2020年10月3日土曜日

2020 INDYCAR R12 インディーカー・ハーベストGP Race1 決勝:ジョセフ・ニューガーデン、Race1を制す

 

Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

低い気温の中のレースで、ニューガーデンが最後は圧勝

 天候は晴れ。気温は15〜16℃。今シーズン初めてインディアナポリス・モーター・スピードウェイがお客さんを入れて行うイヴェントだというのに、コンディションは非常に観戦する人たちには厳しいものとなっていた。しかし、寒さを忘れるほどエキサイティングなバトルが繰り広げられた。

 勝ったのはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。ポイント・スタンディング2番手につける彼が残り3レースでスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)を逆転し、2年連続、3回目のタイトルを獲得するためには、今日のレースで勝つのが理想だった。それを彼は実現してみせた。

 

5位争いにまで加わっていったディクソンだったが、レース中盤マシンセッティングが合わなくなり後退する Photo:INDYCAR (Dana Garrett) クリックして拡大

ディクソン、4戦連続でニューガーデンの後塵を拝す
ポイントマージンは40ポイントに急減!


 7月のGMRグラン・プリで優勝しているので、ディクソンは今回も有利と思われていた。しかし、そうではなかった。寒いコンディションにマシン・セッティングをフィットさせ切ることができなかったようだ。「ブラックでのペースが悪かった。原因は不明。それを明日のレースまでに突き止めないと」と語ったディクソンの結果は9位。12番手スタートから3つポジションを上げたのはさすがだったが、ゲイトウェイでのレース2から4戦連続でニューガーデンより後方でのフィニッシュ(しかも、相手はこの間に2勝)と、流れを完全に持って行かれている。差は40点になった。


Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリックして拡大

 ニューガーデンはレッド・タイヤでスタートし、ブラック、レッド、ブラックと交互に使ってゴール。「チャンピオン争いでは、まだ越えるべき山がある。それを今日、少し低くすることができた。シーズン最後の3レースすべてを完璧に戦う必要があった我々は、今日そのひとつを完璧に戦い終えた。残すはふたつだけだ」と語った。

レース中盤を支配したハータ
第3スティント後半からペースを乱し4位に


 予選3位だったコルトン・ハータ(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・オートスポート)は、ブラックでスタートしながらトップに躍り出、中盤の2スティントでレッドを採用。勝利を手中に収めたかに見えていたが、3番目のスティント後半でスピードダウン。ブレーキングで白煙を上げたり、マシンをふらつかせるシーンが見られるようになり、ニューガーデンが急激に差を詰めた。そして、ハータはブレーキングをミスしてトップの座を明け渡した。

ポールのヴィーケイをパスしていくハータ。しかしレース中盤になるとリヤタイヤの摩耗などでバランスを崩し、ニューガーデンに首位を明け渡す Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

 最後のピット・ストップでハータはブラックへ。対するニューガーデンは、その前にスティントでブラック装着ながらハータを追い詰め、最後のレッドで彼を突き放した。
 ハータはさらに2人にパスを許すことになった。アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)はニューガーデンと逆のブラック、レッド、ブラック、レッドという順番でタイヤを装着。ミッドオハイオのレース2からの2戦連続2位フィニッシュを果たした。

PPスタートのヴィーケイ、後半のレッド連続投入で3位に

 もう一人はリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)。初ポールポジションから序盤にトップ争いを展開したビーケイは、ブラックタイヤで苦戦したが、後半にレッドを連続投入。そのかいあってライヴァル勢を次々と抜いて初めて表彰台に上った。アレックス・パロウ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・チーム・ゴー)、オリヴァー・アスキュー(アロウ・マクラーレンSP)に続き、今シーズン3人目の表彰台に上るルーキーに彼はなった。

佐藤琢磨、2ストップ作戦に挑むもチャンスにつながらず
 

Photo:INDYCAR (Carl Zemlin) クリックして拡大

佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、24番手からのスタートで、18位でのゴールとなった。グリッド最後尾ひとつ前からのスタートだったことから、彼らは2ストップ作戦にチャレンジ。しかし、ダルトン・ケレット(AJ・フォイト・エンタープライゼス)までもを先行させての燃費セイヴはチャンスに繋がらなかった。イエローが一切出ないレースとなったからだ。チームは3ストップへと作戦変更をするしかなく、序盤の抑えたペースは琢磨陣営にとって大きな足かせとなってしまった。6ポジション上げてのゴールは、今回に関して言えば、決して悪くない結果だ。

「レース2に向かってはいいデータを収集できた
予選ではグレアムとそろってトップ10を目指したい」


 「7〜8周足りない計算でしたが、燃費セイヴに挑戦しました。序盤にイエローが出てくれたら、ピットでトップ・オフしてレースに戻り、3回ストップでも2ストップみたいな戦い方ができたんですが……。今日はイエローが結局一度も出なかったから、途中で3ストップに作戦変更しました。マシンはダウンフォースを大きく削ったセッティングにしていて、そういう点も使って順位を上げて行くつもりだったんですが、ダウンフォースが少なくて厳しい走りになっていました。それでも、明日のレース2に向けてはいいデータを収集できました。何台かのオーバーテイクもできたし、明日はみんなレベルアップして来るだろうけど、自分たちもマシンを速くすることができると思います。予選ではグレアム・レイホールと揃ってトップ10に入りたい。そこからレースも上位で戦いたいですね」と琢磨は話した。



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