンジン・トラブル発生。新しいエンジンを載せての走行は、年間4エンジンという規定に影響(4基のカウントはこのテストからスタート)を与える可能性もあるものの、スピードは見せつけた感がありますね。
 「予選セッティングでの僕らのマシンはかなり速い。そして、そこから決勝用セッティングにスイッチしても好パフォーマンスが発揮できましたね」とエリオは満足顔でした。

アンドレッティ2位、ハンター-レイ3位、ムニョス5位と元気なAA勢
佐藤琢磨も一時4番手に浮上し、ホンダ・チームも全体にレベルアップ


 2番手につけたのはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。昨日のセッション2最速だった彼は、得意のオーバルでイキイキ走ってますね。今年のマシンのパフォーマンスに元気づけられているのでしょう。
Photo:INDYCAR (Chris Owens)
  3番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)。タイムは19秒3986でした。カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)は5番手と、アンドレッティ・オートスポートは3人全員がトップ5という好いセッションとできていました。

 このセッション、タイム・モニターの上から4番目に佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)の名が。最後のセッションでついに上位陣に割って入って来ました。
 6番手はルカ・フィリッピ(デイル・コイン・レーシング)。7番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)で、8番手はコナー・デイリー(デイル・コイン・レーシング)。9、10番手はエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)とファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)でした。テストの最後のセッションでは、トップこそシボレー・ユーザーが占めましたが、ホンダ・チームが2、3、4、5、6、8位に入っていたのです。幾分涼しくなったセッション中=好タイムの出し易いコンディションに、シボレーの上位陣が予選シミュレーションを行わなった点も影響したのは事実ですが……。
 シボレー勢では、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のエンジンが、彼の待ちに待っていた最終セッションの序盤にしてブローしました。周回数を抑えてタイヤを温存し、レースに備えたトラフィック・テストを計画していたパワーと彼のチームでしたが、肝心の最終セッションを走り始めてから16周を走ったところでマシンから白煙が……。彼らはエンジンを換装してコースに復帰することもトライしましたが、実現なりませんでした。


佐藤琢磨、トラフィック中にパジェノーもらい事故でウォールにヒット


傷を負った琢磨車のホイール・ガードPhoto:Masahiko Amano
 琢磨選手に話を戻しましょう。テスト2日間での彼は、1セッションずつ着々とマシンのレベルを上げて行った印象を受けました。彼の自己ベストは4セッションの総合だと13番手。コンディションの差があるのは事実ですが、今の実力レヴェルは全エントラント中の真ん中より少し後ろ、といったところなのでしょうか。
 ともあれ、最終セッションでのベスト・ラップは19秒4998。これをセッションの序盤にマークすると、その後はトラフィック・テストに取り組んでいました。
 ところが、彼の前を走っていたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)のタイヤが空気漏れを起こし、コントロールを失って琢磨選手の進路を塞ぎました。アクシデントを避けようとした14号車もバランスを崩し、ターン2の壁に右リヤをヒットさせてしまいました。
 ホイール・ガードには壁を擦った痕跡があり、ホイールのアライメントが狂ってしまっている可能性が心配されたため、チームはマシンをガレージへと運んでチェック。幸いにも問題ナシと判断され、ピットに戻って走行を再開させました。
 そこからの琢磨陣営は、コースを走るマシンの数も減っていたため、トラフィック・テストをどんどん重ねて行くことこそ叶いませんでしたが、フル・タンクのデータ収集も行なうことができていました。


「まだまだやることはたくさんありますね」と語る琢磨

 琢磨選手のアクシデントがあってから25分ほど後、今度は彼のチームメイトのジャック・ホウクスワースがターン2の壁にヒット! 「いきなりマシンがオーバーステアになった!」という彼の場合は完全なるアクシデントとなってしまい、バック・ストレッチの真ん中あたりでマシンはストップ。彼のテストはそこで終了となりました。
Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
 マシンを降りた琢磨選手は、「まだだやることはたくさんありますね」と話していました。
「ロング・ランでは体力面もハードだった。ステアリングが重くて、ラインをホールドできなくなるぐらい」とも。「それでも、このテストではとても多くを学んだし、新しいチームの体制も間違いなく良い方向に働いています。ライバルとの差は、現時点では明確にありますね。特に、ガナッシ勢が速い。レース用セッティングでメチャクチャ彼らは速かった。最後、ディクソンにパスされてから、全然追いついて行けませんでしたからね」とも琢磨選手はコメントしていました。ホンダの新エアロ・キット、そして今年仕様のエンジンもパフォーマンスは良いようなのですが……。

琢磨が「速い」と語るディクソン Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 オーバーテイクの難しいコースであるために予選も大事。しかし、最も重要な決勝では、空力設定をどのようなものにするか、その判断が難しいようです。集団でも安定したハンドリングを得ようとダウンフォースをつけて行けば、前に出た時に大きくスピードが落ちてしまう。ダウンフォースのさじ加減がフェニックスでのレースでは勝敗を分ける大きなファクターとなるでしょう。
以上

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