2021年5月29日土曜日

2021 INDYCARレポート 第105回インディアナポリス500 プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジ カーブ・デイ:最速はまたしてもスコット・ディクソン

Photo:INDYCAR(Chris Owens)クリックして拡大

朝方の雨の影響で午後にずれ込んでの走行に

 今日はカーブ・デイ。レースに向けてカーブレター=キャブレターの調整を行なう日なのでそう呼ばれるようになった。歴史的には水曜日だった時もあったそうだが、木曜日とするのが伝統的なスケジューリングで、2005年から金曜日になった。決勝前に走れる最後の日である点はずっと変わらない。
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  今日は朝方に雨が降った。天気予報的中。プラクティス開始は午前11時に予定されていたが、午後1時半からに2時間半ずれ込んだ。そしてラッキーにも、予定と同じ2時間の走行時間がほぼ確保された。午後3時を過ぎて小雨が降って来て、プラクティスは予定より6分ほど前にイエロー。そのままチェッカード・フラッグとなりはしたが。

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ディクソン、カーブデイも安定した速さ
228mph!でまたも最速ラップをマーク!

 このセッションでも最速ラップはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が記録した。しかも、エクストラ・ブーストで走ったウィル・パワーの予選タイムとあまり変わらない228.323mphというインパクトのある数字とともに。余裕綽々の彼は、走行時間を50分も残してマシンを停めた。
 予選前にプラクティスは6回あったが、このうちの2回でディクソンはトップ・タイムをマーク。予選アタックでは土曜日、日曜日ともにトップでキャリア4回目=歴代2位タイとなるポール・ポジションを獲得した(トップはリック・メアーズの6回)。
 ディクソンの速さは揺るぎない。ここまで連日強さ、速さを1人のドライヴァーが見せつけ続けたケースは記憶がない。今年の優勝候補はディクソンとガソリン・アレイの誰も考えている。もちろん、何が起こるかわからないのがレースで、結末を予測できないものであることもみんな理解している。


「いいプラクティスだった。決勝はもう少し暑くなって欲しい」

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 「気温の低いコンディションでみんなが高いグリップを得て、マシンが安定していた。マシンとマシンの間隔が短くでき、集団の中でも抜き返すことができる、とてもおもしろい状況になっていた。日曜のレースはそういう戦いになるかもしれない。自分たちとしては、予定していた距離を走ったので走行終了とした。燃料のミクスチャーを何パターンかチェックして、フルタンクでも走った。いいプラクティスだった。レースはもうちょっと暑いコンディションになって欲しい。そうしたらマシン間の距離がもう少し広がる」とディクソンはコメントした。

 

不振をかこっていたペンスキーが復調!
2人がトップ3!パワーが6番手、マクロクリン7番手に


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 てっぺんがディクソンだったことには驚かなかったが、その下に並んだ名前は少々……いや、結構意外だった。227.157mphという非常にコンペティティヴなスピードで2番手につけたのがシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)で、3番手は226.856mphのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)だったのだ。開幕前の合同テストでのトップはニューガーデンで、走行初日の午後のプラクティスで一番速かったのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だったが、その後の彼らはライヴァルたちに対してスピードが下がって行く一方という印象だった。それが決勝直前のセッションで2人がトップ3入り。パワーが6番手、ルーキーのスコット・マクロクリンが7番手と、スピード不足に喘いで来ていたのが嘘のように、チーム・ペンスキーの4人が揃ってトップ10入りを果たした。パジェノーは、「オーヴァーテイドは確かに大変だけれど、可能だ。今日のセッションでもポジションを上げて行くことができていた。今日はちょっと寒過ぎたけれど、私は多くを学ぶことができた。とても多くの貴重なデータも集まった。レースが楽しみだ」と話した。彼らにはピット作業の速さと確実性という武器もある。マクロクリンでも16台、ニューガーデンで20台、パジェノーは25台、パワーは31台をパスしないと優勝できない。

ペンスキー浮上の要因はコンディションの変化か

ペンスキー勢予選最上位のマクロクリン。カーブデイは66周走行して7番手タイム Photo:INDYCAR(Travis Hinkle)クリックして拡大

 今日のプラクティスは寒かった。気温は17℃で始まって、終了時には15℃に下がっていた。路面も31℃でスタートして、終了時は24℃だった。予選は暑さの中だったから、コンディションが180度ガラリと変わったということ。そういう変化への対応で名門チームが実力を発揮したということだろう。あとは、レース本番での彼らが後方グリッドからどこまでポジションを上げて来れるか。なにしろ最上位のマクロクリンでも17番手=6列目中央。ニューガーデンは予選21位=7列目外側、パジェノーは予選26位=9列目中央。極め付きはパワーの予選32位。2018年のウィナーが11列目(最後列)中央からのスタートだ。

列の先頭2台以外の順位変動は見られず……

 何度も書いて来ている通り、グループ走行主体のプラクティスで記録される各人のベスト・ラップは、当然ドラフティング利用でのもの。今日速かったらレースでもスイスイと前車をオーヴァーテイクして行ける……という保証はない。今日のプラクティスでは見られたコンペティティヴなオーヴァーテイクは、列の先頭2台によるポジション・チェンジが大半だった。列の3台目はその場にスタックし、その後方でも順位変動はあまり起きていなかったように見えていた。昨日、パワーは言い切っていた。「トップか2番手。それが勝つための条件」と。彼の予測が外れ、3番手以降でも多くのオーヴァーテイクが見られる決勝となることを期待したいのだが……。

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 4番手はコナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)。チームメイト2人が予選で2、3位。デイリーはスターティング・グリッドが19番手=7列目イン側と後方だが、どこまで上がって来るか。
 5番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・ホウパート・ウィズ・マルコ&カーブ・アガジェニアン)。昨年のポール・シッターなのに今年はデイリーよりさらに2列後ろの9列目イン側からスタート(パワーよりは2列前だが)。彼もデイリーやペンスキー勢と同じくポジション・アップに苦労をすることだろう。勝つために抜くべき台数の多さから、ゆっくり慎重に戦ってばかりはいられない。リスタートでは確実にポジションを稼ぎ、フルコース・コーションやピット・タイミングを利用して、それらすべてでひとつずつでも前に出て行かないとならない。しかも、なるべく早い段階でトップ・グループに加わりたいのだから、彼らの前にあるハードルは高い。


佐藤琢磨はこのセッション9番手に
「決勝の気温は今日よりもう少し高くなるはず
ベストなセッティングを見つけて日曜日に臨みたい」

 

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 8番手はトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は9番手だった。ディクソンの倍以上の94ラップをこなし、225.701mphのベストが記録していた。
 

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 「今日は寒過ぎましたね。風もあって、ギヤ比があってなくて抜けるものも抜けない……ということもありました。でも、今日のデータによって決勝ではその辺りが改善されるはずです。オーヴァーテイクは大変でした。先頭を走ると、半周で抜き返されることもありました。レースでもオーヴァーテイクは可能でしょうが簡単ではないと思います。決勝日の気温はもう少し高くなるはずです。それでも、いつもの”500”に比べると低くなる予報が出ています。それに合わせたマシンを作らないとなない。今日得られたデータから決勝に向けたセッティングを決めます。

Photo:INDYCAR(Doug Mathews)クリックして拡大
 今日の僕らレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは3台が色々なことを試しました。自分とカーナンバー45は似たセッティングになっていて、今日はほぼ同じ状態からそれぞれが良い方向に行くようトライすることにしました。良いデータが収集できたと思います。決勝に向けたマシンのセッティングをどうするか、その判断が本当に難しい。ベストの組み合わせを見つけて日曜日を迎えたいです」と琢磨は語った。
以上

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