2016年4月24日日曜日

2016 INDYCAR レポート R4 ホンダ・インディー・グランプリ・オヴ・アラバマ Day2 予選:ポール・ポジションはシモン・パジェノー

パジェノー、ファスト6でパワーを引き離す堂々のポール・ポジション獲得 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
午前のプラクティスよりも路面温度は7℃!上昇

 土曜日午後のバーバー・モータースポーツ・パークは、気温が予報を5℃も上回る27℃まで上昇。路面温度も49℃まで上がった今週最も暑いコンディションでシリーズ第4戦の予選はスタートした。今朝のプラクティス3より7℃、昨日のプラクティス2より10℃も温度の高くなっていた路面で、三段階の予選は始まったのだ。
Q1グループ2でモントーヤ最下位の大波瀾!! そしてフォイト勢も……

 Q1のグループ1では今朝のプラクティス3で4番手だったカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)が敗退。彼の先輩チームメイトのマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)はロング・ビーチから2戦連続のQ1グループ内最下位で予選19位となった。
 Q1のグループ2では大波瀾が発生。金曜日にトップだった佐藤琢磨と2番時計を記録していたジャック・ホウクスワース(ともにAJ・フォイト・エンタープライゼス)が揃って敗退し、ホウクスワース=予選14位、琢磨=予選16位という厳しいグリッドに決定。しかし、ある意味でもっと衝撃が御大きかったのが、チーム・ペンスキーのファン・パブロ・モントーヤがグループ2で最下位(!)に沈み、明日のレースを最後尾21番グリッドからスタートすることになったことだった。

結局、ファスト6進出はシボレー5、ホンダ1に
 Q2ではエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)が7番手でギリギリ・アウト。ファイアストン・ファスト6はセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、ジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)となった。 2013年のQ1でディクソンが記録したコース・レコード=1分6秒7750は、今日のQ1グループ2でパワー、パジェノー、ニューガーデンの3人が破り、Q2で最速となったブルデイ=1分6秒6001が新レコードとなった。
 Q2の2番手以下はディクソン、パワー、レイホール、パジェノー、ニューガーデンの順だった。これにトップだったブルデイを加えた6人がポール・ポジション争いを行うファイアストン・ファスト6ということ。
 金曜には優位にあると映っていたホンダ勢だったが、予選日になってまるっきり形勢が逆転、予選ファイナルにはシボレー5人が駒を進め、ホンダは1人だけとなった。


パジェノー、ファスト6でパワーに大差のPP獲得

 注目のファイナルでは、Q1とQ2のそれぞれで使ったレッド・タイヤ、2セット両方で1回ずつアタックする作戦に6人中5人が打って出た。バーバー・モータースポーツ・パーク、そして今日のコンディションはタイヤに厳しく、アタックを連続で行っても2ラップ目以降に速いタイムを刻むのが難しくなっていたからだ。そして、1分6秒7262をマークしたパジェノーがポール・シッターとなった。2位2回、優勝1回でポイント・リーダーの彼は、第4戦では今季初、キャリア3回目のポール・ポジション獲得を達成した。ペンスキーでの2シーズン目を戦っているパジェノーは開幕戦から絶好調で、今日の予選ではパーフェクトな戦いぶりを見せていた。Q1、Q2ともトップ通過ではなかったが、肝心のファイナルで2位となったチームメイトのパワーに0.2159秒もの差をつけてみせたのだ。昨年度バーバー・ウィナーのニューガーデンが予選3位。ガナッシ勢で唯一ファイナルに残ったディクソンは予選4位を得たものの、パジェノーには0.4823秒も離されていた。

「最後のアタックは最高のラップだった」とパジェノーは感激

 パジェノーのインディーカー・シリーズへのデビュー(チャンプカーではなく)は、2011年のバーバーだった。怪我で出場できなくなったアナ・ベアトリスの代役としてドレイヤー&レインボールド・レーシングのダラーラ・ホンダに搭乗。23番手スタートから8位フィニッシュを飾ってみせたのだった。あれから5年、パジェノーはシリーズのトップ・チームのドライバーとなり、ポイント・リーダーとしてバーバーへと戻ってきた。そして、ポール・ポジションを獲得。「素晴らしい予選だった。マシンが信じられない速さだった。レッド・タイヤでの速さが強烈で、走っていて本当に楽しかったよ」と彼は語った。「各セグメントで、タイヤをできる限り労り、走行ラップ数を最小限に抑えようと頑張った。セッティングが良かったので、それで次セグメントへの進出が可能だった。そして、ファイナルでの最後のアタック、僕はそれまで以上に攻めた。これまでで最高のドライビングとなっていた。最高のラップだったよ」とパジェノーは感激に浸りながら話した。
 2位のパワーは、「フロント・ロウからスタートできるんだから、2位でもハッピーだ」とコメント。「明日のレースでは表彰台フィニッシュ、さらには優勝を目指し、シリーズ終盤にチャンピオン争いができるよう、ポイント・リーダーたちとの差をできる限り縮めたい」と続けた。

シボレーは開幕以来4戦連続予選トップ5以上独占
ホンダ勢のトップはレイホール


 ホンダ勢からQ3に唯一進んだレイホールだったが、結果は6位。これでシボレーは開幕から4戦続けて予選トップ5以上を独占(フェニックスではトップ10、ロング・ビーチではトップ6をスウィープ)したことになる。
 レイホールは、「上位にグリッドを得たことは、明日の仕事をかなり楽にしてくれる。あとは、明日のレース展開がどうなるかだ。自分たちのレース用セッティングのレヴェルは高いと思う。リヤ・タイヤの摩耗が激しい……と感じているチームが多いようだが、自分たちはその問題には直面していない。明日のレースでは、これまでと同じく集中し、全力を投入するだけ。予選でのスピードはまだまだ課題のままだ。今日のファイナル進出を決めた1分6秒8というラップ・タイムは、おそらく自分たちが達成可能なベストのものだった」と語った。
 ホンダ勢のトップは4戦で4人目のドライバーとなった。開幕戦セント・ピーターズバーグがライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、第2戦フェニックスがマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)、第3戦ロング・ビーチがジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)だった。
以上


0 件のコメント:

コメントを投稿