2021年6月12日土曜日

2021 INDYCARレポート R7 シヴォレー・デトロイト・グランプリ Race1 Day1 プラクティス:最速はウィル・パワー

散々なレースが続いていたパワーだが、月が替わり、デトロイトのストリートコースで好発進! Photo:INDYCAR(Forrest Melott)クリックして拡大

高温多湿のベルアイル市街地コース
パワーが最終ラップにベストタイムをマーク

 デトロイトは今年もダブルへダー。ベル島に作られる全長2.35マイルのコースを使って行われるプラクティス、今年は金曜の夕方に1回のみ設けられただけで、土曜と日曜、両日に1セットずつの予選とレースがスケジュールされている。
 夕方の5時という遅いスタートだったプラクティスだったが、気温は29~30℃、路面温度47~48℃もあり、湿度が高く感じられた。非常にバンピーなことで有名なコースで、今年のレース・ウィークエンドで一番の蒸し暑さとなったが、エントリー25台の最速ラップをマークしたのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。最後の最後、自身の26周目にレッド・タイヤで1分17秒2768をマークした彼がセッション・トップとなった。


プラクティス2番手タイムはブルデイ。こちらもテキサス戦のダブルヘダーで2戦連続でクラッシュに巻き込まれている Photo:INDYCAR(Forrest Melott)クリックして拡大

2番手タイムはブルデイ
ツキのない5月を送ったベテラン二人が1-2


 パワーは 「インディー500は非常に残念なものに終わったので、デトロイトでは2レースとも予選で上位につけ、勝機を狙う」と語り、意気込みを新たにしている。
 2番手はセバスチャン・ブルデイ(AJ・フォイト・エンタープライゼス)。27周をこなした彼は、パワーと0.1523秒差の1分17秒4921を24周目に記録した。パワーは40歳で、ブルデイは42歳。暑さの中だったが、ヴェテランが奮闘してトップ2を占めた。
 若手ではパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)が3番手に食い込んだが、パワーには0.2秒以上の差をつけられていた。ランキング・トップのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は初めて走るデトロイトでの初セッションはベストが1分18秒7906で、15番手だった。


ルーキー勢はバンピーなコースに苦戦

ホンダ勢最上位はディクソン Photo:INDYCAR(Joe Skibinski) クリックして拡大

 ルーキーのスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)はセッション前半にターン5でクラッシュした。NASCARチャンピオンのルーキー、ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ・レーシング)はマクロクリンのアクシデントとほぼ同時にターン4でスピンし、エンジン・ストール。バンピーなデトロイトのコースには、これまでの3戦以上に手こずっている様子で、トップから5秒以上も遅いベストしか記録できずに25台中の最下位だった。デトロイトのコースを知り尽くしているヴェテランたちは、今回がエアロスクリーン装着後に初めて走るということも影響し、有利だったのかもしれない。
4番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。

シヴォレーエンジンがパワー的には優位か?

Photo:INDYCAR(Joe Skibinski) クリックして拡大

 5番手はアレクサンダー・ロッシ、6番手はコルトン・ハータとアンドレッティ・オートスポート勢が続き、7番手はマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、8番手はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、9番手はリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)、そして10番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)だった。
 シヴォレーが1-2-3。ドライヴァビリティの高さはホンダ・エンジンがトレードマークとして来ているが、今年のシヴォレー・エンジンは今までと比べ、より広い回転域でパワーが得られているということなのかもしれない。インディー500でもそうした声は聞かれていた。


佐藤琢磨、トラフィックに苦しむも12番手に

Photo:INDYCAR(Chris Owens)クリックして拡大

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は23ラップを走り、12番手だった。ブラック・タイヤで全員が走っていた間に1分18秒5983のベストでトップ5につけていた琢磨だったが、セッション終盤になってレッド・タイヤで走り出すと、トラフィックに引っかかって思うようにアタックを行なえず。まともにアタックできたのは最終1ラップだけで、ブラック・タイヤとほぼ同等のタイムを出すにとどまった。

「3台のデータを分析し予選でよい戦いをしたい」

Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)クリックして拡大

 「暑かった。このセッションだけで2キロは減量しましたよ。プラクティスは1回だけの75分間。赤旗もあったので、とても短くなっていました。マシンは走り出しから良く、ブラック・タイヤで上位につけることができていました。その後、2パターンのセッティングをトライしました。最初のものから硬くしたものと、柔らかくしたもの。しかし、どちらもあまり良くなかったですね。レッドタイヤでの走行はトラフィックに引っかかってしまい、最後にベストを記録しましたが、みんなブラックのベストより0.7~1秒ぐらい速くなっていたようですね。レッドでもちゃんと走れていたとしてもトップから0.5秒ぐらいの差。今回もサンティーノ・フェルッチが出場していて、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングには3台のデータがあるので、それらを分析し、明日の予選で良い戦いができるマシンにしたいと考えています」と琢磨は語った。ブラックでのベストより0.7~1秒速く走れていたら、ポジションは4~7番手。琢磨はデトロイトのコース・レコード・ホルダー。マシンは悪くない。明日の予選での走りが楽しみだ。


0 件のコメント:

コメントを投稿