2022年2月27日日曜日

2022 INDYCARレポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Day2 プラクティス2:プラクティス2最速はスコット・マクロクリン

マクロクリンがトップタイム! Photo:Penske entertainment クリックして拡大

ハーヴィーがクラッシュして赤旗、走行16分中断                                                                                   
 セイント・ピーターズでの2日目、朝9時に昨日の夕方よりずっと涼しい気温23°Cで始まったプラクティス2では、レッド・タイヤ装着でスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)がセッション・ベストのタイム=59秒7342をマークした。
 全員が十分にレッド・タイヤでのアタックを行えたわけではなかった。45分間しかないプラクティスで、レッド・タイヤのチェックもする必要があるというのに赤旗が16分以上も出されたためだ。最初にクラッシュしたのはジャック・ハーヴィー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。ターン9インサイドの壁にタッチしてバランスを崩し、コーナー出口の壁に激突した。去年ここでキャリア・ベストの予選2位という好結果を出している彼は、新チームでいいところを見せようと少々頑張り過ぎてしまったか?

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佐藤琢磨、ターン10でグロジャンに突っ込まれる

 その赤旗明け、多くのマシンが前車との間隔を取ろうとしてターン10で自然渋滞が発生。その最後尾にストップしていた佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)のリヤに、フライング・ラップに入ったロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート)が激しく突っ込んだ。琢磨のイン側にはコナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)も停車し、コースが完全にブロックされているのは明らかだったが、なぜかグロジャンの減速は遅れ、ブレーキングがまるで間に合わず、琢磨のマシンのリヤが宙へと浮き上がった。

マクロクリン、唯一の1分切りでトップタイム
2番手以下はハータ、パジェノーとAA系チームも好調

安定した速さをアピールするハータ Photo:Penske entertainment クリックして拡大

  グロジャンと琢磨のマシンがレッカーされてグリーン・フラッグが振られると、ディフェンディング・チャンピオンのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)がハーヴィーと同じターン9で、彼と似た状況でやはり単独クラッシュし、これでプラクティス2はほぼ終了。唯一1分を切るラップを刻んだマクロクリンがトップを維持した。2番手以下はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)=1分00秒0851、シモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)=1分00秒1853、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート))=1分00秒1075、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)=1分00秒1600と続いた。アンドレッティ勢(=技術提携しているメイヤー・シャンク・レーシング含む)とペンスキー勢の一騎打ちの様相となっている。6番手以下は、リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)=1分00秒2104、パロウ=1分00秒2364、カイル・カークウッド(AJ・フォイト・エンタープライゼス)=1分00秒2402、パト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)=1分00秒3333、フェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)=1分00秒3763と続いた。

ニューガーデン、ディクソンはいまだ上位に浮上できず

 ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は14番手、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は20番手でプラクティス2を終えた。グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も22番手と順位は後方だった。

マシンに大ダメ―ジを被った佐藤琢磨
レッドでの周回もこなせず


 プラクティス2ではホンダ勢4台がダメージを負った。中でも最も厳しい状況に陥ったのが琢磨とデイル・コイン・レーシング・ウィズRWRだ。ハーヴィーはクラッシュがセッション前半だったので修理の時間も長く取れ、走ることができなかったレッド・タイヤのデータもチームメイト2人からのものが期待ができる。グロジャンプはノーズ・コーンとフロント・ウィングを壊したが、マシン・ダメージはさほど大きくないように見えた。彼は自分自身でレッドでの走行をクラッシュ直前まで行っていたし、経験も実績もあるチームメイトが2人いるので、レッド・タイヤへの対応はレイホール以上に問題なくこなすことが可能だろう。しかし、琢磨はアンダー・トレイ、リヤ・サスペンションにダメージを被り、ギヤボックスの交換が必要かもしれない状況で、予選までに修理を完了させられるか心配される。仮に直せても、マシン・セッティングを元通りに戻すことは容易ではない。レッドでの周回ゼロで、チームメイトはルーキー一人。予選に向けてかなり厳しい条件が揃ってしまった。マシンのダメージで言えば、4台の中もパロウのものが一番大きかった。スピードが高いままコンクリート・ウォールにほぼ“ヘッド・オン”でぶつかり、その勢いでマシン左側を強打していた。

冷静さを欠いていたグロジャン

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 昨日のプラクティス1で最速だったグロジャンは、ハーヴィーと同じくチーム移籍をしてから初めてのレースということで、ちょっと力が入り過ぎていたのか、冷静さを欠いていた。グリーン・フラッグが振られてコースがオープンになった直後は、アタックのためのスペースを各自が確保できるよう前車を無理に抜くことをしないのが普通だ。ドライヴァー間にそうした紳士協定のようなものがあるのだ。しかし、グロジャンはアウト・ラップでライヴァル勢を抜いて行った。少し前に出れば、1周多くアタックできる、と考えていたのかもしれない。アウト・ラップでエリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)を抜くさ際に接触したという目撃情報も入っている。3年ほど前にトロントでセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)が同じことをやった上に自爆したことがあった。あの時も迷惑を被った琢磨。彼はセッション終了後にブルデイのピットに乗り込み、強く抗議していた。今回のトラブルもひとりのドライヴァーがエゴイスティックに振る舞ったことが原因だ。ふたりが共にフランス人、共にF1経験者というのは単なる偶然?
 セッション終了時も気温は23°Cのままだった。路面温度は開始時より4°C高い30°C。昨日のプラクティス1での路面は40〜46°Cもあった。
以上

 

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