2022年2月26日土曜日

2022 INDYCARレポートR1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Day1 プラクティス1:移籍は成功? ロマイン・グロジャンが初セッションで最速ラップ

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 好天の中始まった今シーズン最初ンセッション
グロジャンが移籍早々トップタイム!

 インディーカー2年目のロマイン・グロジャンが今年最初のセッションで最速ラップをマークした。デイル・コイン・レーシング・ウィズRWRからアンドレッティ・オートスポートへと移籍した35歳のフランス人ドライヴァーが新チームでの最初のセッションでいきなり好パフォーマンスを見せた。
 朝からずっと晴天で、プラクティス時の気温は28℃まで上がっていた。路面は1日を通してドライ・コンディション。セッション序盤は1セット多いタイヤを供給されるルーキーたちが周回を重ね、15分ほど経過してからヴェテラン勢が走行を開始した。トップ・タイムを争ったのはグロジャンと彼のチームメイトのコルトン・ハータだった。グロジャンのベストが1分01秒0525で、昨年のセイント・ピーターズバーグ・ウィナー=ハータのベストは1分01秒1567。その差は0秒1042だった。

グロジャンとハータがこのセッション1-2を獲っただけでなく、ルーキーのデフランチェスコも13番手につけ、アンドレッティ・オートスポートのイニシャルセッティングの完成度が高いことが明らかに Photo:Penske entertainment クリックして拡大

ハータが2番手でアンドレッティ勢1-2!
ロッシ6位、ルーキーのデフランチェスコも13番手


 45分間のセッションでグロジャンは14周を走り、そのうちの5周目にベストを記録した。ハータは19周の走行で、ベストは8周目だった。このセッションでヴェテラン勢は1セットのタイヤを投入したのみ。持ち込んだセッティングの良し悪しがほぼそのままラップ・タイムと順位に現れていたとみてよいだろう。トップ2を占めたアンドレッティ・オートスポートがアドヴァンテージを持っているということだ。アレクサンダー・ロッシは17周のうちの8周目に出した1分01秒4570で6番手につけ、ルーキーのデヴリン・デフランチェスコも1分01秒6632という好タイムをマークし、インディーカーでの初セッションを上々の13番手というポジションで終えた。

手応えをアピールするグロジャン
「アンドレッティのマシンは非常に良かった」

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 「アンドレッティ・オートスポートのストリート用マシンは速い。それはわかっていたが、今日セイント・ピーターズバーグで実際にマシンを乗ってみると、とてもスムーズに走らせることができた。マシンが非常に良かった。ここからあと少し自分好みに仕上げることができれば、タイムはまだ縮められそうだ。アンドレッティ・オートスポートはチームメイトたちが速いので、私もさらに速く走らなければとプレッシャーを受ける。みんなが力を合わせることで望む成果を手にすることができるはずだ」とグロジャンは語った。

3番手はパワー! しかしニューガーデンとマクロクリンは不発

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  3番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)=1分01秒2282。4番手はシモン・パジェノーの1分01秒3249だった。アンドレッティ勢に続いたのはチーム・ペンスキーの2人……ではない。パジェノーは今年からメイヤー・シャンク・レーシングなので。彼の新チームでのチャレンジもグロジャン同様にスムーズな滑り出しになった。チームメイトのエリオ・カストロネヴェスも1分01秒6086で11番手と悪くないスタートを切っている。対するペンスキー勢は、2年目のスコット・マクロクリンが8番手で、ジョセフ・ニューガーデンは2022年シーズン最初のセッションで14番手。3カー・チームで3番手というスタートになった。新エンジニア=エリック・ライクルとの仕事でスロー・スタートとなっているのか?
マクロクリンもエンジニアは去年までパジェノーと組んでいたベン・ブレッツマンに代わっているのだが……。

レイホール5番手、ハーヴィーも7番手に

 5番手はグレアム・レイホール。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、昨年のセイント・ピーターズバーグで予選2位だったジャック・ハーヴィーも7番手と上位につけた。ルーキーのクリスチャン・ルンドガールドは26台中の25番手だった。
 昨年1勝のリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)はトップと0.4997秒差の1分01秒5522のベストで9番手。


デイル・コインのルーキー、マルーカスが10番手に
佐藤琢磨はタイヤ1セット使用で18位


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 トップ10最後のポジションはデイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズHMD)だった。22周を走り、最後の22周目に1分01秒5889の自己ベストをマークした彼はインディーカー・デビューでルーキー最速となった。

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 マルーカスのチームメイト、佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)は1分01秒7617で18番手だった。タイヤは1セットのみ使用だったのに17周を走ったうちの13周目にベストを記録しているところから見ると、短いセッティングでもセッティングをよくすることができたようだ。

「順調なシーズン最初のセッションとできました
今の状態でコンマ3秒ほど速く走れると思います」


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 「45分間と短いセッションで、まずインストレーション・ラップをやって、その後に使える時間は実際には30分ぐらい。今日できたのは予定していたことの半分ぐらいでした。チームメイトがルーキーなので、仕事をシェアして……ということもできないし、今日はスローな1日となっていました。それでも、そこそこ順調なシーズン最初のセッションにできました。デイル・コイン・レーシング・ウィズRWRのマシンに関しては、セブリングでのテスト、シミュレーター、これまでチームが集めてきたデータなどから見て、今回はこんな風な仕上がりになっているんじゃないかな、というものを感じていましたが、それは予想通りでした。クルマの動きは、去年走らせたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのものに比べると安定思考。タイムを出すためには、もうちょっとアグレッシヴに向きを変えられるクルマにして行かなければいけないですね。そうであることはわかっていたので、そのためのセッティングを今日トライしました。今日の自分たちは最後のラップが自己ベストに近かったんです。ライヴァル・チームはここへ持ち込んだマシン自体の状態が良くて、タイヤが新しいうちにポーンッとタイムを出せていましたよね。自分たちは2回目、3回目のコース・インでベストを出していましたから、今の状態でコンマ3秒ぐらいは速く走れると思います。明日どれだけ変えて行くか。そして、どれだけ良くできるか」と琢磨はDCRでの初セッションを振り返った。

 

チップ・ガナッシ勢はエリクソンの15位が最上位

 今日のタイム・シートを見て意外だったのは、チャンピオン・チームのチップ・ガナッシ・レーシングが上位にいなかったこと。マーカス・エリクソンの15番手が最上位=トップとは0.672秒と差は決して小さくない。ディフェンディング・チャンピオンのアレックス・パロウは17番手で、7度目のタイトルを目指すスコット・ディクソンは19番手、ジミー・ジョンソンは24番手だった。去年のセイント・ピーターズバーグでの予選でひとりもファイナルに進めなかった彼らは、今年もこのストリート・コースでは苦戦するということか。4カー体制を敷く彼らは今日のデータを基に明日のプラクティス2に向けてセッティングを一気に向上させてくる可能性も十分ある。
 昨シーズンに急激なレヴェル・アップを果たしたアロウ・マクラーレンSPも2022年シーズンのスタートは大人しめなものになった。フェリックス・ローセンクビストがトップと0.642秒差の16番手で、昨年ランキング3位だったパト・オーワードはトップと0.7772秒差の20番手だった。
以上

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