2016年4月26日火曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R4 ホンダ・インディー・グランプリ・オヴ・アラバマ Race Day 決勝:「シビアなレースでした。最初にチルトンにひっかかったのが痛かった。自分より後ろからスタートしたハンター-レイとアンドレッティが自分より前でのゴールだった点は、やっぱり悔しい」

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
「2コーナーて片輪ダートにでちゃって最後尾に。もったいなかったですね」

Jack Amano(以下――):新品のレッドでレースに臨みましたが、スタートではドタバタがありましたね?

佐藤琢磨:ムニョスがフライングしてアレシンに追突してね、アレシンが目の前で横を向いたもんだから、危なかった。避けることができて、順位を上げることもできたんだけど、それをうまく使えなかったですね。次のスタートでもものすごく前につっかかっちゃって、1コーナーに入る時にもう順位を落として、2コーナーでは外側に行くしかなかった。もう内側はグチャグチャだったのでね。で、いつもだったら外から行けるんですけど、リヤが滑っちゃってね、それを修正したら、ほんのちょっとの差だったんだけど外側のちょっと汚れているところにタイヤが乗っかっちゃって、もうアクセルをフル・リフトしてコントロールしようとしたんだけどマシンが戻らなくて、片輪ダートを走っちゃって、それでみんなに抜かれちゃいました。最後尾になっちゃった。せっかくポジションを幾つか上げられていたのに、もったいなかった。まぁ、ミスだからしょうがないですね。
「ファースト・スティントでディクソンに抜かれなかったのはよかった」

――同じ周にディクソンがスピンしていました。

佐藤琢磨:僕が自分のラインで抜けて行こうとしたら、ディクソンがちょうどスピン・ターンを始めちゃってて危なかった。いつかのチャーリー・キンボールのソノマみたいに、あぁいう事故になりそうだった。あの後はディクソンを抑えながらのファースト・スティントになりました。彼に抜かせずに走り続けられた点は良かったと思いますが、チルトンの列車にみんなが追いついちゃって、ものすごくペースが遅かったので、早くピットに入りたかった。クリーン・ラップで全員を抜きたいってピットに言ったんですよ。でも、まだフューエル・ウィンドウが来てなかったから、ギリギリまで待ちました。その結果、3台ぐらいが同じ作戦でピットに入りましたね。そこからプッシュして幾つかポジションを上げられたのは良かったと思います。その後はもう燃費の目標となる数字を達成して走りながら、できるだけ前に追いついて行くって走りを続けました。我慢のレースになりましたね。最終的な順位は13位。もちろん納得は行かないけど、仕方がないですね。

「今日のレッドとブラックは、まるでウサギとカメ」

――新品のレッドを2スティント目でも投入しましたが、人のペースで走るシーンが多く、威力を発揮しにくくなっていましたね?

佐藤琢磨:そうでしたね。でも、なんだか今日のレッドとブラックは結局同じようなラップ・タイムになっちゃってました。レッドには間違いなく瞬発力があるので、最初の5周は速いんですよ。でも、その後やっぱりグレイニングというか性能劣化が始まって、ミドル・スティントからはペースが落ちていたと思います。最終スティントでディクソンは僕を抜いて行ったんですが、あの時の彼が新品のレッドを履いていて、彼はすぐに見えなくなっちゃうほどだったけど、最後には追いついちゃってた。そこら辺のタイヤ・マネジメントが必要でした。ブラックはずーっとコンシスタントに行けてたから、まるでウサギとカメみたいな感じになってました。

――ブラックとレッドが、去年までと少し違った、あるいは予想と異なるパフォーマンスだったということですか?

佐藤琢磨:ブラックは、今までだとちょっとグリップがなさ過ぎて滑っちゃって、ラップタイムがドロップしてました。レッドはミドル・スティント以降でラバーが乗るとすごく速いタイヤになるっていうのがこれまでだったんですよ。今日はふたつのタイヤの差が小さくて、スティントを通じて両方のタイヤが同じようなラップ・タイムになっていた。だから残念ながら、タイヤの性能の差を活かした戦略を活かすことがなかなかできなかったと思います。
ピット作業は“ハーフ・ペンスキー”の意地

――ピット・ストップはすごかったですね。ディクソンをとうとう前に出さなかった。

佐藤琢磨:意地でしたね。ウチはハーフ・ペンスキーだから(笑)。リヤ・タイヤ・チェンジャーはふたりとも元ペンスキーなんですよ。

――ピット・ストップで順位を下げればモーティベーションも下がる。

佐藤琢磨:はい、それはもう最低ですよね。

――それが今日はそれがなくて、しかも相手はガナッシの9号車だったら、ドライバーは燃えますよね?

佐藤琢磨:燃えます! 燃えますよ!! 僕もピットに入ってくる時に気合いを入れてました。僕らのすぐ後ろのニューガーデンが作業を受けてることがなかったから、まっすぐに入ってくることもできてました。そういう点も良かったと思います。

――最後はマルコ・アンドレッティとライアン・ハンター-レイを追いかけました。

佐藤琢磨:マルコをやっつけたかったけど、追いつけば向こうがプッシュして……という感じでした。プッシュするだけの余裕が相手にはあったんだろうね。特に最後のスティントは、ウチらは難しかったです。レッド・タイヤ(ユーズドのみ残っていた)で行く手もありましたね。マルコはレッド、僕はブラックだったから、ある意味でおもしろい戦いにはなってましたけど。最後のスティントはね、気温も下がってくるでしょう? 路面にはラバーも乗っていて、レッドがタレないんですよ。だからあっちが速かった。

――ユーズドでもレッドって作戦もアリだったんですね?

佐藤琢磨:もちろん。最後はレッドにすべきだったと思ってます。まぁ、しょうがない。

――それにしても、2戦連続でイエローなしとは!

佐藤琢磨:体力消耗するし、戦いのレべルはとても高いし、大変です。やっぱり、もうちょっと予選順位を何とかしないといけないですね。トラック・ポジションがすべてみたいなレースで、最初にチルトンにひっかかっちゃったのが痛かった。今日はディクソンをもってしても10番手までしか上がれなかった。自分より後ろからスタートしたハンター-レイとアンドレッティが自分より前でのゴールだった点は、やっぱり悔しい。シビアなレースでした。

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