2021年5月24日月曜日

2021 INDYCARレポート 第105回インディアナポリス500 プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジ Day6 予選2:インディー500のPPはディクソン

 快晴、気温30℃で迎えたファスト9
アタックは小刻みな気温・路面温度変化が影響か


 今日もインディアナポリスの空は朝から晴れていた。こんなに毎日、雨の心配が要らないインディは珍しい気がする。
 今日もスピードウェイは蒸し暑かった。最高気温は30℃に届いた。
 昨日の予選で最速だった9人によるポールポジション獲得合戦=ファスト9シュートアウトは午後3時に始まった。天気が良い日の場合、日差しでどんどんと路面温度を上がって行く時間帯だ。しかし、今日は雲が多め(厚め?)で、昨日の夕方のようにどんどん上がって行くだけ……という展開にはならなかった。小刻みにアップ&ダウンをしていた。それが9人の予選パフォーマンスに少なからぬ影響を与えていたように見えていた。



ヴィーケイ、最も低い路面温度時のアタックでトップタイム!
さらに気温が下降に転じた時点で走行したハータが首位に!


 気温は最初から最後まで30℃で変わらなかった。しかし、路面温度は刻々と変化し続けた。最初のアタッカー=マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が走り出した時の路面は49.9℃もあったが、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)の走行時には、48.5℃で始まったものが47.6℃まで下がった。
 その後暫くの間、路面温度は下降を続けた。エリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)が走っている間に46.8℃まで下り、リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)のタイミングでは、この日一番低い46.5℃が記録された。彼は231.511mphでトップに躍り出た。
 雲の厚い、薄いも影響するのだろう、次のエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、その次のトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)走行時には路面温度が上昇傾向に転じ、それがコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)の走行時にまた下がり、彼がトップを奪った。21歳のポール・シッター誕生か? と思われた。


ラスト・アタッカー、ディクソンがポール獲得!

 そして、最後のアタッカーであるスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が登場した。彼がホイールをスピンさせてコース・インすると、同じタイミングで太陽が顔を出した。ちょっとした時間差の後に路面温度は上昇を始めた。ディクソンは不運によってPPを取り逃がすのか? という印象だったが、路面温度のアップは46.6℃まででストップ。そして、温度が上がり切る前にディクソンのアタックは終了。231.685mphを出した彼が今年のポール・ウィナーとなった。

1ラップ目に驚異的な232mph台をマーク!
今大会好調のディクソン、2位ハータを僅差で下す


 ディクソンは火曜日のプラクティス開始からスピードを見せつけて来ていた。このPPは順当な結果と言える。アタック1周目の232.757mphが強烈なインパクトだった。ヴィーケイやカーペンターの1ラップ目よりコンマ5mphほど、暫定トップにいたハータの1ラップ目よりコンマ4mph速かった。その貯金が最後に物を言った。1、2周目がやや速過ぎたためなのか、ディクソンの4周目は230mph台まで落ち込んだが、ハータの1ラップ目が232mph台で、その後に231mph台のラップを3周連ねたことで出された数字を打ち負かした。

 ハータの231.655mphよりディクソンは0.030mph速かった。4周=10マイルにかかった時間は2分35秒3837で、ハータとの時間差は0.0197秒だけだった。僅差ではあったが、ディクソンはインディ500での4回目のPPを獲得した。彼は2008年のようにポールトゥウィンが飾れるだろうか?
 予選2~5位はハータ、ヴィーケイ=230.511mph、カーペンター=230.504mph、カナーン=231.032mph。
 予選6~9位はパロウ=230.616mph、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)=230.499mph、カストロネベス(メイヤー・シャンク・レーシング)=230.355mph、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=230.318mphだった。


インディー500、4回目のPPに喜ぶディクソン
「PPはチームのおかげ。競争激化の中で結果を出すのは本当に難しい」


 ディクソンはスタート・フィニッシュ・ライン上にマシンを止めて何度もガッツポーズ。珍しく喜びを爆発させていた。
 「競争が激化しているインディーカーの世界で、今回のインディ500でのポールポジション獲得のような結果を出すのは本当に大変なこと。それはチームがハードワークをこなしてくれるからこそ実現できる。長年戦って来て、好成績を残すことの難しさを更に感じるようになっている」とディクソンは語った。
 ヴェテランが強さを発揮した予選だったが、20、21歳の二人が“あわやポール・ポジションか”というパフォーマンス。この二人、適度か、ややそれ以上にビッグ・マウスなところもいい。去年、悔しい負け方をしたディクソンは、今年是非とも勝ち、6回のタイトルに見合うインディ500の勝利数としたいところだろうが、彼とは違うチームで走る若い二人、ハータとヴィーケイも世界最大のレースを本気で獲りに来る。そこに遠慮や忖度、ビビリが皆無なところが頼もしい。
以上

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