2017年9月17日日曜日

2017 INDYCARレポート 第17戦 ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ Day2 予選:ジョセフ・ニューガーデン、今シーズン初のPP獲得

ニューガーデン、ライバルを寄せ付けずポール・ポジション獲得 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ペンスキー、Q2でトップ4を独占! ファスト6もそのまま上位4位独占
 
 最終戦ソノマの予選は午後3時30分と遅めのスタート。快晴、気温が26℃、路面温度42℃でQ1・グループ1のセッションは始まった。
 グループ1、グループ2ともにプラクティス・タイムの上位6人ずつが順当にQ2へと進出し、Q2でのバトルは非常に見応えあるものになった。ファイナルへの進出を決めた6人は、シモン・パジェノー、ジョセフ・ニューガーデン、エリオ・カストロネヴェス、ウィル・パワーのペンスキー・カルテットと、佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)、そしてスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)だった。
 ペンスキー勢x4人=シボレー軍団はエアロ・パッケージで優位にあり、Q2でトップ4ポジションを独占。Q3も彼ら4人によるポール・ポジション争いになるものと見られ、実際にその通りになった。

ニューガーデン、ユーズド・レッドを駆使して
フレッシュ・レッドのパジェノーとパワーを圧倒


 Q1をパジェノーとパワーはブラック・タイヤのみ使用でクリアしており、Q3に新品のレッドを1セット残していた。これは大きなアドバンテージだ。しかし、ニューガーデンが不利を跳ね除けてポール・ポジションを獲得した。2セットのユーズド・レッドをフル活用、アタックを2回に分け、2セット目でのアタック1周目に1分15秒5205を叩き出し、パワーからトップを奪った。この時、パワーとパジェノーは新品のレッド装着でのフライング・ラップを敢行中だった。
 パワー渾身のアタックは1分15秒5556で惜しくも届かず、2位。残るはパジェノーのみ。タイヤ・ラバーが乗り、路面温度もやや下がり気味となって、路面コンディションが一番良いはずのタイミング、つまりは最も緻密な戦いぶりを実現させたパジェノーのラップ・タイムに注目が集まった。そして…………それは1分15秒6356。ニューガーデンに0.1151秒と明確な差をつけられたの3位。パワーにも敗れたためにパジェノーのスターティング・グリッドは2列目に決まった。
 名門ペンスキー入り1年目、26歳と年齢も一番若いニューガーデンは、ポイント・リーダーとして臨んでいる最終戦の予選で、のしかかる大きなプレッシャーをものともせずに見事PPを獲得した。新コース・レコード樹立での堂々たるPPだ。

「正直、今日はPPを期待していなかった」と語るニューガーデン
「明日、今日より大事な課題をこなさなければならない」


予選で勝負強さを見せつけたニューガーデン Photo:INDYCAR (Richard Dowdy) クリックして拡大
  「僕はQ1をグループ1で戦ったので、レッドを投入しないという戦いぶりはちょっとリスクが大きかった。だからレッドを使った。不利になるのはわかっていたが、僕らのマシンは本当に良いバランスに仕上がっていた。正直言って、今日はPP獲得を期待していなかった。でも、獲ることができたんだから嬉しい。今年は何度かPPのチャンスがあったけれど、実現できずに来た。できることなら今年中に1回は獲りたいと考えていたので、今日こうしてPP獲得がなって嬉しい。ファイナル・ステージでのアタックは、1回目は少し路面が滑り易く感じたが、2セット目でのアタックはとても良いグリップが得られた」とニューガーデンは話し、「予選はこれで終了。一段階目が終了。明日、今日より大事な課題をこなさないとならない。インディカー・レースでは何が起こるかわからないので、僕らとしてはゴールまで走る切ることを第一の目標とする」と続けた。ボーナス1点を獲得したニューガーデンは、ポイント・リードを4点に広げて明日の最終戦決勝に臨む。

パワーとパジェノー、タイトルへの意気込みは揺るがず
 

Photo:INDYCAR  (Shawn Gritzmacher)  クリックして拡大
 予選2位となったパワーは、「予選での僕らは高い力を発揮して来ている。明日のプラクティス・ファイナルでも全力を発揮し、マシンを考えられる最高の状態に仕上げたい。明日のレースで勝つために、できることは何でもやってトップ・グループに残り続ける。そして、あらゆることが自分たちにとって理想的な状況となった時、僕らにもチャンピオンシップ獲得のチャンスが生まれる」とコメントした。 
Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
  予選前のプラクティスで最速ラップをマーク。2年連続ポールを獲得してタイトル防衛に勢いをつけたかったパジェノーは、予選3位となって悔しそうだった。「本当にすごい接戦で、惜しいところでポールを逃し、3位になった。自分としてはかなり良いタイムを出せたと感じていたが、ジョセフとウィルが少しだが速かった。しかし、僕らのマシンはとても良い。3番グリッドはまったく悪くないスタート・ポジションだ。タイトルを争う二人はすぐ目の前。もう一人が真横。前を走る2人にはプレッシャーをかけることもできるだろう。今晩エンジニアとデータを検討し、明日のプラクティス・ファイナルでもマシンをレベル・アップさせるべく全力を尽くす。そして、レースでは作戦も駆使して戦う。明日を僕ら1号車のチームにとって最高の1日にするために」とパジェノーは意気込みを語った。
 ニューガーデンの初タイトルはなるか? 今日のPPは彼にとってシーズン初。キャリアで見てもたったの2回目…………。これで明日、チャンピオンシップ獲得を果たしたら、かなり効率の良い王者誕生となる。

佐藤琢磨、ホンダ勢最速の予選5位
ロードコース3戦連続のファスト6進出

 

ファスト6最下位に終わったディクソン。ニューガーデンとのタイム差を明日どのように埋めていくのか、ベテランのレース展開に注目だ Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
  ペンスキー勢が予選は席巻したが、ポイント・スタンディング2番手のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)にも逆転タイトルの可能性は十分過ぎるほどにある。今日の彼はファイナルに進出はしたものの、その中では最下位の6位に終わった。明日のレースでの彼は、ニューガーデンの前に出るためにどんな戦いぶりを見せるか。
 ディクソンを上回る予選5位でホンダ勢最速となったのは佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)だった。ソノマでのこれまでのベスト・グリッドは2013年の13番手だった。今年、ついにファイナル進出を果たし、ペンスキー4人のすぐ後ろの5番手につけたことを琢磨はおおいに喜んでいた。これで3段階のロードコース予選は3戦連続でのファイナル進出。そして、オーバルも含めれれば、予選でのトップ6入りは5戦連続となった。シーズン終盤戦、琢磨は改めて”速さ”を印象付ける戦いぶりを見せている。

以上

1 件のコメント:

  1. ディクソンのチャンピオン獲得の前に琢磨さんが立ちふさがってしまいましたね。
    ディクソンを引き離すくらい琢磨さんが速ければ問題ないですが、ディクソンとドッグファイトになるとチャンピオン争いかかってると琢磨さんやりにくいですね。
    テキサスで結果的にぶつけたカッコでクラッシュさせてますし。当たりたくないですね。
    ディクソンを引き離せば良いだけ!

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